5分で簡単! 器具を使わず自宅でできるトレーニングとは?(前編)

自宅でできる自重トレーニング前編

健康やダイエットのために体を動かしたい。でも、運動は苦手だし、ジムに行く時間もない…。そんな人たちにおススメしたいのが、マシンなどの器具を使わずに自宅で気軽におこなえる「自重(じじゅう)トレーニング」です。自重トレーニングのメリットや長く続けられるコツなどを、ACE(全米エクササイズ協会)認定ヘルスコーチ&パーソナルトレーナーの井戸本結実さんにおうかがいしました。

5分でできる!自重トレーニングのさまざまなメリット

自宅でできる自重トレーニング
トレーナーの井戸本結実さん。

時間もお金もかけずに体ひとつで行える自重トレーニング。「ジムに行く必要も着替える必要もない手軽さがあります」と魅力を語る井戸本さんは、女性のライフステージを考えたことが始めるきっかけだったそうです。

「女性は結婚や妊娠、出産などで生活環境が変わっていきます。私の場合、子どもができてジムに通う時間が取れなくなってしまったとき、自宅でもできるトレーニングはないかと考え始めたのがきっかけです。自重トレーニングは5分だけでも体が温まるので効率がよく、子どもがいて目が離せない、忙しくて時間が取れないという人にはピッタリのトレーニング方法ですね」

さらに、その名前からも分かるとおり“自分の体重を利用しておこなう”ため、ナチュラルな鍛え方ができるのもメリットだそうです。

「器具やマシンを使うと、日常では使わない筋肉まで鍛えてしまう可能性があります。また、必要以上に筋肉を強化すると、腱や靭帯の成長が追い付かず、将来的にケガの原因になる場合もあるんです。一方で、自重トレーニングは自分の体重を負荷として利用するため、無理のない範囲で行えるので、こうしたことを防げるのもメリットです」

ただ、きちんとしたフォームで行わないと怪我につながる場合があるそうです。「シェイプアップを目的にしている人にはおススメしたいですが、ボリュームのあるお尻にしたいなど、体を大きくしたい場合はウェイトを使う必要が出てくるので、自宅トレーニングは不向きな側面があります」と、注意点も教えてくれました。

朝一番に集中力もUP!鍛えるべき部位とタイミングは?

気になるその方法ですが、自重トレーニングをより効率よくおこなうためには、鍛える部位の順番やタイミングなどが重要なポイントになります。

「上半身と下半身をそれぞれ意識して、大きな部位の筋肉から鍛えるようにしましょう。例えば上半身では胸や腕などがありますが、比較的大きいのは胸に付いている大胸筋です。まずは大胸筋のトレーニングをしてから、腕に付いている上腕二頭筋のトレーニングへ移ります。下半身は、太ももの裏やお尻に付いている大殿筋、大腿二頭筋などを鍛えるトレーニングをしてから、ふくらはぎに付いている下腿三頭筋のトレーニングへ移るのが基本的な流れです」

効率とケガの予防のために、基本的な流れを抑えるのは大切なポイントです。井戸本さんはさらに、その詳細を教えてくれます。

「筋肉を動かすにはそれなりのエネルギーを消費するので、初めに小さな筋肉をたくさん動かしてしまうと、集中力や体力も消耗してしまいます。その状態から大きい筋肉を動かすとケガにつながる可能性もあるため、大きい筋肉から鍛えてから、小さい筋肉を鍛えるという流れを意識するのは肝心です。大きな筋肉を鍛えれば、いっしょに周囲の筋肉も鍛えられます」

基本的な流れが分かった一方で、もう一つ気になるのはトレーニングに必要な回数や時間です。井戸本さんは「日替わりで部位を変えて、毎日トレーニングをするのがおススメ」と話します。

「トレーニング後は筋肉の『筋繊維』が傷つき、それが回復することで強化されていきます。回復までには48~72時間かかるので、同じ部位のトレーニングまでは2~3日の間を置くことが理想的です。例えば、日ごとに、胸を鍛える日、足を鍛える日、お腹を鍛える日、など、日替わりでトレーニングをする方が効率はよく、時間も短縮できます」

毎日のトレーニングは、それぞれのタイミングを工夫することで、健康や体型維持以外にも意外なメリットがあるそうです。

「例えば、朝起きてから仕事へ行く前のちょっとした時間でおこなうのもおススメです。トレーニングには、脳への血流を活性化して酸素を送る働きもあるので、脳の働きが向上し、集中力の継続が期待できるといわれています。仕事や家事が忙しい人ほど、朝一番のトレーニングをやってみてほしいですね」

朝一番のトレーニングは、1日を気持ちよく過ごすためにも役立ちそう。しかし、一方で夜のトレーニングは禁物だといいます。

「トレーニングで傷ついた筋肉の回復欠かせないのは、良質な睡眠です。夜にトレーニングをおこなうと、人間の活動を司る交感神経が優位になってしまい体が“ON”の状態になってしまいます。就寝時は休息を司る副交感神経が優位になるのが理想的なので、運動全般はなるべく寝るまでの6時間前までに終えておくことをおススメします。筋肉が成長するのはトレーニング中ではなくて、休んでいる間ですから、休息もトレーニングの一部です。」

トレーニングだけではダメ! 肝心なのは食事と睡眠

健康維持やダイエットに役立つ自重トレーニング。一方でパーソナルトレーナーとしての経験から「日頃の生活習慣も大切」と井戸本さんはいいます。

「トレーニングだけではなく、やはり食事や睡眠も重要です。トレーニングをいくらがんばっても、体に必要な栄養素を食事で摂らなければ、充分な効果は期待できません。食べ過ぎはよくありませんが、過度な食事制限も厳禁で、一時的な効果はあったとしても将来的な健康を考えるとリスクが大きいです。また、眠ることは、筋肉の回復や心の安定に必要なものなので、良質な睡眠を心がけましょう」

筋肉や骨を作るには「たんぱく質の摂取」が鍵になるそうです。女性は特にたんぱく質が不足している人が多いので、積極的に摂取するよう心がけてください。理想的な食材は、卵や牛乳、鶏肉など。摂取量の目安は、1回の食事でこぶし1~2個分くらいです。

自重トレーニングを始めてから「疲れにくくなり、心に余裕が生まれました。また、ストレスに強くなり、集中力も上がったりと、見た目以外にも得るものがすごく大きかったですね」と、井戸本さんは実感を話してくれました。

健康やダイエット以外にもたくさんのメリットがある自重トレーニング。後編では、女性が特に気になる腕やお腹、下半身の具体的なトレーニング方法の解説と、3日坊主にならないためのコツを伝授してもらいます。

【取材協力】
井戸本結実
ACE認定ヘルスコーチ&パーソナルトレーナー。
多忙な仕事でアレルギーやPMSの悪化を経験したことから、自分の健康と向き合い始める。食事・運動・睡眠のバランスがとれたライフスタイル改善を実施し、悩まされていた不快な症状が大きく軽減されたことから、「持続可能な健康はライフスタイルを変える必要がある」ことに気づき、現在は、日本人の健康リテラシーの底上げをミッションとして、さまざまな活動を行っている。
WEBサイト
https://yumiid.com/


【参考】
交感神経
http://healthcare.kao.com/main_post/autonomicnerveskiso/

自宅でできる自重トレーニング前編

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