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《臨床内科専門医に聞く》 夏こそ冷えを防いで足のつりを予防

足のむくみ

誰しも一度は、睡眠中に足がつって飛び起きた経験があるのではないでしょうか。臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長は、「就寝中に足がつる原因のひとつに、『冷え』による血流の悪化があります。夏は気づかないうちに足が冷えていることがとても多く、また発汗で水分やミネラル不足になるため、冬よりもむしろ注意が必要です」と話します。そこで、冷えと足のつりの関係と、夏の冷え対策のポイントについて教えてもらいました。

就寝中に足がつるのは「ミルキングアクション」が働かないため

なぜ、安静にしている就寝中に突然、足がつるのでしょうか。正木医師は、こう説明をします。

「安静時に足がつる原因として、下半身の血流の悪化が挙げられます。血液は、心臓から送り出されて全身を巡り、再び心臓へと戻っていきます。その際、重要な役目を果たしているのが、ふくらはぎや太ももなど下半身の筋肉です。心臓より低いところから血液を心臓に戻すには、重力に逆らって送る必要があるからです。

ふくらはぎの筋肉は、収縮と弛緩をくり返し、筋肉を通る静脈血をポンプのように押し上げて、血液を心臓へ戻す手助けをしています。この働きは、牛の乳をしぼる動作に似ていることから、『ミルキングアクション』と呼ばれます。

歩いたり足を動かしたりしているときはミルキングアクションが働き、下半身の血液はスムーズに循環をしています。ですが、寝ているときは足をあまり動かさないうえに、あお向けになるとふくらはぎが下で圧迫されることが多いため、血流が滞りやすくなります。すると、筋肉に十分な酸素や栄養が供給されず、老廃物や疲労物質が溜まるため、足のつりが起こりやすくなります」

さらに、冷えることで足がつる原因について、正木医師は次のように指摘をします。

足が冷えると筋肉がこわばり、血管は収縮して、下半身の血流が低下します。冷たい飲み物・食べ物などをとる、就寝中も冷房をつけたまま寝る、布団から足が出ているなどで、実は夏場でも体が冷えている人は多くみられます。冷えというと冬の寒い季節だけの問題のように思われがちですが、『夏の冷え』には意外なほどに注意が必要なのです」

湯船につかる、運動の習慣、レッグウォーマーで冷えを防ぐ

では、夏の冷えを防ぐには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。正木医師は、こうアドバイスをします。

「意外に実行していない人が多いのが、衣類による冷え対策です。冷房のきいた場所で過ごすときは、体を冷やし過ぎないよう、夏用のカーディガンやストール、靴下などの衣類で温度調節をしましょう。とくに外出時は持参が面倒だと思われるかもしれませんが、体調を崩すよりはずっといいでしょう。

さらに、夏場はシャワーで入浴をすませる人も多いようですが、シャワーでは体の表面しか温まらないので、湯船につかるのがベストです。38~40℃くらいのぬるめのお湯で半身浴をして、体を内部から温めましょう。血流がアップして疲労回復にもなります。湯船につかるのが難しい場合は、足湯を5~6分してからシャワーをするとよいでしょう。

また、筋肉は全身の熱の40%を産出すると言われています。女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、冷え性になりやすいのです。定期的に運動をしていないと、全身の筋肉量は20歳代をピークに減少していきます。ウォーキングやストレッチをするなど、軽く汗をかく程度の運動を習慣にして、熱を作り出すことが冷え対策にとって重要です」

さらに正木医師は、これらの対策は、「冷房で体が冷えて頭痛やだるさなどの不調が起こる、いわゆる『クーラー病』の予防にも有効です」と話します。

また、就寝中の冷え対策に次のアドバイスを続けます。

「靴下よりもレッグウォーマーがよいでしょう。就寝中は、体温を調節するために足の裏からたくさんの汗が出ます。靴下をはいていると、その汗が発散されにくく、湿った状態から汗が乾くときに熱が奪われるので、かえって冷えやすくなります。また、靴下は足首を締めつけるので、血流が滞って冷えをまねくことになり、睡眠の質も悪化させます。これらは足のつりをまねく要素になります。

一方、レッグウォーマーは足首からふくらはぎの下の方だけをおおうので、足の裏からの発汗を妨げずに、足首やふくらはぎの筋肉を保温して血流を促し、冷えを防ぎます。薄手で通気性のよい夏向きのレッグウォーマーを上手に活用しましょう」(正木医師)

最後に正木医師は、「水分とミネラルの補給もしてください。昼間はもちろん、就寝中でも夏は予想以上に発汗をしています。これも足のつりの原因となるため、水やカロリー控えめのスポーツ飲料をこまめに飲んでください」と話します。

指摘を受けて思い起こすと、夏は寝苦しいので、冷房や扇風機をかけたまま足を露出して寝ている、それに、暑いので冷たいものをかなり食べている、バスタイムはシャワーだけ、運動はしない、トイレに行きたくないから寝る前に水分は口にしないなど、足のつりをまねくことばかりをしていることに気づきました。突然の足のつりで安眠が妨げられることがないよう、夏も体を冷やさず、水分補給もするように気をつけたいものです。

取材・文 城川佳子、藤井空 / ユンブル

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取材協力・監修
正木初美氏。日本臨床内科医会専門医、大阪府内科医会理事、日本内科学会認定医、日本医師会認定スポーツ医、日本医師会認定産業医、正木クリニック院長。内科、リハビリテーション科とともに、更年期外来、禁煙外来、漢方治療を行っている。正木クリニック 大阪府大阪市生野区桃谷2-18-9

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