《医師監修》鼻水はネバネバかサラサラか!? 耳鼻咽喉科専門医に聞く、 花粉症と風邪の違いとは

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鼻水が続くと、「風邪かな? 花粉症かな?」と迷うことがよくあります。薬の選びかたや対処法が異なってくるので、どちらなのかを見極めたいところです。そこで、耳鼻咽喉科専門医で、とおやま耳鼻咽喉科(大阪市都島区)の遠山祐司院長にそれぞれの特徴や見分けかたを教えてもらいました。

サラサラの透明な鼻水は花粉症。ネバネバは風邪

――鼻水やくしゃみなど、花粉症と風邪の症状は似ている点が多いように思います。違いは何でしょうか。

遠山医師 まず、花粉症と風邪では、発症する原因と体の反応が異なります。花粉症は、花粉が原因で発症するアレルギー疾患の一つです。体内に侵入した花粉などの異物を体が「アレルゲン」だと認識すると、体外に排除するために鼻水、鼻づまり、くしゃみなどのアレルギー反応を起こします。

ホコリやダニ、カビなどが原因で季節に関係なく発症する「通年性アレルギー性鼻炎」に対して、「季節性アレルギー性鼻炎」とも呼びます。

一方、風邪は、ウイルスや細菌に感染して鼻やのどの粘膜で炎症が起こり、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、せき、たんなどが現れます。また、ウイルスと闘う免疫機能が活発になると、発熱、倦怠(けんたい)感、関節痛や筋肉痛など、全身に症状が出ます。

花粉症の典型的な症状は、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみの4つです。風邪の場合は、原因となるウイルスや細菌は200種類以上あると言われていて、感染する種類、また、体力や体調、体質によって症状はさまざまです。

鼻水やくしゃみは、花粉症か風邪かでその質に違いがあり、どちらか一方にしか現れない症状もあります。それぞれの特徴は次の通りです。

<花粉症(アレルギー性鼻炎)の場合>

  • ・鼻水がサラサラで、垂れてくる
  • ・鼻づまりがひどく、両方の鼻の穴が詰まることもある
  • ・連続して何度もくしゃみが出る
  • ・目のかゆみや痛みがある
  • ・のどにイガイガするような、違和感がある
  • ・発熱はしない、もしくは、37.4度までの微熱

<風邪の場合>

  • ・鼻水がネバネバで、粘り気がある
  • ・始めは透明な鼻汁だったが、数日経つと黄色や緑色を帯びる
  • ・くしゃみは出るが、連続はしない
  • ・せきやたんが出る
  • ・のどの痛みがある
  • ・発熱している
  • ・寒気がする
  • ・関節痛や筋肉痛がある
  • ・目のかゆみはない

鼻水やくしゃみの原因が花粉症か風邪かを見極めたうえで、ケアの方法を考えてください。どちらかわからないときは、花粉症も風邪も治療できる耳鼻咽喉科を受診するといいでしょう。

花粉症は軽いうちに治療すると、程度が軽くなる

――「花粉症だ」と思ったときは、どのように対処すればいいのでしょうか。

遠山医師 花粉が飛び始める前、あるいは症状が軽いうちに治療を始めると、症状が強まる時期を遅らせる、症状の程度を軽くすることができます。なるべく早く耳鼻咽喉科を受診しましょう。血液検査や鼻鏡を使った検査などで、花粉症かどうか、進行具合はどうかを調べることができるので、治療を早く正確に進めることができます。

特に、スギによる花粉症の場合は、スギ花粉のエキスを舌の下の粘膜に垂らして体を慣らし、アレルギー反応を弱めていく「舌下免疫療法」もあります。スギ花粉の飛散終了後の5月から12月にスタートして3年以上は続ける必要がありますが、花粉症の根本的な改善が期待できます。

――日常生活で気を付けることはありますか。

遠山医師 外出時はマスクやメガネを装着して粘膜に付着しないようにする、帰宅時は戸外でコートやマスク、帽子、手袋をはずし、衣服や髪をよくはらってから入室し、洗眼やうがいをしてください。こまめに部屋を掃除するなど、日常生活に花粉を持ち込まないように工夫をしましょう。

さらに、花粉が飛散する期間中は、屋外に干した洗濯物を取り込むときにはよくはたいてから屋内に持って入るようにし、できれば部屋干しする方がいいでしょう。

――「風邪の鼻水やくしゃみだ」という場合は、どうするべきでしょうか。

遠山医師 風邪そのものを治す薬や治療法はないので、病院では、鼻水やくしゃみ、せき、発熱といった各症状を改善するための対症療法を行います。

まずは、十分に睡眠をとり、水分をこまめに補給し、可能であれば栄養のバランスが揃った食事をとって安静にしましょう。鼻をかむときは、一度に強くかむと耳を傷めることがあるので、何回かにわけて少しずつ鼻水を前に送り出すようにしてかみましょう。

解熱剤は体温が38.5℃以上で、かつ頭痛や関節痛などがあってつらいときのみの使用にとどめてください。発熱とは先ほど話した通り、体内でウイルスが闘っているときの症状なので、熱を下げるとウイルスに対抗できずに風邪の治りが遅れることがあるからです。

花粉症と風邪では症状が違うこと、特に鼻水やくしゃみなど一見同じと思える症状でもその質は違うということです。鼻水の色や状態、くしゃみの頻度、目のかゆみの有無、発熱の様子などをチェックして、適切なケアを心がけたいものです。

取材・文 岩田なつき/ユンブル

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取材協力・監修 遠山祐司氏。耳鼻咽喉科・気管食道科専門医。大阪市都島区医師会会長。医学博士。医療法人とおやま耳鼻咽喉科院長。
医療法人とおやま耳鼻咽喉科 大阪市都島区御幸町1-9-1

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