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《医師監修》ストレスで便秘になる理由は自律神経にあり! 臨床内科専門医が教える

便秘

心配ごとがある、イライラするなどストレスがあるとき、気づけば何日もお通じがない、ということがあります。「便秘の原因というと食生活や運動不足、ダイエットなどが浮かびますが、実はストレスが大きな要因となります。それには、自律神経の働きが深くかかわっています」と話すのは、臨床内科専門医で西洋医学と東洋医学の両面から治療を行う正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長。そこで、ストレスと便秘の関係について詳しく聞いてみました。

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腸の活動は自律神経に支配されている

旅行中や緊張が続くときなど、日常生活とは違う場面で便秘になるのは珍しいことではありません。正木医師はまず、便秘になる過程について次のように説明します。

「食べた物は胃で消化されてから、全長が約6〜9メートルある腸で水分や栄養分が吸収されます。そして搾り取られた残りかすは腸のぜん動運動と呼ばれる収縮活動によって運ばれ、便となって排出される、それが排便のしくみです。ところがぜん動運動が弱くなると、大腸で水分が過剰に吸収されて便がスムーズに運ばれず、排出されにくくなります。こうして便秘が引き起こされます」

正木医師は、そういった消化活動を担っている器官について、こう説明を続けます。

「ぜん動運動をはじめ、消化の働きを調整しているのが、自律神経です。自律神経とは、自分の意思とは関係なく心臓の拍動や呼吸、血圧、発汗、体温、胃腸の動きなどをコントロールしています。活動時や興奮時に働く『交感神経』と、リラックス時に働く『副交感神経』があり、互いにバランスを取りあって健康な状態を保とうとします。

腸のぜん動運動が活発になるのは、リラックスしているときに働く副交感神経が優位のときです。反対に、緊張している、不安があるなどストレス状態だと交感神経が優位になってぜん動運動が弱まり、便がスムーズに運ばれなくなります。例えば、仕事で緊張する商談やプレゼンのとき、またイライラや憂うつ感が強いときなどに便意を感じない、また便秘になるのはそのためです。ヒトの消化活動は自律神経系が支配しているわけです」

毎日お通じがあっても、状態によって便秘であることも

快便とは朝にスムーズなお通じがあることだ、とよく耳にします。その理由について正木医師は、こう話します。

「快便であるためには、交感神経と副交感神経がバランスよく働いていることが重要です。たとえばぐっすり眠った翌朝や、ゆっくりと朝食をとり、出かけるまでに時間の余裕があるときは快便だということがあるでしょう。

前日の疲れが睡眠で改善されて、リフレッシュした朝に食事をとると、腸が刺激を受けてスムーズな排便につながります。これは副交感神経が優位になっている状態です。ストレスを避けてリラックス状態を保つと便秘になりにくいと言えます」

さらに正木医師は、「たとえ毎日お通じがあっても、便の状態によっては便秘だと診断することがよくあります。毎日便通があっても、『硬くてコロコロしている』、『量が少ない』、『細い』、『残便感がある』、『排便が苦痛』という場合は『快便』とは言えず、『便秘』ととらえます。このような状態でも自分が便秘だと気づかないまま放置していると、どんどんひどくなる可能性があります。不快な感覚があれば、原因を追及してください」

便秘を改善し自律神経のバランスを整える生活習慣を

ここで正木医師は、自分でできるケアについてこうアドバイスをします。

「『薬を飲んでいるときは改善したけれど、やめればまた便秘になった。しかも前よりつらい』と訴える患者さんはとても多くいらっしゃいます。ストレスをため込んだままだと根本的に改善されることはありません。自分のストレスの状態を探り、薬は状況に応じてうまく使うようにしましょう。

ストレスがあると甘いものやお酒の量が増える、栄養バランスが偏った食事になっている、睡眠時間が短い、あるいは不規則になりやすいでしょう。その場合、気づかないうちに自律神経のバランスを崩しています。体重が増える、おなかの脂肪が気になってくることもあるでしょう。便秘を改善するには、自律神経のバランスを整えることを意識し、日々の生活習慣を改めることが先決です

まずは『ストレスがあるかどうか』を自問自答してください。人間関係のトラブルや毎日多忙など、思い当たる原因があれば、できるだけそれを取りのぞく、また避けるようにしましょう。

そのうえで暴飲暴食を避ける、1日3食を栄養バランスよく食べる、良質な睡眠をとる、1日に20分~1時間ぐらいのウォーキング、またストレッチや軽い体操など適度な運動をするなど、生活習慣を改めましょう。そうするとリラックスする時間が増え、自律神経のバランスが整って便秘が解消されていくでしょう」

ストレスで腸のぜん動運動が弱まる、また、内容物の水分が腸で吸収されすぎると便秘になりやすいこと、それらは自律神経の働きによることがわかりました。つまり、便秘を改善するには自律神経のバランスを整える必要があり、そのためには生活習慣を見直そうということです。まずは日々の生活のありようからから改善するように心がけたいものです。

取材・文 堀田康子 × ユンブル

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取材協力・監修
正木初美氏。日本臨床内科医会専門医、大阪府内科医会理事、日本内科学会認定医、日本医師会認定スポーツ医、日本医師会認定産業医、正木クリニック院長。内科、リハビリテーション科とともに、更年期外来、禁煙外来、漢方治療を行っている。
正木クリニック 大阪府大阪市生野区桃谷2-18-9

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