汗をかきすぎて困っている方へ…汗を抑える漢方薬とは?

汗に効く漢方ってあるの?

まだまだ残暑の厳しい時節、外に出たら汗をたくさんかいて不快に思っている方も多いと思います。

今回は、汗をかきやすいことで日常生活に困っている方へ、おすすめの漢方を紹介したいと思います。

なぜ汗をかくのか

みなさんは汗をかく理由を知っていますか? 意外と答えられる人は少ないかもしれません。汗の重要な役割は「体温調節」。汗には熱を体外へ放出する役割があり、このときに働くのが「エクリン腺」ですが、汗の量はこのエクリン腺の量によって左右されています。

エクリン腺から出る汗には3種類あり、運動したときや暑いときに出る汗、緊張や驚きからくる冷や汗、辛い物を食べたときなどに出る汗です。これらの汗は、人によって出る量が違います。

多汗症と汗っかきの違い

汗をかきやすいにしても、それがただの汗っかきなのか、多汗症なのか見分けることは難しいですよね。
汗っかきとは、気温が暑いときや運動などで人よりも多く汗をかく人のことをいいます。

一方、多汗症とは、普通なら汗をかかない状況でもたくさんの汗をかいたり、日常生活で困るくらいの汗が出たりする人のことをいいます。
中医学的にみると、多汗症は、気(エネルギー)が不足している人や自律神経が乱れている人、身体の中の熱と水分のバランスが乱れている人がなりやすい傾向にあります。

厚生労働省が出した調査結果によると(2010年)、日本人の多汗症有病率は米国人の約2倍で、重症者は約80万人と推定されるそうです。発症平均年齢は13~19歳で、7人に1人が多汗症と自覚しているといいます。

体質別・おすすめ漢方薬

人より多く汗をかきやすい、多汗症かもしれない、などと自覚症状がある人は、漢方を摂り入れてみるのもひとつの手です。体質ごとにあった漢方薬を紹介したいと思います。

・自律神経が乱れている方、精神的に悩んでいる方

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう):
体力がない、貧血ぎみ、みぞおちから肋骨の下までが張る、という方にはこちら。身体の熱をひき、神経の疲れを癒してくれます。心と体の状態を安定させます。

柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):
比較的体力があり、不眠、憂鬱気分、あがり症な方はこちら。 緊張により汗がどっと出てしまうのを防ぎ、精神的に張りつめている状態を緩和してくれます。

黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう):
寝汗をかく、疲れやすい、緊張などでお腹が弱いというい方はこちら。気(エネルギー)を与えて身体を丈夫にし、汗を調節してくれます。

・ホルモンバランスが乱れている

黄連解毒湯(おうれんげどくとう):
比較的体力があり、のぼせぎみ、イライラしがちで口内炎ができる、という方は、体の上部に熱がこもっている状態です。この漢方は、身体を冷やして熱をとり、炎症を抑えてくれます。

加味逍遥散(かみしょうようさん):
体力がない、疲れやすくイライラする、という方にはこちら。血(けつ)が不足していて余った気(エネルギー)が熱に変わっているため、たまった気を全身にめぐらせるとともに熱を冷やしてくれます。

・肥満の方

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):
体力がない、重だるくてむくみやすい、のどが渇いていないのにたくさん飲む、という方にはこちら。漢方薬に含まれている防已と黄耆には利水作用(※)があるため、むくみをとってくれます。
※利水作用…体内の余分の水を外に出すこと

・その他

玉屏風散(ぎょくへいふうさん):
体力がない、風邪をひきやすい人にはこちら。ほてりからくる汗など、身体から水が不足しがちなときに使われます。

桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう):
体力がない、じめじめとした寝汗をかく、という方にはこちら。消化器症状が目立たない方でないと使ってはいけませんので注意しましょう。

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう):
鼻づまり、目がかゆく充血がつらい、という方にはこちら。余分な熱を追い出して冷やすとともに、鼻の通りをよくしてくれます(身体の余分な水が鼻炎の原因の一つと考えられています)。

今回は、多汗症に効く代表的な漢方薬をいくつか紹介させていただきましたが、漢方に頼るだけでなく、生活習慣を見直すことでも改善に繋がります。バランスの良い食事、睡眠、ストレス解消法など、自分の生活を見直してみましょう。

文・杉岡弥幸 監修・森田博美


【参考】
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)|漢方セラピー
http://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/prescription/keigairengyoto.htmlなど
多汗症|iKANPO
http://www.ikanpo.jp/kanpo/2008/06/05/%E5%A4%9A%E6%B1%97%E7%97%87/
重症の多汗症、80万人 有病率、米国の2倍  厚労省研究班が初調査|47NEWS
http://www.47news.jp/feature/medical/2010/05/post-322.html

森田博美
森田博美
漢方薬剤師

都内の有名美容クリニックで漢方薬剤師として勤務した経験を活かし、セミナー、執筆、カウンセリング等を通じて女性の健康と美容に携わっている。現在はウィメンズ漢方( https://womens-kampo.co.jp)にて、妊活女性に対するカウンセラーとしても活躍中。
インスタグラム( https://www.instagram.com/romi1208/)や各種ウェブ媒体では、薬剤師の視点から美容やインナービューティについて発信を行う。ミスグランドジャパンに出場した経験を活かし、女性の健康的な美しさについてアドバイスを行っている。

漢方薬剤師 森田博美のウェブサイトhttp://romibalance.com

汗に効く漢方ってあるの?

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