【管理栄養士監修】食中毒対策に!梅雨のお弁当を安心にするコツとは?

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梅雨は湿度や温度が上がり食中毒の発生しやすい時期です。毎日自分や家族のお弁当作りをされている方は、食中毒や傷みが気になりますよね。お弁当は、家での食事とは違い、作ってから食べるまでに時間が長いため特に注意が必要! 管理栄養士である筆者が衛生的なお弁当作りのコツをお伝えします。

お弁当で食中毒を起こしやすい細菌と食材

厚生労働省で毎年発表されている食中毒統計資料によると、平成29年(2017年)の食中毒患者数は164,643人も! 食中毒が発生した場所は1位が飲食店、2位が家庭、3位が販売店となっており、家庭内で発生する食中毒も意外と多いのです。

食中毒の原因としてアニサキスなどの寄生虫によるものや、ノロウイルスなどのウイルス性、黄色ブドウ球菌などの細菌性などがありますが、原因がわかっている食中毒のうち、60%が細菌性食中毒であり、患者数だけみると80%近くにも及びます。
お弁当で発生しやすい細菌や、食材を簡単に頭に入れておきましょう。

サルモネラ属(卵、肉など)

鶏・豚・牛等の腸管に棲みついているので、卵の取り扱いや食肉に注意です。

黄色ブドウ球菌(おにぎり・サンドイッチなど)

人の喉や鼻に棲みついている常在菌のため、素手での盛り付けや、話しながらの盛り付けで細菌が食品につくリスクが高まります。

ボツリヌス菌(缶詰、ビン詰、真空パック食品、発酵食品)

酸素が少ない状態で増えます。

腸炎ビブリオ(魚介類、刺身、寿司など)

魚介類に付着していることが多いので、生魚が触れたまな板や調理器具からの感染にも注意です。

カンピロバクター・ジェジュニ/コリ(鶏肉など)

細菌性食中毒の中でも最も発生件数と患者数が多いです。少量の菌数で発症するため、冷蔵庫内や調理器具、手指などから他の食品に、この細菌が付くことでも起こります。

食中毒の症状としては、主に嘔吐、腹痛、下痢などが起きます。免疫力が落ちた状態の時や小さい子どもなどは特に注意が必要です。

梅雨のお弁当作り、気をつけるべきことは?

細菌が増殖する条件には、次の3つの要素があります。

1.水分

細菌は水に溶けている栄養分を分解して摂取するため、水分が多い状態だと増殖しやすくなります。汁気はしっかり切る、水分を減らす工夫をしましょう。

2.温度

一般に細菌は15℃~40℃で増えやすく、特に35℃前後で増殖します。これからの季節は要注意ですね。屋外に置いておく場合は特に保冷剤や保冷バックを使用しましょう。

3.栄養分

調理器具やお弁当に残った食品や汚れは細菌の栄養分になります。よく洗ってしっかり乾燥させましょう。お弁当箱は、スポンジの固い面で洗うと表面に傷がついてしまうので、柔らかい面で洗うとよいでしょう。
もちろん、素手で触ったり、髪の毛の混入にも注意を!

それでは、おかずの種類ごとに注意すべきポイントを見ていきましょう。

ごはん

・ごはんは一度お皿などで冷ましてから詰めましょう。お弁当箱に直接詰めると水蒸気がつき、傷む原因になります。

・おにぎりはラップで包み、海苔は食べる直前に巻けるように別で持っていきましょう。

野菜・果物のおかず

・おひたしは加熱後に手で水気を絞るため、細菌がつきやすくなります。ポリ手袋などを常備しておくとよいですね。

・汁気のあるおかずを避ける、または水分を残さない工夫をしましょう。かつお節、すりごま、とろろ昆布などと野菜を和えると水分を吸ってくれます。また、おかずカップに入れるだけでは汁気が漏れそうな場合は、ラップに包みましょう。

