《専門家監修》管理栄養士が教える。月経の不調を改善する栄養素と簡単メニュー

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毎月の生活リズムにもなる月経周期ですが、期間や周期がバラバラ、月経前の心身のトラブルなど悩みはさまざまです。そこで、日々の食事からそれらを改善できないかと、管理栄養士の西山和子さんにお話を聞きました。

血液をつくり、循環を促す栄養素が必要

はじめに、月経時の不調と栄養素の関係について、西山さんはこう説明します。

「月経に大きな影響を与えているのは、脳からの指令で分泌される『女性ホルモン』です。排卵を境に『卵胞ホルモン(エストロゲン)』と『黄体ホルモン(プロゲステロン)』という2つのホルモンの分泌量が変動する影響で、月経前には、むくみや肌荒れ、頭痛、便秘、イライラする、ネガティブな思考になることがあります。

月経中は、血液が子宮に集まり、子宮粘膜とともに体外に出ていくため、貧血になりやすく、めまい、頭痛、全身のけんたい感、冷えなども起こり、やがて月経不順を引き起こすようになります。

ですから、女性ホルモンの分泌を促す、維持する、分泌量を適正にコントロールするには、月経で失われる血液を十分につくるため、また、血流を促すための栄養素が必要になります」

食事でそれらの栄養素が不足していると、不調が起こりやすくなるのでしょうか。

「そうです。過度なダイエットや偏った食事をすると、月経が止まる、周期が不順になるということはよくあります。

また、ストレス、睡眠不足、運動不足などでも、栄養バランスが崩れて同様の症状が現れる原因になります」と西山さん。

女性ホルモンを整えるのはタンパク質食品

ではここで、西山さんに、「女性ホルモンのバランスを整える栄養素と代表的な食材の例」を挙げてもらいましょう。

(1)タンパク質……女性ホルモンや血液の形成に必須

筋肉や臓器、皮ふ、血液など体の大部分を構成するのはタンパク質です。適量をとるようにしましょう。タンパク質の食材には脂質も含まれ、女性ホルモンを整えるために必要な栄養素が豊富だといえます。
 
代表的な食材例:肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品

(2)ビタミンB群……ビタミンB1、B6の摂取でエネルギー代謝をアップ

ビタミンB群は、エネルギー代謝や体の成長に必要な栄養素です。健康な体をつくり、体を温めることは、女性ホルモンの正常な働きにつながります。ビタミンB群の中でも、B1は糖質の代謝をスムーズにし、B6はタンパク質の代謝に欠かせません。水溶性のビタミンなので体外に排せつされやすいため、毎日の食事で意識をして摂取するようにしましょう。
 
代表的な食材例:うなぎ、豚肉、レバー、チーズ、枝豆など

(3)ビタミンE……女性ホルモンの分泌を助ける

抗酸化作用があり、血液をサラサラにして冷えを改善します。黄体ホルモンがつくられるのを助け、生殖機能を維持する作用もあります。不足すると、月経不順や手足の冷えなどの症状が現れやすくなります。
 
代表的な食材例:アーモンドなどのナッツ類、かぼちゃ、うなぎ、アボカドなど

(4)葉酸……健康な血液をつくり、月経前の不調を緩和する

ビタミンB群のひとつで、健康な赤血球をつくって悪性の貧血を予防します。また、タンパク質の合成にも関わります。血液の状態を良くすることで、月経前の不調の改善が期待できます。
 
代表的な食材例:菜の花、春菊、レバー、アボガドなど

(5)鉄分……貧血を予防する

血液中で酸素を運ぶヘモグロビンを構成する成分のひとつで、月経があるとこれが不足しやすいため注意が必要です。不足すると、肩こりや冷え性などの不調につながります。野菜や果物に豊富に含まれる「ビタミンC」とともに摂取すると、体内への吸収率が高まります。
 
代表的な食材例:レバー、牛肉、海藻類、卵、大豆製品、緑黄色野菜など

(6)亜鉛……女性ホルモンの働きを高める

タンパク質の合成や、細胞の新陳代謝をスムーズにする酵素の成分となります。亜鉛が不足すると貧血になりやすく、月経リズムの乱れの原因になります。加工食品を多く食べる人は、食品添加物によって亜鉛の吸収を阻害されている可能性があるので、意識してとるようにしましょう。
 
代表的な食材例:カキ、肉類、レバー、納豆、ごまなど

(7)大豆イソフラボン……女性ホルモン(エストロゲン)と似た作用

タンパク質食品である、大豆製品からとることができます。女性ホルモンのひとつ、「エストロゲン」に似た働きをする成分です。エストロゲンが不足することで起こる心身の不調の緩和が期待できます。特に更年期が近づいた女性は日ごろから積極的にとりたい栄養素です。ただし、ホルモンバランスを崩さないように、とりすぎにも注意しましょう。
 
代表的な食材例:大豆、豆腐、豆乳、黒豆、油揚げなど大豆製品

豆腐の上に具材をトッピングしてピザ風に

必要な栄養素が分かったところで、これらを使った「簡単自炊レシピ」と「総菜メニューの例」を、西山さんに教えてもらいましょう。

<自炊レシピ>

・ピザ風豆腐

アルミホイルに乗せた豆腐の上に、ネギ、ツナ、マヨネーズ、チーズなどをトッピングして、トースターで6分(500w)ほど温めて、しょうゆをかければできあがり。

・豆乳なべ

無調整の豆乳をベースに、スープやだしの素、みそなどで味付けをします。豚肉、豆腐、ハクサイやホウレン草などの葉野菜、ネギ、キノコなどを加えて、熱が通ればできあがり。

どちらも、具材をアレンジする、出汁を変えることで、さまざまな味のパターンを楽しむことができます。

<総菜メニュー例>

・鶏むね肉やツナ、卵がトッピングされた緑黄色野菜のサラダ
・おからの煮物
・ニラレバ炒め
・うなぎのかば焼き

最後に西山さんは、日ごろの食事法について、こうアドバイスを加えます。

「活動するために必要なエネルギーや栄養素が不足すると、生命活動を維持するのを優先しようと、女性ホルモンの分泌が減少します。

ですから、日常の活動に応じた適正なエネルギーを確保することや、栄養のバランスがそろった食事をとることが重要です。お菓子やファストフード、加工食品ばかりで食事の代用をするのは避けましょう」

月経の不調には女性ホルモンが大きく影響し、その分泌には食事の内容が深く関係していること、そして、不調を改善するには、ここに紹介していただいた7つの栄養素が重要だということです。不調で嘆く前に、日ごろからこれらを意識した食事をしておきたいものです。

取材・文  岩田なつき/ユンブル


西山和子氏

取材協力・監修
西山和子氏。糖尿病専門・ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)にて管理栄養士、糖尿病療養指導士。糖尿病、生活習慣病、メタボリックシンドロームの患者さんを対象に、パーソナルな食事指導にあたる。『専門医が考えた 糖尿病に効く「腹やせ」レシピ』(福田正博 洋泉社)の監修担当。また、食生活に関する記事の執筆、監修多数。
医療法人弘正会 ふくだ内科クリニック

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