ヨガで更年期障害を緩和しよう

pixta_39311599_m

多くの女性にとって50歳前後の閉経前後に悩まされるという更年期障害は、イライラや動悸、肩こりや腰痛などさまざまな症状が現れます。これらの悩みを緩和する手段のひとつとして取り上げられるのが、ヨガです。

手軽に行うことができるヨガを日常生活に取り入れれば、心と体の不調が改善されることも期待されます。そこで、ヨガがもたらす改善効果や、初心者でも取り入れやすいポーズなどをヨガインストラクター・加藤紅彩さんに伺いしました。

ポーズを取るだけではない。ヨガを行う上で大切な意識

01

2006年からヨガ指導を始め2015年にアメリカのヨガスタジオ「ヨガワークス(YOGAWORKS)」から認定された日本人初のティーチャートレーナー。現在、ヨガプラスを拠点として活躍する加藤紅彩さん

ヨガと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、さまざまなポーズを取る動きです。しかし、それはあくまでヨガの過程のひとつであり、根本にはもっと深い意味があると先生は言います。

「ヨガは心と身体の調和を取り本質的な自分自身を知ることであり、『八支則』という8つの段階で示されることがあります。そのうちのひとつが『アーサナ』といって、一般的に知られているさまざまなポーズを取る動きのことですね。アーサナは、身体を通して心の乱れや曇りを沈めて本質的な自分自身を見つめ直すことが大切です」(加藤先生)

アーサナは、自律神経の乱れにも役立つといわれます。具体的には「ふだんは意識が通りにくいところへの微細な動きや骨の状態へ繊細な意識を働きかけるとことで、神経系や生理機能を含めた全体を本来あるべき状態へ修正し改善する」という働きが期待できるそうです。

「心の状態が身体に反映され、身体の状態が心の状態に反映されます。大まかに言うと、骨や筋肉が正常な位置にない状態は、血管や内蔵の循環も滞らせて心身に不調をおよぼす原因にもつながります。

こうした体の状態を偏りのないニュートラルな状態に修正することから神経系にも働きかけてニュートラルな状態に修正することにつながります。それが、自律神経の乱れを含めた更年期障害の症状にも効果が期待できるといわれる理由のひとつです」(加藤先生)

アーサナを継続して行えば感情を客観的に見つめられるようになるため、更年期障害の症状だけではなく、ストレスからくる過食などを抑える効果も期待できるといいます。運動不足の解消やダイエットにも「感情のコントロール」が役に立つかもしれません。

日常生活で取り入れやすいアーサナ

今回、加藤先生には実践を交えて日常生活に取り入れやすいアーサナを3つ紹介していただきました。

◎キャットアンドカウ~ダウンドッグのポーズ

02
1:腕を肩幅に開き、手の指は均等に広げる。このとき、手のひら全体を床にしっかりと付けるのを意識するのが大切。足はつま先まで伸ばし、膝は腰幅に開き、股関節の下へ来るように置く。下腹部には少し力を入れて、背骨は反りすぎず、丸まらず、自然なカーブを描くようにする。

03
2:大きく息を吸いながら、肩甲骨を胸の方へ均等に送りながら、胸を前に向け背中、特に上背部を反らせる。まっすぐ前を見るような目線を意識する。

04
3:ゆっくりと息を吐きながら、首や肩だけではなく、背骨全体を動かすように意識をしながら背中を丸めていく。同時に骨盤も後傾させるのをイメージしながら、肩甲骨を広げて、頭頂から尾骨まで全体で均等なアーチを描く。ひざの間を見るよう目線を送る。

05
4:ゆっくりと息を吸いながら、手のひらを頭よりも先に着けて股関節から腰を持ち上げ腕をまっすぐ伸ばしていく。足は肩幅で並行にし、股関節と腿の上部を後ろに引いて脚の方に体重を移動させる。

