≪管理栄養士監修≫ 管理栄養士が教える。 牛乳がイライラを鎮める? ストレスを和らげて快眠を促す食材集

nishiyama201705

イライラが続いて寝つきが悪い、ストレスや興奮で眠りが浅い……そんなとき、日ごろの食事の内容を見直すのもよいと聞きました。糖尿病専門クリニックで管理栄養士の西山和子さんは、「ストレスが過剰だと、神経や脳内物質の分泌に影響します。ストレスを軽くする栄養素が関係するため、食材を選ぶことはとても重要です」と話します。具体的に何を食べるといいのでしょうか。詳しいお話を伺いました。

イライラの予防にはカルシウムとマグネシウムをバランスよくとる

「イライラするときはカルシウムが不足している。牛乳を飲みなさい」とよく耳にしますが、本当でしょうか。西山さんはこう説明します。

「カルシウムには神経伝達物質をコントロールする作用があります。また、筋肉を収縮・弛緩する働きもありますが、その際、マグネシウムが不足しているとカルシウムとのバランスを崩し、けいれんや震えをおこしてイライラしやすいと言われます。

血液中のカルシウムの濃度が低下した場合は骨からカルシウムを補う機能が働き、血中の濃度は一定に保たれます。ですから、カルシウム不足ですぐにイライラすることはなく、また、急いで食事からカルシウムをとる必要はありません。しかし、骨からカルシウムが溶け出すため、慢性的なカルシウム不足になると骨粗しょう症など骨の問題につながります」

つまり、イライラの予防にはカルシウムとマグネシウムのバランスが重要ということですね。

「カルシウムとマグネシウムが2:1となるような食事が理想です。牛乳はその理想に近いので、『イライラするときは牛乳を摂取しよう』という説は、結果的に成り立ちます」

では、それに関連して、「寝る前にホットミルクを飲むと睡眠によい」という説も、適切だと言えるのでしょうか。

「栄養素の観点では、適切でしょう。牛乳にはカルシウムだけではなく、必須アミノ酸であるトリプトファンが豊富に含まれていて、これは眠りの質を上げると考えられています。

ただし、毎晩寝る直前にたくさん飲むと、カロリーオーバーや血糖値を上げる可能性が出てきます。寝る2時間ほど前までに、コップ半分程度にしましょう」(西山さん)

カルシウムは、ビタミンDやマグネシウムとともにとる

次に、カルシウムを効率的にとるための食品や食べかたについて、西山さんはこうアドバイスをします。

カルシウムは、牛乳、チーズ、ヨーグルト、木綿豆腐、じゃこや桜エビなど小魚、水菜や小松菜、大根葉などに多く含まれています。

また、カルシウムの吸収をよくするビタミンDが含まれる食品、イワシ、サンマ、紅鮭、シイタケなどをいっしょに食べると効率よく摂取できるでしょう。

先にお話ししたとおり、イライラ対策には血液中のカルシウムとマグネシウムのバランスが重要です。マグネシウムは、アーモンド、カシューナッツ、納豆、ヒジキ、玄米ごはん、ゴマ、ホウレン草などに豊富に含まれています。カルシウムを含む食品とともにこれらを積極的にとるようにしましょう」

睡眠の質を上げる、必須アミノ酸、ビタミンB群、ビタミンC

さらにカルシウムのほかに、快眠を促す栄養素と食材について、西山さんは次のように挙げます。

・必須アミノ酸

人の体では合成できないアミノ酸で、トリプトファン、バリン、ロイシン、イソロイシンなど9種類があります。特にトリプトファンは、神経を落ち着かせて、睡眠を促すセロトニンと言う神経伝達物質の原料となります。

【含まれる食材】大豆製品乳製品など

・ビタミンB群

代謝を助け、体調を整えます。トリプトファンからセロトニンを合成するには、ビタミンB6が必要です。 

【含まれる食材】バナナ豚肉レバーなど

・ビタミンC

抗ストレス作用、抗酸化作用があり、疲れを和らげて眠りの質を上げると考えられます。 

【含まれる食材】ブロッコリーや小松菜などの野菜イチゴオレンジなどの果物

ミルク、豆乳、バナナヨーグルトを温めて

ここで西山さんは、寝つきや睡眠の質によいと考えられるドリンクについて、具体的にこう挙げます。

「先に紹介したホットミルクのほかに、これまで紹介した成分が含まれる豆乳やヨーグルトがいいでしょう。体を冷やさないために温めてください。

コップに半分程度を入れて電子レンジで1分ほど温めたホット豆乳ホットヨーグルト、また、バナナをちぎってヨーグルトをかけ、40秒ほど電子レンジで温めたホットバナナヨーグルトもいいでしょう。ただし、ヨーグルトは温めると水っぽくなるので、加熱時間を調整してください」

毎日の食事は、神経や精神、睡眠の状態に深く影響しているとのことで、はっとしました。これからは食事の重要性を意識し、これらの栄養素と食材に注目して積極的にとっていきたいものです。

取材・文  阪川夕輝/ユンブル

西山和子氏

取材協力・監修
西山和子氏。糖尿病専門・ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)にて管理栄養士、糖尿病療養指導士。糖尿病、生活習慣病、メタボリックシンドロームの患者さんを対象に、パーソナルな食事指導にあたる。『専門医が考えた 糖尿病に効く「腹やせ」レシピ』(福田正博 洋泉社)の監修担当。また、食生活に関する記事の執筆、監修多数。
医療法人弘正会 ふくだ内科クリニック

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