・生野菜はできるだけ避けたいですが、彩りの味方であるミニトマトはヘタをとりよく洗ったあとに水気をふき取り詰めればOKです。水分が出てくるのでカットはNGです。

・ドレッシングは小分けのものを購入するか、小さい別容器に入れましょう。

・水分の多い果物はできるだけ別容器に分けるのがおすすめです。お弁当箱の中に入れる場合はラップに包んで詰めましょう。

肉・魚介のおかず

・加熱してからカットするのではなく、小さくカットしてから加熱をしましょう。

・ちくわ、かまぼこ、はんぺん、ハム、鮭フレーク、じゃこ、しらすなどの加工品も、必ず一度加熱をします。

・作り置きした料理も必ず当日再加熱しましょう。

・まな板は「生肉・生魚用」と「野菜・調理済み食品用」の2つに分けると汚染が防げます。

卵・乳製品

・ひびの入った卵は使用しないようにしましょう。

・マヨネーズも加熱します。炒め油代わりにすると取り入れやすいです。

・粉チーズ、スライスチーズも加熱をしましょう。

梅雨のお弁当に取り入れたい食材は?

積極的に取り入れたい、抗菌に役立つ食材を3つご紹介します。ただし、いずれも抗菌作用があるとは言っても、触れている部分だけなので過信は禁物ですが、上手に取り入れてみましょう。

梅干し

梅干し1個をポンとごはんの上に乗せるよりも、種以外の梅肉部分を散らしたほうが、抗菌範囲は広がります。肉や魚の照り焼きをする時に梅肉を加えたり、野菜を梅肉で和えたりするのもよいですね。

お酢

お弁当箱にお酢を入れて、キッチンペーパーでまんべんなく広げるのも抗菌効果が期待できます。酢にはお肉を軟らかくする力もありますので、お肉の煮込み料理、炒め物などに活用してみてはいかがでしょう。酢の物やマリネも良いですが、水気はできるだけしっかり切り、水分を吸わせるためにすりゴマを活用するとさらに安心です。

レモン

焼き魚やお肉をお弁当箱に詰めた上に輪切りレモンを乗せたり、お肉とさつまいもと一緒に煮込んだり、和え物に加えてみたりと活用できます。レモンを買う機会があまりなくハードルが高い方は、レモン汁だと活用しやすいですね。

1年を通して食中毒は発生していますが、特に6~10月は食中毒が多くなるので、これからの時期は注意が必要です。

手作りのお弁当は家計にも体にも優しいもの。衛生的に気を付けて、安心して食べられるお弁当生活をぜひ続けてくださいね。

【参考】
平成29年(2017年)食中毒発生状況|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html
知ろう!防ごう!食中毒|公益社団法人日本食品衛生協会
http://www.n-shokuei.jp/eisei/sfs_index.html
食中毒菌発育の3要素|花王プロフェッショナル・サービス株式会社
http://www.kao.co.jp/pro/food_poisoning/basic/factor.html
わさび、からし、梅干の抗菌作用の実験|東京都衛生局
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/rensai/files/jikken08.pdf
食酢の微生物制御|円谷悦造・塚本義則著
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/95/1/95_1_39/_pdf
野菜飲料の有機酸の静菌効果および官能評価|日本食品科学工学会誌
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/58/10/58_10_490/_pdf/-char/ja
『食中毒の科学‐あなたを守る知識ワクチン‐』本田武司著(裳華房)
『家庭で防げる食中毒』篠田純男著(丸善株式会社)
『傷みにくいお弁当&作りおきおかず』武蔵裕子監修(成美堂出版)

海老沢直美
海老沢直美
生理前の不調(PMS)改善カウンセラー・管理栄養士

管理栄養士としてレストランやスポーツの現場で選手の栄養サポート及び健康指導に従事。病院給食勤務、特定保健指導を経て現在は、PMS(月経前症候群)に悩む方へ食事カウンセリングを行う。高校生から13年悩んでいた自身のPMSを「食×睡眠×心」で心身共に楽にした経験を活かし、望む人生を送る女性のサポートをしている。昭和女子大学卒。
海老沢直美「生理前を楽にする方法」
公式ブログhttps://ameblo.jp/ebihoro1856/
FBページ fb.me/pms.raku

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