株式会社ウェルヴィーナス

《鍼灸師監修》鍼灸師が教える。憂うつなときの 不眠に対処するツボ&ストレッチ6選

maruo_201611_2

気分が落ち込んでいるときは、深く考えずに早く寝ようとするけれど、意識して余計に寝つきが悪くなる……。そんな経験はありませんか。「そういうときに指圧するとよいツボがあります」と話すのは、鍼灸(しんきゅう)師で太子橋鍼灸整骨院(大阪府守口市)の丸尾啓輔院長。自分でできる具体的な方法について教えてもらいました。

「心(しん)」の不安定が不眠につながる

まず、「不眠のとらえ方」について、丸尾さんは次のように話します。

「東洋医学では、ヒトの体と心について、『気・血(けつ)・水(すい)』という3つの要素がバランスよくめぐることで健康を保つと考えられています。このうち、『気』と『血』をもとに働いているのが、『心(しん)』です。『心』は、精神、意識、思考、また心臓の働きをコントロールする機能を表します。

『気』や『血』が不足する、過剰であるときは、『心』の機能が不安定になります。すると、落ち込んで気分がすぐれない、消極的になる、イライラするなどの精神面の不調とともに、よく眠れない、頭痛や動悸(どうき)がする、便秘、下痢、体がだるい、食欲がない、疲れやすいなど肉体面にもさまざまな不調が現れると考えられます」

では、「心」を安定させることが睡眠の質をアップさせることにつながるのでしょうか。

「そうです。快眠のためには、『気』や『血』のめぐりを正常にして、『心』の機能を落ち着かせる必要があります。『心』が安定すると、イライラや憂うつとともに不眠も改善するでしょう。

その方法の一つが、ツボの指圧とストレッチです。寝る前に一連の動作をするのはもちろん、ネガティブな感情を解消したいときにも実践してみてください。状況に応じて、ツボを指圧するだけでも働きを期待できるでしょう。

ツボは、これから紹介する位置を参考に、刺激や気持ちいいと感じる場所を探しましょう。指圧の際には呼吸を止めずに鼻から吸って口から吐きながら、心を落ち着かせることを意識して、ゆったりとした気分で行ってみてください」と丸尾さん。

ツボ押しと深い呼吸で、心身をリラックスさせる

次に、丸尾さんが選んだ「ツボとストレッチ」の方法を挙げてもらいましょう。説明は、丸尾さんによります。

(1)百会(ひゃくえ)  ―自律神経のバランスを整える特効ツボ

体の働きに関係する『百の道筋が出会うところ』を意味し、全身の『気』や『血』が通る場所ととらえられています。指圧すると、頭から足までの血流を促します。

憂うつ感や不安感を和らげて不眠を改善しますが、朝、起きるのがつらいときは寝たままで指圧すると目が覚めてくるでしょう。また、寝不足で頭がぼうっとしているときや、頭痛、頭重感、目の疲れや難聴、めまいや立ちくらみなどの全身の症状の改善にも働きかけます。

1611_04_fumintubo
位置: 左右の耳の上の端から、頭頂に向かってつないだ線上の中心。頭のてっぺん。

1611_04_fumin-2
刺激法: 両方の手の指を開いて頭を抱え、「百会」になか指の腹をあて、ひと押し10秒ほどを3~5回、繰り返します。

(2)天柱(てんちゅう) ―『気』『血』の流れを促すツボ

『天』は頭部、『柱』はもっとも大切なところを支えるという意味合いです。首は頭と体を結ぶ血管や神経の通り道なので、このツボを指圧することで、首や肩まわりで滞った『気』や『血』の流れを促します。(1)の「百会」の効用と同様に、憂うつ感、ぼんやり感、ストレス、目の疲れ、頭痛、頭重感、肩こりなど、心身のさまざまな症状を和らげるのに役立ちます。

1611_04_fumin-3
位置: 後頭部の髪の生え際にある中央のくぼみの両側に、太い筋肉が縦に2本、浮き上がっています。これを僧帽筋(そうぼうきん)と呼びますが、この僧帽筋が頭部と接する上の端の外側です。左右にあります。

