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《医師監修》更年期障害など…女性の悩みにこたえる漢方「加味逍遙散」とは?

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50歳前後になると閉経が近づくにつれて、「更年期障害」によるさまざまな不調に悩まされる女性は少なくありません。更年期障害は、めまいや動悸、不眠など症状に個人差はありますが、ひどくなると日常生活を送ることさえ困難になってしまいます。

こうした症状の改善へ効果を期待できる漢方の一つが「加味逍遙散」です。私たちの体にとって、どのように役立つのか。服用や副作用の注意点なども含めて、北里大学 東洋医学総合研究所 漢方診療部 産婦人科専門医の森瑛子先生へお話をおうかがいしました。

更年期障害ではどんな症状が起こるのか?

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北里大学 東洋医学総合研究所 漢方診療部 産婦人科専門医/森瑛子先生

更年期障害により快適な日常生活を送ることができず、日々のさまざまな症状に悩まされる女性は少なくありません。では、そもそも更年期障害はなぜ起こるのでしょうか。

「閉経の前後5年間、計10年間を更年期と呼びます。更年期障害は、卵巣機能の低下や年齡を重ねることで起こる身体的変化、精神や心理的な要因、社会文化的な環境因子などが複合的に影響して発症すると考えられています」(森先生)

一般的に閉経は「1年以上月経が訪れないこと」が診断基準とされているそうですが、ある日突然月経が止まるわけではないため、更年期自体のみきわめは難しく、また「更年期障害を未然に防ぐこともなかなか難しい」と森先生はいいます。しかし、更年期特有の症状もあります。

「ホットフラッシュは典型的な症状の一つで、顔のほてりやのぼせ、発汗などの血管運動神経症状をはじめ、疲れやすくなる、めまいや動悸、頭痛、肩こり、腰痛、関節痛、足腰の冷えなどの身体症状が出る場合が少なくありません。また、不眠やイライラ、不安感、抑うつ気分などの精神症状がでてくることも多く、これらの症状が日常生活に支障をきたすほどになると『更年期障害』と診断されます」(森先生)

上記のような症状があって、血液検査や心電図検査、画像検査などをしてもこれといった異常がない場合、月経周期や年齡を踏まえたうえで更年期障害と診断されます。

加味逍遙散が更年期障害の改善に効果が期待できる理由

事前のみきわめが難しい更年期障害ですが、症状が表れた場合の改善を期待できる漢方薬のひとつが「加味逍遙散」です。森先生によれば、加味逍遙散には、当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、紫胡(さいこ)、薄荷(はっか)、白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)、牡丹皮(ぼたんぴ)、山梔子(さんしし)という生薬が含まれているといいます。

さらに、更年期障害だけではなく、自律神経の不調をやわらげる効果も期待できるといいますが、その理由を解説してもらいました。

「漢方では、身体の病態を『気(生命を営むためのエネルギー)・血(血管内の赤い液体)・水(血以外の液体)』の3つ生理学的因子で考えます。加味逍遙散に含まれる当帰・芍薬は血の巡りを活性化させる効果、柴胡・薄荷は気の巡りをよくする効果があり、白朮・茯苓には利尿作用などで代謝を整え水の調整をする効果、牡丹皮・山梔子はほてりやイライラなどを鎮める清熱作用、甘草・生姜は胃を整えて代謝を促す効果があるとされています。10種類の生薬がバランスよく含まれているため、身体や心のさまざまな症状が現れる更年期障害に効果が期待できるのです。」(森先生)

個人差はあるものの、服用期間の目安はまず2週間〜1ヶ月ほど。改善がみられない場合は、異なる漢方の服用を医師や専門家からすすめられることもありますが、森先生は「薬だけに頼るのではなく、生活習慣や食生活の改善なども併せて行うのも大切」と教えてくれました。

自己判断は要注意!服用する時の注意点

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副作用なども懸念されるため「医師や専門家の判断を仰ぐ」のが重要だという

漢方を服用する場合、医師や専門家からのアドバイスをもらうのも大切。加味逍遙散を服用する上で注意したい、副作用なども伺いました。

「加味逍遙散に含まれる生薬の一つ、山梔子に含まれるゲニポシドという成分は、長期間服用すると腸間膜静脈壁の石灰化を引き起こす可能性があります。そのため、腹痛、下痢、嘔吐などの異常が繰り返し表れる場合、また、便に血が混ざるなどが起こった場合には、服用を中止してください。これらの症状が表れない場合でも、長期間、特に5年以上服用している場合には注意が必要で、定期的な大腸内視鏡検査を行うこともおすすめしています。また、甘草は、他の多くの漢方薬にも含まれていますが、偽アルドステロン症といって、低カリウム血症や血圧の上昇、浮腫などを起こす場合もあります」(森先生)

最近では、薬局などで手軽に漢方を購入することができます。自己判断で服用を始めても問題がないかどうかも尋ねました。

「更年期障害は多彩な症状を示し、またそれらが日によって変化するもので、個人差も大きく、また、検査の結果によっては別の病気である可能性もあります。そのため自己判断で服用を開始するのは避け、きちんと病院で診療を受けることをおすすめします」

未然に防ぐことが難しい更年期障害ですが、生活習慣や食生活の乱れにより症状が重くなる可能性もあるそうです。良質な睡眠を取ること、毎日の食事からまんべんなく栄養を取ることなどは、発症する前から気をつけておきたいところです。

また、漢方は動植物など自然由来の生薬で作られているため、「漢方には副作用がない」と勘違いしている人もいますが、西洋薬と同様に副作用の可能性もじゅうぶんにあります。体調の異変は自己判断せずに、医師や専門家の判断を仰ぎましょう。

【取材協力】
北里大学 東洋医学総合研究所 漢方診療部 産婦人科専門医/森瑛子先生
2008年日本大学医学部卒業後、日本医科大学女性診療・産科を経て現職に従事している。

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<参考>
北里大学 東洋医学総合研究所HP
https://www.kitasato-u.ac.jp/toui-ken/

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