背骨を長く伸ばすことが大切なので、膝が真っすぐにならなくても背骨の長さを優先する。余裕がある場合は、かかとを床へ近づける。

●立位開脚前屈のポーズ

061:腕を床と平行になるよう左右へ伸ばす。腕の高さは肩の高さ。腕を広げた時に手首の下に足首が来る幅を目安に足を大きく広げて、つま先は前を向くように並行に置く。

07
2:手を腰に添えて、息を吸いながら胸を持ち上げ鎖骨を広げ背骨を伸ばす。

08
3:息をゆっくりと吐きながら、足の付け根から体を折りたたんで、胴体が床と並行のあたりで手を肩の下に床へ付ける。手のひらを床へつけるのが難しい場合は、指で立ってもよい。一旦吸って胸を前に送る。この先が難しい場合は、ここでとどまって呼吸をしてもOK

09
4:息を吐きながら手を肩幅で足の間まで歩かせていく。手首がひじの下にきたら頭を床へ下ろす。頭が床につかなくてもOK。足は母指球と小指球で床を踏み、土踏まずとひざと内腿を上に引き上げること。手のひらで床を均等に押しながら肩は骨盤の方へ向かって引き上げる。

●橋のポーズ

101:あお向けの状態で、かかとをお尻へ引き寄せ膝の下に足首が来るように膝を曲げる。肩の後ろ側を床へ付ける。

112:息を吸いながら、かかとで床を押し肩の後ろを根付かせて、内ももを床の方に下ろすように内旋させながら胸骨と骨盤全体を持ち上げていく。このとき、肩甲骨が床に対して垂直に近づく方向へもっていく。

123:2の状態から腕を内側に移動させ、背中の下で指を組む。ひじはつっぱらないようにして、腕全体を伸ばす。3が難しい場合は、2まででもよい。

紹介した3つのポーズはいずれも、それぞれ最後まで動作を行ったら、一つずつ前のポーズをたどりながら1の状態に戻ります。キャットアンドカウは5回くらい、他のポーズは5呼吸くらいホールドさせるのがベストですが、辛い場合は回数を減らしても意識を全身に行きわたらせ集中した状態で行うのがよいといいます。

また、重要なのは「呼吸を常に意識する」ということ。加藤さんは「体の動きに集中すると呼吸が止まってしまいがちになるので、身体と同時に呼吸もしっかりと意識しながら行いましょう。

初めのうちは、大きく息を吸って吐くことを意識することからはじまりますが、慣れてきたら横隔膜の上下の動きのような繊細なところまで意識が届くようになっていくといいですね」とアドバイスをくれました。

心と体を調和する効果が期待できるヨガですが、アーサナを行うときだけではなく「日頃の生活の中でも、自分の心身を客観的に見つめるよう意識することが大切」と加藤先生は言います。

忙しい日々を過ごしていると、ワケも分からずイライラしたり落ち込んだりと自分を見失いがち。ヨガを日常生活に取り入れて、心と体の調和を目指しましょう。

【取材協力】
ヨガインストラクター・加藤紅彩先生
http://kosaikato.com/
YogaWorks認定講師、E-RY500。
アメリカのノースダコタ大学航空学部にて航空学を学ぶ。学生時代から水泳、ランニングを習慣としており、その頃からヨガも生活の一部として取り入れていた。2006年からヨガ指導を始め、2014年にYogaWorksの認定講師に合格。2015年には日本人初のYogaWorksティーチャートレーナーとして認められる。現在は、レッスン指導やインストラクター研修、新人育成も務めているほか、海外講師のワークショップやクラスなどの通訳やアシスタントも歴任。その指導スタイルには定評があり、リピーターが多い。「ヨガプラス」でインストラクターとしてレッスンを受け持ち、YogaWorks指導者養成コースをリードするなど活躍中。

ヨガプラス 五反田店
https://www.yoga-plus.jp/studioInfo/gotanda.php

pixta_39311599_m

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

おすすめコラム