鍼灸師が教える。足のつりをケア 「とっさのツボ」と「予防のツボ」&ストレッチ8つ

足のつりをケア

「足のつりとは、筋肉が異常に緊張し、けいれんして収縮したままになって激しい痛みやしびれを伴う症状です。『こむらがえり』とも呼びますが、その多くは、ふくらはぎやすね、足の指と、それらにつながる筋肉で起こります。

とっさの痛みと予防に対応するツボをいくつか覚えておき、日ごろからケアするように意識しましょう」と話すのは、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院(大阪府守口市)の丸尾啓輔院長。自分ですぐにできる対処法を教えていただきましょう。

「水分不足」、「筋肉の疲れ」、「冷え」が三大原因

まず、足のつりの原因について、丸尾さんは次のように説明します。

「『水分不足』、『筋肉の疲れ』、『冷え』の3つが挙げられます。このうちのどれか1つではなく、それぞれが影響しあって、休息を求めるサインとして痛みが現れます。

よく言われるミネラル不足については、水分とミネラルは調整しあうため、水分の不足と同じことだと言えるでしょう」

次に、ツボの位置を簡単に理解する方法について、丸尾さんはこう話を続けます。

「ツボにはたくさんの種類がありますが、足のつりの場合は、『ふくらはぎ』と『すね』に分けて把握すると覚えやすいはずです。『特効ツボ』と呼ばれる位置を紹介しておきますから、足が疲れていると感じたときはすぐに、実践してください」

また、丸尾さんは、「ツボ指圧の際のコツと注意点」について、次のことを挙げます。

・ツボの位置には個人差があります。紹介する位置を参考に、自分で押したときに刺激を感じる、少し痛むなど反応がある場所を探してください。

・指の腹か、先がとがっていない丸いツボ押しグッズなどで、1、2、3、4、5と数えながら、息を口から細く吐きながらゆっくり押し、1、2、3、4、5と数えながらそっと指を離しましょう。

・呼吸を止めないようにしましょう。

・指の跡が残る、痛いと思うほど、強く押さないようにしてください。筋肉を傷つけないためです。

急な痛みにも慌てずに、さする→ツボ押し→ストレッチ

ではさっそく、丸尾さんにツボとストレッチでセルフケアの方法を挙げてもらいましょう。

「急に痛んだときは、できるだけ落ち着いて、まずは息を吐きながら、痛む場所を手のひらでなでてください。

その後、ふくらはぎ側が痛んだ場合は(1)(2)(5)を、すねの側が痛んだ場合は(3)~(5)を行ってください。どのツボの指圧も、血流を促し、筋肉の緊張をゆるめて痛みを緩和するように働きます」

(1)ふくらはぎのとっさのツボ

<承筋(しょうきん)>  筋肉を受ける場所という意味

承筋

位置:ふくらはぎの縦の中心線上で、ふくらはぎの筋肉が最もふくらんでいるところ。 左右にあります。

刺激法:親指の腹で、「いた気持ちいい」と感じる力で、ひと押し10秒ほどを3~5回。また、デスクワークや通勤電車など座っているときは、足を組んで、一方のひざでもう一方の足のこのツボのあたりを刺激しましょう。

<承山(しょうざん)> 盛り上がった「山」を「受ける=承」の意味。

位置:ふくらはぎの中心線上で、盛り上がりの下の端。また、アキレス腱を上にたどると、ふくらはぎの筋肉にあたる部分。左右にあります。

刺激法:親指の腹で、ひと押し10秒を3~5回ほど繰り返します。「承筋」同様に、足を組んでひざで指圧してもいいでしょう。

(2)ふくらはぎの予防のツボ

<湧泉(ゆうせん)>  エネルギーが湧き出るツボという意味合い

湧泉(ゆうせん)

位置:足の指を曲げたときに足の裏にできるくぼみの部分。左右にあります。

刺激法:親指の腹でひと押し10秒を3~5回ほど繰り返します。ここはやや強めに押し込むといいでしょう。

<陽陵泉(ようりょうせん)>  足の正面側は「陽」、「陵」は丘、「泉」はくぼみを表す

陽陵泉

位置:足首の外側のくるぶしからひざに向かって指でなでながら上がると、でっぱった骨にぶつかります。そこから自分の親指の幅3つ分ほど下方にあるくぼみ。左右にあります。

刺激法:親指の腹で、ひと押し10秒を3~5回繰り返します。

(3)すねのとっさのツボ

<足三里(あしさんり)> 「三」は三寸という距離、「里」は道のりを表す

位置:ひざのお皿の外側の骨のでっぱりから、自分の親指の幅3本分を下がったところ。また、すねの筋肉を下からゆっくり擦り上げてくぼみで指の止まるところ。左右にあります。

刺激法:親指の腹でひと押し10秒を3~5回ほど繰り返します。

<条口(じょうこう)> 「条」は狭く長い、「口」はすねが細長い口の形に見えることに由来

位置:椅子に座って足首を上に曲げたときに盛り上がるすねの筋肉の真ん中あたり。また、足三里から手のひらの横幅の一番広い部分ほど下がった付近。 左右にあります。

刺激法:足を外側から両手で包むようにして持ち、親指の腹でひと押し10秒を3~5回ほど繰り返します。

(4)すねの予防ツボ

<解谿(かいけい)> 「解」は解く、「谿」は谷、下肢と足首から下の境目を表す

解谿

位置:足首の前側の中央あたり。左右にあります。

刺激法:かかとを手のひらで包むようにして持ち、親指でひと押し10秒を3~5回ほど繰り返します。

<陥谷(かんこく)> 「陥」はへこみ、「谷」は谷間という意味合い

位置:足のひとさし指となか指の骨が結合する部分のすぐ前にあるくぼみ。左右にあります。

刺激法:一方のひざを立てて座り、ひとさし指かなか指でひと押し10秒を3~5回繰り返しましょう。

(5)足のストレッチ

足のストレッチ

足のストレッチ

ひざを伸ばし、口から細く息を吐きながら、足の親指をつかんで体のほうにゆっくり倒し、アキレス腱(けん)を伸ばします。次に、足の指を反らすようにして、足の甲からすねの筋肉を伸ばします。左右とも、3~5回繰り返しましょう。

足のストレッチ

さらに、つま先を伸ばしたまま、足首を内側に向けてゆっくりとひねり、すねの筋肉を伸ばします。その後、ゆっくり足首を回しましょう。左右とも、3~5回繰り返しましょう。

最後に丸尾さんは、こうアドバイスを加えます。
「足がつると、痛みが激しくて焦るでしょう。やはり、予防することが重要です。まずは、水分不足にならないように経口補水液などを飲むことを忘れないでください。次に、これらの動作を、デスクワーク中、通勤電車、トイレ休憩、テレビを見ているときなどのちょっとした時間に繰り返し行ってください」

さっそく一連の動作を試してみると、足全体が軽くなり、腰のあたりまで動きが楽になったように感じます。深夜に急な痛みに襲われないように、日ごろからこれらのツボ押しとストレッチを実践しておきたいものです。

(阪川夕輝/ユンブル)


丸尾先生

取材協力・監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。「健康寿命をいつまでも!」と掲げ、整形外科勤務の経験を活かしたロコモティブシンドロームの改善を得意とし、リハビリ、鍼灸治療を行っている。
太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10

http://www.taisibasi.com/

▼医師が教える、足のつりの対処法【動画】

足のつりをケア

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

おすすめコラム