《医師監修》自分は太い? 普通? 糖尿病専門医が教える。簡単に医学的基準で計算する方法

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鏡に映る自分の姿を見ると、「太っているなあ」と落ち込む気分と、「まだ標準ぐらいだろうから大丈夫」と思う気持ちに揺れます。糖尿病専門医でふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)の福田正博院長は、「自分は太いのかと悩む人は多いのですが、医療の現場では、肥満かどうかを診断する基準があります。」と話します。詳しく聞いてみました。

「体格指数」で太っているかどうかが分かる

はじめに、「肥満とは、単に体重が多いという感覚のことではありません」と話す福田医師は、次のように説明を続けます。

「体に脂肪が多くついているのが『肥満』の状態です。自分が肥満なのか普通なのかやせているのかを知るには、『BMI(Body Mass Index:ボディ・マス・インデックス』と呼ぶ『体格指数』を計算すると求めることができます。

BMIとは日本肥満学会が定義し、身長と体重から算出する、太っているかやせているかを示す指標のひとつです。低体重(医学用語で「やせ」)、普通体重、肥満1度~4度の6段階に分類されます。BMIを求める計算式と、分類による診断は次の通りです」

<計算式>
BMI(体格指数)= 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

<BMIによる診断基準>

18.5未満:低体重(やせ)
18.5以上25未満:普通体重
25以上30未満:肥満(1度)
30以上35未満:肥満(2度)
35以上40未満:肥満(3度)
40以上:肥満(4度)
※22が「標準体重」で、最も病気になりにくい。

「例えば、身長160cm、体重60㎏の場合、BMIは、60÷1.6÷1.6=23.4となり、普通体重です。身長170cm、体重75㎏であれば、BMIは、75÷1.7÷1.7=25.9となり、肥満(1度)と判断できます」と福田医師。

身長(m)×身長(m)×22の体重をダイエット目標とする

次に、自分にとって適正な体重とはどのぐらいなのかについて、福田医師はこう説明を続けます。

「BMIの計算式を逆算して、次の式でまず、自分にとっての『標準体重』を求めてください」

標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

標準体重とは、どういった意味があるのでしょうか。

「なぜBMI=22が標準なのかと言うと、統計上、この数字の人が病気になりにくく死亡率が低いことが分かっているからです。標準体重とは、肥満症や糖尿病、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病を予防するための、健康的だと言える体重を示します。見た目にかっこいい、スタイリッシュな体型を表す数値ではありません。

身長160cmの人の標準体重は、1.6×1.6×22=56.32㎏です。現在の体重が60㎏であれば、3~4㎏減量すれば、健康的な体重になることが分かります。

身長170cmであれば、標準体重は1.7×1.7×22=63.58㎏となるので、現在の体重が75㎏の場合は、11~12㎏ほど減量しましょうということになります。

つまり、自分の標準体重をダイエットの目標値として設定すればよいと言えます」

この数値は医学的に明解、かつ簡単に算出できるということです。さっそく計算をしてみましょう。

「BMI=23.5」以上は危険!

さらに、肥満度の指針となるBMIや標準体重のとらえ方について、福田医師は次のようにアドバイスをします。

「最近の研究報告で、日本人などアジア人は、BMIが23.5を超えると糖尿病のリスクが増加することが明らかになりました。普通体重以内でも、23.5以上は黄信号です。また、BMIが25以上の場合は、数値が5上昇するごとに死亡リスクは31%上昇するという研究報告もあります。

さらに、BMIが35以上は『高度肥満』と定義され、生活習慣病の診断や治療の対象となります」

太りかたによる健康上の問題点はあるのでしょうか。

「あります。同じBMIでも、脂肪が内臓に多く蓄積する『内臓脂肪型肥満』の人は、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常などを発症する確率が高くなります。この体型は『リンゴ型肥満』とも呼ばれ、胸からおなかが突き出るようにふくらんでいて、肉がつまみにくい、いわゆる太鼓腹のタイプで、中年以降の男性に多く見られます。

また、体重が軽いほど健康的というわけではありません。低体重であれば、貧血、冷え症、疲れやすい、低血圧、不整脈などをまねく恐れが高くなります」と福田医師。

では、肥満や低体重だとわかった場合はどうすればいいのでしょうか。福田医師はこうアドバイスを続けます。

「生活習慣病を避けて健康を維持するためにはそれらを解消し、標準体重をキープすることが重要です。

まずは、日ごろの食事量、間食、夜食などの食習慣を見直し、栄養バランスが整った食事を1日3回食べる、1日に30分~1時間ほどのウォーキングと軽い筋トレを継続する、また睡眠を充実させるように心がけましょう」

太いか普通かやせているかは、見た目や感覚的な印象でとらえるのではなく、BMIの数値をもとに、自分の体格を冷静に把握しようということです。自らの標準体重を認識し、健康的なダイエットの目標にしましょう。

取材・文 岩田なつき/ユンブル

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福田先生

糖尿病は自分で治す!
↑福田正博医師の最新刊『糖尿病は自分で治す!』(集英社新書)

kenkousyoku
↑福田正博医師『専門医が教える 糖尿病食で健康ダイエット』(アスキー新書)

取材協力・監修
福田正博氏。医学博士。糖尿病専門医。臨床内科専門医。大阪府内科医会会長。日本臨床内科医会副会長。医療法人弘正会・ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。著書に、『糖尿病は自分で治す!』(集英社新書)、『専門医が教える 糖尿病食で健康ダイエット』、『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(ともにアスキー新書)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書)、『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス)など多数。名医として知られる存在で、わかりやすく面白い講演でも定評がある。
医療法人弘正会・ふくだ内科クリニック

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