《専門家監修》理学療法士・プロトレーナーが教える。 運動嫌いも挫折しない脂肪燃焼ストレッチ

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ダイエットには運動を取り入れることが重要だと言われます。しかし筆者の周囲には、運動が苦手だ、嫌いだ、仕事で忙しくて時間がとれないという人がたくさんいます。そんな人はどうすればいいのしょうか。

そこで、理学療法士でプロトレーナー、また鍼灸師としてダイエット指導の経験が豊富なアース鍼灸整骨院(千葉県市川市)の仲川豊基(なかがわとよき)院長に、「運動嫌いでもできる脂肪燃焼ストレッチ法」について聞いてみました。

ダイエットの真の目標は、「やせた体を維持し続けること」

まず、ダイエットのために運動が必要である理由について、仲川さんは次のように説明をします。

「運動をして筋肉量を増やすと、じっとしていても消費するエネルギーである『基礎代謝量』が増えます。すると、一日で消費するエネルギーが増えるので、減量しやすい体質になります。

ところが運動が苦手な人は、糖質制限や一食抜きなどの食事内容や量の制限を選択しがちです。その場合、必要な栄養素がとれずに体調を崩したりリバウンドしたりすることが多く、また、体重と一緒に筋肉も減って脂肪が燃焼しにくくなります」

筆者はかつて、リバウンドして以前の努力が水の泡のように感じて、「もういいや」などとやけっぱちになって食べ過ぎ飲み過ぎに走ったことがあります。

「そういう人はとても多く、食事の制限だけでは、落ちた体重を維持するモチベーションが保てないという問題があります。それは、減量だけを目標にしているからでしょう。減量した時点で達成感を味わうと、それまでのがまんを取り戻すかのように過剰に食べる、飲むという行為をしがちです」と仲川さん。

では、どのように目標を設定すればいいのでしょうか。仲川さんは、こう話を続けます。

「体重を減らすことは、目標の通過点です。ダイエットの真の目標は、落ちた体重を維持し続け、美しく変化した見た目を保つことです。

そのためには、筋肉量を維持するための運動も必要になります。そこで提案するのは、『最低限のストレッチで脂肪燃焼系の体をつくる方法』です。余計な運動を省くことで運動が苦手な人も取り組みやすく、目標に向けての一歩が踏み出せるでしょう」

毎日2分続ける「脂肪を燃やす体操3つ」

仲川さんの指導によるその体操は、全部で3つです。

「筋肉の多い箇所を集中的に刺激することで、脂肪燃焼型の体質に改善することを意識しましょう。すべて実践しても2~5分でできるので、1日3セットほど、テレビを観ながらなどちょっとした時間に行ってください」と話す仲川さんは、この方法を、「脂肪燃焼系活性化ストレッチ」として、トレーニングや施術の現場で指導をしています。ここで、その方法と注意点を詳しく教えてもらいましょう。

A 美しい立ち姿をつくる「背中運動」

背骨に沿って付いている筋肉の脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)を鍛えます。背骨のS字カーブを支える筋力なので、姿勢の矯正、肩こりや腰痛の予防にもなります。

方法
足の指先まで伸ばしてうつ伏せになります。その状態から上半身を反らせて起こしましょう。このとき、両ひじから指先までを床に着けて上半身を支え、背筋を緊張させて30秒~1分キープします。

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ポイント
(1)けんこう骨を寄せる
上半身を反ったときに、両方のけんこう骨を中心に寄せるように意識します。けんこう骨で割り箸を挟むようなイメージです。

(2)おなかをキュッと締めて床から浮かせる
床からおへそを2〜3センチメートルほど浮かせます。このとき、腹筋を使っておなかを引き締めます。

(3)顔を起こして目線は正面まっすぐに
(1)と(2)ができたら、顔を起こして視線を正面に向けます。これら全てを行うことで背中とお腹の筋肉への負荷が強くなります。

B 体のゆがみを正す「腹部運動」

腹部のインナーマッスル(おなかの深層にある筋肉)を鍛えます。内臓脂肪の燃焼のため、ダイエットには非常に重要な部位だと覚えておきましょう。

方法
両方のひざを骨盤の広さで床に着き、ひざ立ちの姿勢をとって腰と背筋をピンと伸ばします。左手を耳の上に添え、体を右に倒して右手の指先を床に向かって伸ばします。左側の脇腹の筋肉が伸びるのを感じたら、10秒から15秒キープ。左右交互に各3〜5回ずつ行います。

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ポイント
(1)楽な姿勢で手を着かない
この動作で手が床に簡単に着いた人は注意をしてください。背中を丸める、腰を引くなど、上半身が傾いた姿勢になっているかもしれません。腰も背筋もピンと伸ばしたまま、体を真横に倒すようにしましょう。

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(2)体の左右差をチェック
左右同じように体を倒して、どちらか一方の手が床に着きにくいときは、そちら側の筋肉が硬くなっている可能性があります。その場合は体のゆがみにつながるため、手が着きにくい側は、体操を正確に行うことを意識し、さらに5回ほど多く行ってください。

C おしりとふとももを引き締める「全身運動」

方法
一方の足を前に立てて、もう一方の足を大きく後ろに引きます。前足のひざが直角に曲がるくらいまで腰を落とし、背筋を伸ばします。後ろに引いた足のひざは床から離し、かかとを上げ、顔は正面に向けます。

おしりの筋肉(臀筋・でんきん)とふとももの筋肉(大腿筋・だいたいきん)を鍛えるとともに、股関節の可動域を広げ、下半身から上半身への血流を促します。左右各20秒~30秒ほどキープしましょう。

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ポイント
(1)体を支えるだけの筋力があるか
下半身にかかる負荷が強いので、筋肉が少ない人はつらく感じるかもしれません。その場合は、後ろに引いた足のひざを床に10秒ほど着けた後に、ひざを床からそっと離すようにします。慣れてきたら、少しずつキープする時間を伸ばしましょう。

(2)バランスがとれたら上体をひねる
体のバランスが安定したら、さらに上半身にひねりを加えましょう。前に出した足の方向に上半身をひねります。後ろに引いた足のひざを床に着けてもよいでしょう。顔はひねった方向の正面に向けます。この動作は、ウエストの引き締めに働きかけます。

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最後に仲川さんは、さらに基礎代謝量を高める方法について、こうアドバイスを加えます。

「この体操後に、ウォーキングなどの手軽な有酸素運動を取り入れるといいでしょう。通勤前に体操をしてから通勤時にひと駅分多く歩くなどを試みてください」

1セット2分ほどなら自分にもできそうと思い、筆者もさっそく実践してみました。簡単そうな動作なのに予想以上の負荷があって、3セット目では汗がにじむこともありました。「これを毎日3セットほど継続すれば、脂肪燃焼を促す体質になれるのでは」と実感できる点もこの体操のメリットのようです。

取材・文 小山田淳一郎/ユンブル

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取材協力・監修
仲川豊基氏。鍼灸師。理学療法士。パーソナルトレーナー。アース鍼灸整骨院院長。
アース鍼灸整骨院 千葉県市川市1-24-3 パークテラス市川1F
http://earth-seikotsuin.com/

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