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《薬剤師監修》薬剤師が教える。月経トラブルを改善する市販薬の選びかた

201703kondo

月経時や直前のイライラや便秘、おなかや腰の痛み、リズムが不規則など、さまざまな不調に対して、市販の薬で対処しては「その場しのぎに過ぎないのでは」と悩みます。そこで、大阪府薬剤師会理事で薬剤師の近藤直緒美さんに、月経トラブル対策の薬の選びかたについて聞きました。

ホルモン剤の低用量ピルは処方薬のみ

まず、月経の不調の処方薬と市販薬の違いについて、近藤さんはこう説明します。

「婦人科などの医療機関を受診し、薬による治療が必要と認められた場合は、女性ホルモン剤が処方されます。排卵を抑制してホルモンのリズムを一定にし、月経前の不調や月経リズムが整うように導きます。

これらは現在、ホルモンの含有量が少ない低用量ピルや健康保険が適用されない中用量ピルが主流ですが、市販はされていないため、医師の診察が必要です。

また、子宮や卵巣の働きを改善する、ホルモンのバランスを整える、血流を改善するなどの作用を考えて、漢方薬が用いられることもあります」

速効性では痛み止め、不調全般の改善には漢方薬を

では、薬局の店頭ではどのように薬を選べばいいのでしょうか。近藤さんはこう話します。

「ポイントは、どのような不調を和らげたいのかということです。月経痛のように痛みをすぐに改善したい場合は、鎮痛解熱効果成分のイブプロフェンなどを含有する鎮痛剤を選ぶといいでしょう。速効性があります。

また、月経リズムが整っている人で、あらかじめこの日は痛みがあるなと分かっている場合は、痛む前に飲むとより効果があることがわかっています」

リズムを整えるなど、痛み以外の不調を改善する薬はあるのでしょうか。

「西洋薬では、鎮痛剤以外は現在、市販はされていません。不調全般を改善したい場合は、漢方薬を試してみるといいでしょう。月経痛に適応するタイプがあります。

漢方薬の場合は、症状に加えて、自分の体力や体質、例えば、血圧は高いのか低いのか、太り気味かやせ気味か、体力はあるほうなのか疲れやすいのか、などによって選び分けるようにしましょう」

ではここで、「月経のトラブル別、市販の薬の選びかた」を近藤さんに挙げてもらいましょう。

<月経不順を改善する>

(1)温経湯(うんけいとう)

月経リズムの乱れは、漢方の考え方である「気・血(けつ)・水(すい)」の流れのバランスが乱れて、「血(けつ)」が滞っている、不足している状態ととらえます。この薬は、血流の異常を改善するように働きかけ、月経不順をはじめ、月経困難症、更年期障害などの婦人科系の不調に適しています。

血液の循環を改善する「当帰(とうき)」、「川芎(せんきゅう)」、「桂皮(けいひ)」、「牡丹皮(ぼたんぴ)」、体を温める「人参(にんじん)」、「生姜(しょうきょう)」など、12種類の生薬が配合されています。

体力があまりなくて、足腰の冷えに悩む人、皮ふや唇が乾燥しがちな人、不眠や憂うつな気分の人に向いています。

<月経前症候群(PMS)を改善する>

(2)桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

こちらも、漢方でいう「血(けつ)」の滞りに働きかけます。血液循環が改善する「桂皮(けいひ)」、「桃仁(とうにん)」、「牡丹皮(ぼたんぴ)」など5つの生薬が配合されています。

血液の循環を促進することで、月経前や月経の前半の不調改善に作用します。

比較的体力がある人、下半身が冷えやすい人に向いています。

(3)当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

月経前の不調を改善するほか、冷え、貧血、月経不順、月経痛などを和らげます。

血流を促して貧血や冷えを改善する「当帰(とうき)」、痛みを緩和する「芍薬(しゃくやく)」を中心に、むくみを改善する「茯苓(ぶくりょう)」、血流をスムーズにする「川芎(せんきゅう)」など6種類の生薬からなります。

やせ型で体力があまりない人、汗をかきにくい人、色白で足腰が冷えやすい人に向いています。

(4)チェストベリー配合のタイプ

西洋ハーブの「チェストベリー」が主成分で、PMSを緩和するとして認可された医薬品があります。ただしこの薬は、「要指導医薬品」といって、2017年3月現在、薬局に常駐する薬剤師から使用する当事者が症状を確認して説明を受けてから購入することになります。

また、通販などで購入できるサプリメントもあり、それはチェストベリー以外の成分(ビタミン類など)が配合されているものもあります。

<月経痛を和らげる>

(5)鎮痛薬

名前のとおり痛みを鎮める薬、痛み止めですが、配合される成分によってさまざまな種類が市販されています。15歳以上であれば服薬可能な薬効成分「イブプロフェン」は子宮への移行性が高く、月経痛を和らげます。

胃腸が弱い場合は、作用が比較的穏やかで胃腸に負担をかけにくく、15歳未満でも服用できる「アセトアミノフェン」が主成分の薬を選ぶとよいでしょう。

ほかに、月経時のむくみや眠気もあわせて抑えたい場合は「カフェイン」を、月経痛と同時に肩こりや頭痛などの症状を和らげたい場合は、催眠鎮静成分の「ブロムワレリル尿素」や「アリルイソプロピルアセチル尿素」などを配合した種類を選びましょう。

(6)芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

名前のとおり、痛みを緩和する「芍薬(しゃくやく)」と「甘草(かんぞう)」の2種類の生薬からなり、速効性がある痛み止めの漢方薬として知られています。

筋肉のけいれんが原因で急激に起こる痛みに対処し、月経時、内臓のけいれんによるおなかや腰が突っ張るように痛む場合に適しています。

体質にかかわらず広く適応し、ぎっくり腰、胃けいれん、こむら返り、尿管結石などの激痛によく用いられます。

最後に近藤さんは、「どのように違うのか、自分にはいったいどれが適しているのかなど、迷ったときはドラッグストアや調剤薬局の薬剤師に相談してください。また、生活に支障がでるほどつらい症状がある場合は、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気も考えられます。すぐに婦人科を受診しましょう」とアドバイスを加えます。

薬を選ぶ際には、「不調の時期が、月経前か、月経時か、リズムなのか」、「いますぐ痛みを止めたいのか、不調全般を何とかしたいのか」、また、「つらいのはおなかや腰の痛みなのか。精神的なイライラや憂うつなのか。頭痛や肩こり、めまいなどもあるのか。それら全部なのか」など、不快のタイプを明確にし、さらに、自分の体調や体質も確認しておくとよいということです。

取材・文 海野愛子/ユンブル

近藤氏
取材協力・監修
近藤直緒美氏。薬剤師。大阪府薬剤師会理事。なのはな薬局本店、真上(まかみ)店、ケアプランセンター(ともに大阪府高槻市)を運営する有限会社スターシップ代表取締役。
なのはな薬局:大阪府高槻市城北町1-4-18

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