1611_04_fumin-4
刺激法: 両手で頭を抱え、「天柱」に親指の腹をあて、ひと押し10秒ほどを3~5回、繰り返します。

(3)肩井(けんせい) ―精神の安定と肩こり改善に作用するツボ

『肩』をめぐる体の中のエネルギーが湧く『井』戸であり、『気』『血』が湧き出るところという意味合いです。肩こりを改善する特効ツボとして知られおり、気持ちの高ぶりやイライラする、不安感が募るなどの精神不安に伴う、肩のこわばり、首の痛み、寝違え、目の疲れなどの症状を改善します。

1611_04_fumin-5
位置: 首の付け根の後ろ側と、肩先の真ん中にあるくぼみ。

1611_04_fumin-6
刺激法: 反対側のひとさし指となか指で、「いた気持ちいい」と感じる力で、ひと押し10秒ほどを3~5回繰り返します。

(4)神門(しんもん)  ―緊張をほぐすツボ

『神』は先ほど説明した、東洋医学で言う『心』を表します。『門』は出入り口のことで、神門とは、『心』と『気』の出入り口であり、『心』の宿る心の臓に通ずる場所という意味合いがあります。

ここを指圧すると、精神的な緊張をほぐし、不安感やイライラした気分をしずめます。心臓の働きに関係しているため、特に、ストレスから動悸や息切れ、胸痛が起こったときに有用です。

1611_04_fumin-7
位置: 手のひら側、手首の関節あたりにしわの横線があります。その小指よりのすぐ下にあるくぼみ。

1611_04_fumin-8
刺激法: 手のひらを上に向けます。もう一方の手で手の甲側から手首をつかむように握り、親指の腹で「神門」を指圧します。ひと押し10秒ほどを3~5回繰り返します。

(5)げき門(げきもん) ―精神を落ち着かせるツボ

『げき』はすきま、『門』は出入り口を表します。『気』『血』が集まり、邪気が出入りするところを意味します。

内臓の活動、心臓の拍動、呼吸、血圧、体温などをコントロールする自律神経のバランスの乱れを整えるよう働きます。イライラや怒りを落ち着かせ、精神を安定させる作用があります。心臓につながる経路上にあるため、(4)の「神門」と同じく、動悸や息切れ、胸痛をしずめる即効ツボでもあります。

1611_04_fumin-9
位置: 腕のひじから下、手のひら側で、手首の横じわの中央から親指の幅5本分ほどひじ側に上がったところ。左右にあります。

1611_04_fumin-10
刺激法: 「神門」と同様に、もう一方の手で手の甲側から腕をつかむように握り、親指の腹で指圧します。ひと押し10秒ほどを3~5回繰り返します。

(6)胸郭(きょうかく)を開くストレッチ ―呼吸を整える

両手を広げると、胸を囲んでいる胸郭(きょうかく)が開きます。不安感が強いときは呼吸が短く、浅くなりがちですが、胸郭を広げると呼吸が楽になり、また深くなります。深い呼吸は、『気』や『血』のめぐりを整えて『心』を安定させることもあるので、心身をリラックスし、快眠を促すことができるでしょう。

1611_04_fumin-11

1611_04_fumin-12

あお向きに寝ころんで、心臓の下あたりに丸めたバスタオルを入れます。次に、両手を左右に広げた状態で、5回ほど、大きく胸を開いて呼吸を繰り返します。

これら、ツボの指圧とストレッチを試したところ、頭の重い感じや肩や首のこわばりがとれ、気分が和らいで軽やかになったように感じます。悩んで眠れず、眠れなくて悩む……という悪循環に陥る前に、試してみてはいかがでしょうか。

取材・文 岩田なつき/ユンブル

04_1611_%e4%b8%b8%e5%b0%be%e6%b0%8f_%e5%b9%85200

取材協力・監修:丸尾啓輔氏。鍼灸(しんきゅう)師。柔道整復師。太子橋鍼灸整骨院院長。「健康寿命をいつまでも!」と掲げ、整形外科勤務の経験を活かしたロコモティブシンドロームの改善を得意とし、リハビリ、鍼灸治療を行っている。
太子橋鍼灸整骨院:大阪府守口市京阪本通1-3-10  
http://www.taisibasi.com/

株式会社ウェルヴィーナス
maruo_201611_2

この記事が気に入ったら
いいね!しよう