≪管理栄養士監修≫ もりもり食べても太らない!? 管理栄養士が教える、「かさ増し」食材とは

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ズボンを履くとき、風呂あがりに鏡で全身を映し見たとき、おなかまわりの脂肪がどうしようもなく気になります。何度かダイエットを決意して実践しましたが、どうも食事の量を減らす方法とは相性(?)が合いません。そこで、管理栄養士で糖尿病クリニックにて食事指導を行う西山和子さんに、「たっぷり食べられて太りにくい食事法」はないものかとお尋ねしてみました。

極端な減量、偏食ではない健康的なダイエットを

西山さんはまず、「健康的なダイエットを意識しましょう」と言い、次のように説明します。

「健康的なダイエットとは、極端なカロリー制限や偏った内容の食事をせず、かつ、食事でとるカロリーを、一日に体に必要なエネルギーより少し控え、体を動かし、栄養のバランスを整えながら、体脂肪を落としていくことだと考えてください。

肥満の人はカロリーを控える必要はありますが、炭水化物や肉類を食べない、バナナやリンゴだけを食べるなどの偏った食事でカロリー制限をしようとすると、体内でエネルギーを作り出すなど、『代謝』に必要な栄養素が不足し、体調不良やリバウンドをまねきやすくなります」

極端なカロリー制限や○○だけダイエットなどの方法で一日の摂取カロリーを抑えることができたとしても、おなかに脂肪がたまったり、太ったりするのでしょうか。

「一時的には体重が減るでしょうが、もとの食事に戻ったときに、リバウンドの可能性が高くなります。また、栄養不足による肌荒れや抜け毛など不調も表れます」(西山さん)

ボリュームアップできる食材で満腹感を得る

おなかにたまった脂肪は、食べ過ぎや運動不足、エネルギー代謝が悪いことの警告なのかもしれません。そこで西山さんは、次の方法を提案します。

「ダイエットをするときでも栄養のバランスが崩れないように、主食と主菜と副菜をそろえ、低カロリーでボリュームアップできる食材で『かさ増しメニュー』をつくりましょう。これなら、満腹感が得やすくなり、トータルの摂取カロリーを減らすことができます。健康的なダイエットの方法と言えるでしょう」

低カロリーで腹持ちが良い食材を選ぶ

ではさっそく西山さんに、かさ増し食材の例を教えてもらいましょう。「まず、選ぶ際のポイントとして、次の6つを考えましょう」と西山さん。

  • (1)低カロリー
  • (2)食物繊維が多い
  • (3)噛(か)みごたえがある
  • (4)満腹と感じやすい
  • (5)腹持ちが良い
  • (6)料理に簡単に使える

 
そして、これらの条件を満たす具体的な食材はこれらです。

緑黄色野菜

アスパラガス、インゲンマメ、チンゲンサイ、トマト、ニンジン、ピーマン、パプリカ、ブロッコリーなど

淡色野菜

カリフラワー、キャベツ、キュウリ、ゴーヤ、ゴボウ、ズッキーニ、ダイコン、タケノコ、タマネギ、ナス、ハクサイ、ミズナ、モヤシ、レタスなど

きのこ類

エノキ、シイタケ、シメジなど

海藻類

もずく、ひじきなど

その他

こんにゃく、ところてんなど

さらに、「調理をする際は、冷凍のささがきゴボウや乾物の切り干しダイコンなどの保存しやすい食材を使って、その都度プラスするのもいいでしょう」と西山さんはアドバイスを加えます。

カット済みのサラダの上に味付けしたおかずを置く

これらのかさ増し食材をどのように使えばいいのか、メニューを考えるにあたって西山さんはこう話します。

「肉類を食べるときには、歯ごたえのある野菜やこんにゃくの炒めもの、また手軽な『市販のカット済みのサラダ用野菜』の上に、『脂肪分の少ない赤身の牛肉や豚肉』などを炒めて塩こしょう、焼き肉のタレなどで味付けをして盛り付けましょう。

キャベツやチンゲンザイなど、火を通す必要がある硬い野菜は、ざく切りにして野菜炒めや具たくさんのスープ、味噌汁にすると、手軽な調理で満腹感を得られるおかずができあがります。

また、もずくやエノキを酢の物や和え物にしてメニューを一品増やすと、低カロリーで品数も増えて満足感につながるでしょう」

さらに、これらのかさ増し食材を使った一品メニューとそのレシピについて、西山さんに具体的に挙げてもらいました。

(1)豚しゃぶ肉の和風サラダ

しゃぶしゃぶ用の豚ロース肉を熱湯に入れて色が変わるまで茹(ゆ)で、ザルにあげて水を切ります。ひと口大に切ったレタス、キュウリ、トマトとともに器に盛ります。ノンオイルドレッシングをかけてできあがり。

(2)キュウリのもずく酢和え

キュウリを食べやすい大きさに切り、市販のもずく酢と和えればできあがり。一品を増やしたいときのために覚えておくと便利でしょう。

筆者もこれらを作ってみたところ、かさ増しメニューなら、見た目のボリュームが変わらずにもりもり食べても胃がもたれず、一週間ほどで体重とおなかまわりのサイズが少々減ったことに気づきました。カロリーを抑えたうえで、食べる量をがまんしなくていいこと、工夫次第で手軽にメニューをアレンジできることなど、多くのメリットも実感しました。ぜひ継続していきたいものです。

取材・文  岩田なつき/ユンブル

西山和子氏

取材協力・監修
西山和子氏。糖尿病専門・ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)にて管理栄養士、糖尿病療養指導士。糖尿病、生活習慣病、メタボリックシンドロームの患者さんを対象に、パーソナルな食事指導にあたる。『専門医が考えた 糖尿病に効く「腹やせ」レシピ』(福田正博 洋泉社)の監修担当。また、食生活に関する記事の執筆、監修多数。
医療法人弘正会 ふくだ内科クリニック

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