【薬剤師監修】梅雨によくあるつらい症状…今からできる予防対策3つ

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6月は梅雨の季節。雨が続き、古傷が痛んだり、頭痛がしたり、と体調が優れないという方も少なくないはず。6月に突入する前に前もって梅雨対策をすることが、症状緩和の第一歩です。今回は、そんな地味につらい梅雨の症状対策を、中医学の観点も含め3つご紹介していきます。

梅雨のシーズンによくある症状

対策についてご紹介する前に、なぜ梅雨の間は体調を崩しやすいのか、症状の種類と共に説明していきます。

・身体のだるさ、やる気が出ない

梅雨時季は、低気圧で上昇気流が生じるため、大気中の酸素濃度が少なくなります。そうすると、体内の酸素濃度も自然と減って血管が拡張します。結果、副交感神経にスイッチが入り、身体がリラックスモードに突入するのです。このような理由で身体のだるさなどが生じ、活動量が低下することで血巡りも悪くなってしまいます。

・古傷が痛む

低気圧による降り続く雨で湿気が増すと身体がむくみます。そのむくみが血行を妨げるため、治ったはずの傷跡が圧迫され、痛みを生じることがあります。

・肩こり、片頭痛、腰痛の悪化

片頭痛は、頭の血管が拡張することで起こります。この季節は低気圧の影響で血管が拡張してしまうので、片頭痛も起こりやすくなります。また、気圧が下がるとヒスタミンという発痛物質が多く分泌されるといわれており、それが症状を引き起こしたり、悪化させたりするのです。

ヒスタミンが分泌すると、交感神経が刺激されるため、ストレスを感じやすくなります。ストレスは、末梢神経を収縮し、血巡りの悪化につながります。これが、手足の冷えや肩や腰の痛みにも関係してくるのです。

中医学的な観点から説明すると、四季の移り変わりの気象の変化を「六気(ろっき)」といい、「風・寒・暑・湿・燥・火」の6つに分けられ、これらがとても強くなった際に身体の外側から病気になると考えられています。

梅雨時季は湿気が強いため、六気のうち「湿」が外因(病因)となります。これを「湿邪(しつじゃ)」とよび、体内に停滞することでだるさや痛みを引き起こし、病気を長引かせるといわれています。

梅雨が来る前にしておきたい!予防対策3つ

6月になる前に、少しでも症状が出ない、または悪化しないためにできる対策は、大きく分けて「食養生」「ツボ押し」「漢方薬」の3つです。それぞれ詳しくご説明します。

1.食養生

中医学では、胃腸のことを「脾胃(ひい)」と呼びますが、脾胃は、体内の水分代謝に関わっており、脾胃が弱ると内側からも「湿」をため込み(内湿)、「湿」を取り除くことが難しくなってしまいます。そこで、次のような外湿と内湿に良いとされる食事を積極的に摂り、症状悪化を防ぐこと(食養生)が大切です。

・外湿に対する食養生
利尿作用があるものや、香りのよいものがおすすめです。しそ、もやし、春雨、お茶、コーヒーなどがあります。

・内湿に対する食養生
身体を冷やさないよう、食材を温めて食べましょう。山芋、豆腐などの大豆製品は、脾胃を元気にします。また、生姜やニンニク、キムチなどは脾胃を温め、ハトムギ茶やとうもろこしなどは、身体の内側から「湿」を取り除いてくれます。

食養生による体質改善は、日々の積み重ねが大切です。6月になる前から積極的に意識して摂ると良いでしょう。

2.ツボ

「内関(ないかん)」と「足三里(あしさんり)」というツボを押しましょう。
内関は、腕の内側で、手首から二寸ほど肘側にあるツボです。ここを押すと上がった気が降りるため、精神が安定します。
足三里は、膝の皿のすぐ下の外側にあるくぼみから三寸ほど下にあるツボです。脾胃の機能を高め、湿を取り除いてくれます。

ツボ押しは、普段から気づいたときに押すことで症状悪化を防げます。また、症状がつらいときに押しても効果的です。

3.漢方薬

梅雨時季でなくても、症状が気になる場合は漢方薬の服用をおすすめします。あらかじめ飲んでおくことで、症状悪化の緩和が期待できます。

・身体がだる重い、むくみが気になる方
口が渇きやすく尿が少ない方には、「五苓散(ごれいさん)」がおすすめです。また、水太り気味で汗をかきやすい、また身体が弱い方には、「防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)」がおすすめです。これらの漢方は、水の巡りを改善し、身体にたまった余分な水を取り出してくれます。

・気分が落ち込み、食欲がなくなる方
「香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)」がおすすめです。胃腸の機能を高め、余分な水を取り除くだけでなく、気の巡りを改善し、身体を温める働きもあります。

雨の日が続く梅雨時季。気分が落ち込み、体調を崩しやすい季節ではありますが、あらかじめ対策することで、今までと違った快適な生活が送れるかもしれません。

ぜひ、今回ご紹介した内容を参考にして、日常生活に取り入れてみてくださいね。

漢方薬に関しては、いくつかご紹介しましたが、体質によって、合う人、合わない人とあります。医療機関などで相談し、自分に合った漢方薬を見つけることをおすすめします。

文・杉岡弥幸 監修・森田博美

【参考】
『東洋医学の基本講座』佐藤弘、吉川信監修(成美堂出版)
美BEAUTE|6月は体調不良の女性が続出! 梅雨不調の対処法
https://www.bibeaute.com/article/23225

森田博美
森田博美
漢方薬剤師

都内の有名美容クリニックで漢方薬剤師として勤務した経験を活かし、セミナー、執筆、カウンセリング等を通じて女性の健康と美容に携わっている。現在はウィメンズ漢方( https://womens-kampo.co.jp)にて、妊活女性に対するカウンセラーとしても活躍中。
インスタグラム( https://www.instagram.com/romi1208/)や各種ウェブ媒体では、薬剤師の視点から美容やインナービューティについて発信を行う。ミスグランドジャパンに出場した経験を活かし、女性の健康的な美しさについてアドバイスを行っている。

漢方薬剤師 森田博美のウェブサイトhttp://romibalance.com

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