《医師監修》 糖尿病専門医に聞く。太りにくいお酒の飲みかたとは!?

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「酒太り」、「ビール腹」……などの言葉があるように、お酒を飲む量が増えると体重もアップします。「お酒のカロリーは油断できません。例えば、ビール中びん1本は、白いごはん軽く1膳分に相当します」と話すのは、糖尿病専門医でふくだ内科クリニックの福田正博院長。お酒と肥満の関係について詳しく聞いてみました。

アルコール度数が高いほど高カロリー

――冒頭の、ビール1本がごはん1膳のカロリー量にあたるとのことに驚きました。

福田医師 患者さんの中には、「ケーキはカロリーを意識するけど、お酒はあまり意識しない」という人は多いです。そこでお酒のカロリーを説明すると、意外なほどにカロリーが高いと驚かれます。飲み過ぎは、カロリーのとり過ぎになることを知っておいてください。

――具体的に、お酒のカロリーはどれくらいになるのでしょうか。

福田医師 簡易計算式があり、容量(ミリリットル)×アルコール度数割合(%)×約7kcal(キロカロリー)で求められます。つまり、違うお酒を同じ量だけ飲んだ場合、アルコール度数が高いほどカロリーは高くなります。

例えば、100ミリリットルあたりのカロリーを比較すると、ビールよりもワイン、日本酒のほうが高カロリーになります。

お酒に含まれる糖質や脂質もカロリーになる

――ビールやチューハイはアルコール度数がほかのお酒よりは低いので、太りにくいお酒と言えるのでしょうか。

福田医師 総カロリーは、含まれる糖質や脂質の量も関係します。チューハイやカクテルなどの甘いお酒の場合は、果汁やシロップなどの糖質が加わっているのでカロリーは高くなります。缶などでカロリーが表示されているものは飲む前に確認するくせをつけましょう。

100ミリリットルあたり、日本酒には5.0グラム、ビールには3.1グラム、ワインには2.0グラムの糖質が含まれていますが、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒にはほとんど含まれていません。

ビールはアルコール濃度が低いので少量であればほかのお酒に比べてカロリーが低いと言えますが、何杯もおかわりをするとけっきょくは高カロリーになります。

ですから、焼酎やウイスキーを水やお湯、ソーダで割って薄めると、アルコール度数を抑えることができるので、カロリーも控えめにすることができます。

太りにくいお酒の飲みかたは、『飲み過ぎないこと』『アルコール度数の低いお酒を選ぶこと』『甘くないお酒を選ぶこと』『アルコール度数の高いお酒を割って薄めること』と言えるでしょう。

――お酒の種類別のカロリーの目安を教えてください。

福田医師 代表的なアルコール飲料の100ミリリットルあたりのカロリーと、一般的なサイズあたりのカロリーは、次の通りです。

  • ・缶チューハイ……約21kcal (中ジョッキ1杯……約73.5kcal)
  • ・ビール……約35kcal (中ジョッキ1杯……約175kcal)
  • ・ワイン……約84kcal (グラス1杯……約100kcal)
  • ・シャンパン……約100kcal (グラス1杯……約80kcal)
  • ・梅酒……約100kcal (1合……約180kcal)
  • ・日本酒……約105kcal (1合……約190kcal)
  • ・焼酎……約175kcal (1合……約315kcal)
  • ・ウイスキー……約280kcal (シングル1杯……約84kcal)

 
白いごはんはお茶碗1膳が平均的に約150グラムで約240キロカロリー、軽く1膳の約120グラムなら、約200キロカロリーなので、参考にしてください。

生ビール2杯で、すでにカロリーオーバー

――太りにくいお酒の量とは、どのくらいのことを言うのでしょうか。

福田医師 厚生労働省発表の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」による1日に必要なエネルギー量の目安は、活動量に応じて、20~40代男性で2,300~3,050キロカロリー、20~40代女性で1,650~2,300キロカロリーです。このトータルのカロリーを1日の食事で摂取します。

し好食品であるお酒のカロリー摂取量は、「1日あたり200キロカロリーまでが適量」と言えます。飲み会で、乾杯のビールに続いて、おかわりでもう一杯と続いた時点で、実はカロリーオーバーなのです。

200キロカロリーの目安は、ほろ酔い気分になってきたときとも言えるでしょう。およそ、ビール約570ミリリットル(中びん1本強)、日本酒約190ミリリットル(1合強)、焼酎約115ミリリットル(0.6合強)、ワイン約240ミリリットル(約2杯)です。このあたりで止めておくと、太りにくく、また、健康を害することが少ない量と言えるでしょう。

――お酒のカロリーを控えめにする飲みかたはあるのでしょうか。

福田医師 先に述べた通り、アルコール度数が高いほど高カロリーになるので、お酒の横に水を用意して、お酒を飲んだ量だけ水を飲む、交互に飲むとよいでしょう。

また、最近はアルコールフリーで、カロリーゼロのビールテイスト飲料の味がビールに近いものになってきました。2杯目はこちらに変える工夫をされている患者さんもおられます。ぜひ試してみてください。

飲み会などお酒の席では、つい調子に乗ってオーダーしていましたが、このようにカロリー量をリアルに知っておくだけで、セーブがかかるように思います。アルコール度数や糖質を意識し、まずは自分の好きなお酒1杯がどれぐらいのカロリーがあるのかを覚えておき、飲みかたを工夫したいものです。

取材・文 岩田なつき/ユンブル

福田先生

取材協力・監修
福田正博氏。医学博士。糖尿病専門医。大阪府内科医会会長。医療法人弘正会・ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。著書に、『糖尿病は自分で治す!』(集英社新書)、『専門医が教える 糖尿病食で健康ダイエット』、『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』 (ともにアスキー新書)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書)、『専門医が教える5つの法則 「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス)など多数。名医として知られる存在で、わかりやすく面白い講演でも定評がある。
医療法人弘正会・ふくだ内科クリニック

糖尿病は自分で治す!
↑福田正博医師の最新刊『糖尿病は自分で治す!』(集英社新書)

kenkousyoku
↑福田正博医師『専門医が教える 糖尿病食で健康ダイエット』(アスキー新書)

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