《薬剤師監修》便秘薬でダイエットはできるのか? 薬剤師が教える正しい知識

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「便秘薬 ダイエット」とGoogleの検索に打ち込むと、おすすめ、効果、成功、飲むタイミング、などが検索予測として出てきて、それだけ便秘薬でダイエットを考える方が多いことがわかります。

便秘薬でダイエットをしたい方の気持ちもわかりますが、そもそも便秘薬で痩せることってできるのでしょうか。薬剤師の視点からお伝えしたいと思います。

便秘薬でダイエットはできないということを理解して

結論からお伝えすると、便秘薬でダイエットはできません。しかし、実際はネットでも便秘薬でダイエットをするという情報が出てきます。「できたらいいな」と検索している方も多いでしょう。そのような方に考えてみて欲しいのは、なぜ太り、痩せるためには何が必要なのか、ということです。

便秘は腸内環境の悪化、肌荒れなど、体に悪いさまざまな症状を誘発します。しかし、便秘そのものは、太ることには直結しません。太る直接の原因は脂肪の蓄積です。
便秘だからといって、脂肪が蓄積するわけではないですよね。脂肪の蓄積は、消費カロリーよりも摂取カロリーが高いといった生活習慣に起因します。

便が出るとスッキリするため、なんとなく痩せた気がしますし、逆に便秘だと、なんとなく太った気がします。この「なんとなくの感覚」が、「便秘とダイエット」、「便秘と太ること」を結びつけてしまっているのでしょう。

便が出ると痩せるのではなく、蓄積された「便の重さ分が減る」だけ。つまり慢性的な便秘であれば、kg単位で体重の変化があるかもしれませんが、これは一時的な反応なのです。また便秘でない人が排便をしても、痩せたといえるほどの体重変化は得られません。

便秘薬の効果について考えてみても、便秘薬でダイエットができるのであれば、脂肪を減らす効果がないといけません。しかし、便秘薬には脂肪を減らす効果はないため、便秘薬ではダイエットはできないのです。

刺激性の便秘薬を常用服薬してはいけない

便秘薬ダイエットのもう1つの問題は、刺激性の便秘薬を使ってしまうこと。もうすでに便秘薬を常用してしまっているという方は、パッケージの成分を見てみて「センノシド」、「ビサコジル」との記載がないか確認しましょう。

これらの成分の記載があり、常用してしまっている場合はすぐに中止し、病院受診が必要です。センノシドやビサコジルのような刺激性の便秘薬の場合、毎日飲むことで習慣性と耐性を生じます。毎日飲むと、便秘薬がないと便が出なくなったり(習慣性)、1錠で出ていた便が2錠、さらに3錠ないと出なくなったり(耐性)といった症状が出てしまうのです。

刺激性の便秘薬を使う場合の目安は、週に1~3回です。刺激性の便秘薬は、どうしても便秘で苦しくてダメだというときに使うものだと覚えておくといいですよ。

ダイエット中の便秘は酸化マグネシウムで対応しよう

最初は便秘薬でダイエットをするつもりがなくても、ダイエットがきっかけで便秘になり、そこから便秘薬がないとダイエットができないと悩む方もいます。最初に手に取った便秘薬を飲み続けていたら、それが刺激性の便秘薬だったなんて場合もあるかもしれません。

ダイエット中の便秘は生じやすい悩みで、最初が肝心です。もしダイエット中に便秘薬を検討するときは、「酸化マグネシウム」という成分の便秘薬を探しましょう。

酸化マグネシウムの便秘薬は刺激性の便秘薬と違い、習慣性や耐性がありません。決められた用法用量の範囲であれば、毎日使っても問題ないものです。なので、ダイエット中にどうしても便秘で悩んでしまうという場合は、酸化マグネシウムの便秘薬を使ってみてください。

便秘薬は上手にダイエットと組み合わせよう

便秘薬で大きな体重変化を感じられるとしたら、慢性的な便秘の方です。しかし、それは一時的な変動であり、痩せたわけではありません。もしダイエットをしている最中に日常的な便秘に悩んだときは、酸化マグネシウムの便秘薬を使ってみるようにしましょう。

ダイエット中の便秘がきっかけで、「この際、この便秘薬でダイエットを…」と考えたあなた。私も太りやすい体質なので、気持ちはよくわかります。しかし、楽に痩せられる薬などどこにもないのです。

仕事もダイエットも努力が必要。ダイエットをするためには、健康的な食生活と適度な運動を続けることが一番大切です。便秘薬はあくまでも便通を良くするためのもの。そのことをしっかり理解したうえで、正しく服用するようにしましょう。


【参考】
便秘|一般社団法人 愛知県薬剤師会
https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3531.html

植松 透
植松 透
ライター/薬剤師

薬科大学卒業後、化粧品・健康食品・食品を3軸とする企業に勤務。アンチエイジングや予防医療を取り入れた健康カウンセリング、健康食品の開発に携わり、広く健康について学ぶ。企業退職後、新しい働き方を模索しライター活動を開始。
けんぽ協会の紙媒体、webは企業のオウンドメディア・個人サイトで健康関連記事やコラムの執筆・監修を行う。
ライター・薬剤師どちらも本業を掲げ、複業スタイルで活動中。最近はライター業での経験を組み合わせ、介護施設で健康関連の講演会も行っている。
Twitter(@matsu89314)https://twitter.com/matsu89314

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