《内科医に聞く》足のつりをくり返すとき、何科に診てもらえばいい?

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夜中や明け方に突然足がつり、激しい痛みで飛び起きる……。数分でおさまるとはいえ、大きなストレスになります。しかも、くり返すことがあると不安になってくるでしょう。内科医で泉岡医院(大阪市都島区)の泉岡利於(いずおか・としお)院長によると、「足のつりの多くは一過性の生理的な反応と言えるのですが、頻繁に起こるようなら、何かの病気が隠されている場合があります」ということです。詳しく聞いてみましょう。

激しい運動、血流悪化、ミネラルの不足などが重なって起こる

足のつりは、ふくらはぎ、足の裏、足の指のつけ根、ふとももなどの筋肉にも起こると言われます。泉岡医師はまず、足のつりの原因についてこう指摘をします。

「筋肉が過剰に収縮して、けいれんしているのが、『つっている』状態です。通常は脳からの神経伝達などによって筋肉が伸び過ぎることや、縮み過ぎることがないように調整されていますが、その機能がうまく働かず、筋肉が収縮したままになることがあると考えられます。

背景には、激しい運動や久しぶりに運動をしたなどによる筋肉の疲労冷えによる血流の低下、筋肉のコントロールと関係の深いカリウム、カルシウム、ナトリウムなどのミネラルの不足水分の不足などが挙げられます」

次に泉岡医師は、これらは同時に起こりやすいと説明を続けます。

「たとえば、運動をして疲れた上に汗をかくと水分が失われます。同時にミネラルも体外に排出されるので、足のつりをまねく条件がそろいます。さらに、睡眠中も汗をかくので、寝汗で水分とミネラルの不足が進みます。また、冬なら気温で、夏ならクーラーで体が冷えて血流が悪化する可能性があり、足のつりにつながります。このように、複数の要因が重なって足がつるのだと考えられます」

生活習慣を見直してもくり返すなら危険

続いて泉岡医師は、足のつりを防ぐ方法について、こう説明をします。

「いま挙げたような要因の場合、運動の強度を下げる、急に激しい運動をしない、また食事を見直して栄養バランスが整った内容にする、こまめに水分をとる、体を冷やさないようにするなどして、生活習慣を改善することで足のつりは防ぐことができるでしょう。まったく起きないようにするのは無理かもしれませんが、度重なることはなくなるはずです」

さらに、足のつりをくり返す場合について、
「それでも週に1度以上起こる、あるいは一晩に何度か起こることが続くなら、何らかの病気かもしれません。水分不足やミネラルバランスのほか、要因として挙げた状態が病気によってもたらされている可能性があるわけです。

具体的には、『代謝異常をひき起こす病気』、『足の血管に異常を来す病気』、『神経や筋肉の病気』などが考えられます。

足のつり以外に、次のような症状に心当たりがないかをチェックしてみてください」と泉岡医師は、注意すべき症状と疑われる病気を挙げます。

(1)のどが渇く、手足がしびれるなど →糖尿病
(2)むくみ、尿が出にくいなど →腎臓の疾患
(3)一方の手足のまひや言葉のもつれなど →脳梗塞(こうそく)
(4)足先の冷えや感覚が鈍くなるなど →下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)、閉塞性動脈硬化症
(5)休みをとらないと長い時間歩き続けることができない(歩行障害)など →脊柱管狭窄(きょうさく)症
(6)腰痛など →腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア

「これらを参考にして気になる症状があれば、(1)(2)(4)なら内科へ、(3)なら内科か神経内科へ、(5)(6)なら整形外科を受診してください。よくわからない場合は、かかりつけ医か内科でまず相談をしましょう。

これらの病気のほかに、服用している薬が影響している場合もあります。高血圧の薬、脂質異常症の薬、ぜん息の薬、利尿剤、ホルモン剤などを服用しているときは、医師に必ず、『足のつりをくり返す』と伝えてください」

足のつりは、痛みが激しいだけに痛みのケアに注意が向きがちですが、栄養状態をはじめ、生活習慣全般、さらには内臓や神経の病気との関わりも見逃せない症状だということを改めて知ることができました。くり返す場合はこれらを含めて気をつけたいものです。

取材・文 ふくいみちこ・藤井空/ユンブル

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取材協力・監修
泉岡利於氏。医学博士。内科医。大阪府内科医会副会長。医療法人社団宏久会泉岡医院院長。内科、循環器内科、小児科の診察とともに、自治体の医療活動にも積極的に取り組んでいる。
泉岡医院 大阪市都島区東野田町5-5-8

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