《医師監修》糖尿病専門医が教える、ダイエットの目標値を自分で簡単に計算する方法

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計画的にダイエットを実行するには、単純計算として、1日に「食べ物で摂取するカロリー」よりも、「基礎代謝と活動で使うカロリー」が多くなるように過ごせばよいという式が成り立ちます。具体的にはどう考えればいいのでしょうか。糖尿病専門医、また臨床内科専門医として患者さんに健康的なダイエットの指導にあたる、ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)の福田正博院長に、医学的に適正な数値を出す方法について詳しく聞きました。

1日に必要なカロリーを計算する公式がある

「まず知っておきたいのは、『自分のBMI(体格指数)標準体重、それに自分の基礎代謝と活動に必要な1日のカロリーはどのぐらいなのか』という3つの数字です」と福田医師。まさに、ダイエット計画はその認識から始まると言えるでしょう。

BMIとは、医学的な肥満度の指標で、別の記事で福田医師による詳説のとおり、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求めることができます。これを逆算して、BMIが「22」のときの体重を「標準体重」としています。標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22です。まずはこれらを計算しましょう。

次に福田医師は、
「1日に必要なカロリー(エネルギー量)は、性別、年齢、身長のほか、その人の活動の状態によってかなり違います。若い男性のアスリートで毎日ランニングをする人と、40歳前後の女性でデスクワーク中心の人では、基礎代謝も活動によって消費するカロリーの量も違うということです」と説明し、「仕事や活動内容に応じた計算式」について紹介します。

「1日に必要なカロリーは、『標準体重』に、『活動別のカロリー量の25~40キロカロリー』をそれぞれに掛けた数値になります。下記にあてはめて、具体的に計算してください。」(福田医師)

A. デスクワーク中心の職種、家にいることが多いなど、活動が静的であまり動かない人
標準体重 × 25~30キロカロリー = (  キロカロリー)

B. 営業や接客、立位での作業や職場内移動などで少し汗ばむ程度に歩く人、家事や軽い運動を日課としている人
標準体重 × 30~35キロカロリー = (  キロカロリー)

C. 農業・漁業、運送業などの重労働の人、毎日ランニングを行う人
標準体重 × 35~40キロカロリー = (  キロカロリー)

「例えば、身長が170センチメートルで仕事がデスクワークの場合、1日に必要なカロリーは、1.7×1.7×22×(25~30)で、約1,600~1,900キロカロリーになります。運動をほとんどしなかった日は1,600キロカロリー、少し動いた日は1,900キロカロリーぐらいが必要だと考えてください。

その上で食事日記をつけ、ここ3日ぐらいで摂取した1日のカロリーの平均数値を算出しましょう。

この身長170センチメートルの人がもし1日に2,500キロカロリーを食べていたとすると、明らかにカロリーオーバーになり、太っていくことがわかるでしょう」(福田医師)

食事ごとの大体の摂取カロリーは、インターネット上でたくさん紹介されています。さっそく計算をしましょう!

計算すると、明らかに食べすぎということがわかる

座業の筆者はAにあてはめて計算をしたところ、ここ3日での1日の食事の平均カロリーが、1日に必要なカロリー量より、300~600キロカロリーもオーバーしていました。これといった運動もしておらず、食生活も睡眠時間も不規則です。これではダイエットどころか、脂肪が蓄積して太るばかりでしょう。われながら、あ然としました。

「カロリーオーバーが蓄積すると、やがてBMIで診断する『肥満』に近づいていきます。肥満になると、見た目に太りすぎということだけではなく、糖尿病、脂質異常症、高血圧、脳卒中、心筋梗塞など、生活習慣病のリスクが急速に高まります。

これらの数字は、誰でもすぐに計算できます。自分にとっての適正な体重や必要なカロリーを計算し、ダイエットの目標の数値としましょう。そして、日々の食事量と運動量を見直します。太っている程度によりますが、BMIが25前後の場合はおおよそ2~3カ月、30前後の場合は半年~1年ほどかけて、少しずつ標準体重に近づくようにすれば健康的なダイエットがかなうでしょう。

計算式で食べすぎが分かったからといって、急に食べる量を減らしたりすると、むしろ健康を害することがあります。1カ月に1kg程度の無理がない減量ができれば十分と考え、これも目標の1つにしてみてください」

周囲の人にも計算を勧めたところ、「頭ではぼんやりと食べすぎかも……とは思っていたけど、数字にしてみるとこんなにも食べすぎていたとは!」という嘆きの声がたくさん届きました。自分の現実に目をそむけずに把握すること、目標となる数字を設定すること。ダイエット計画はここから始まるのでしょう。ぜひ参考になさってください。

取材・文 白川一郎/ユンブル

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福田先生

糖尿病は自分で治す!
↑福田正博医師の最新刊『糖尿病は自分で治す!』(集英社新書)

kenkousyoku
↑福田正博医師『専門医が教える 糖尿病食で健康ダイエット』(アスキー新書)

取材協力・監修
福田正博氏。医学博士。糖尿病専門医。臨床内科専門医。大阪府内科医会会長。日本臨床内科医会副会長。医療法人弘正会・ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。著書に、『糖尿病は自分で治す!』(集英社新書)、『専門医が教える 糖尿病食で健康ダイエット』、『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(ともにアスキー新書)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書)、『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス)など多数。名医として知られる存在で、わかりやすく面白い講演でも定評がある。
医療法人弘正会・ふくだ内科クリニック

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