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【医師監修】女性ホルモンは増やせるの?医師に聞く上手な付き合い方とは

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女性の美しさと健康をコントロールしている女性ホルモン。十分に分泌されないと、体のあちこちに不調が現れることがあります。不調をできるだけ回避するために、女性ホルモンを増やせればよいのですが、可能なのでしょうか? 日本アンチエイジング外科認定医であるしのぶ皮膚科院長の蘇原しのぶ先生が、そんな疑問にズバッとお答えします!

目次

 

女性ホルモンの主役はエストロゲン

女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり、毎月規則正しいリズムで卵巣から分泌されています。とはいえ、卵巣から勝手に分泌されているわけではありません。女性ホルモンの司令塔となっているのは脳の視床下部。視床下部→脳下垂体→卵巣へと、「女性ホルモンを分泌させなさい」という指令が下りてくるメカニズムが働いています。

エストロゲンの主な働き

  • ・乳房を発達させて、丸みを帯びた形を保つ
  • ・肌のハリや潤いを保つ
  • ・毛髪の発育を促し、ハリをもたせる
  • ・カルシウムを沈着させて丈夫な骨をつくる
  • ・血中のコレステロールを下げて血管をキレイにする
  • ・気持ちを安定させる
  • ・子宮に働きかけて、受精卵が着床できる状態にする

 

プロゲステロンの主な働き

  • ・子宮内膜を柔らかくして受精卵が着床しやすくする
  • ・基礎体温を上げる
  • ・乳腺の発達を促す
  • ・体内に水分をためる

 

2種類の女性ホルモンの働きを見ると、より女性の体に深くかかわっているのはエストロゲンということがわかります。女性ホルモンといえば、エストロゲンを指すこともあります。

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年齢とともに減少する女性ホルモン

閉経が起こる前後の5年間、トータル10年間を「更年期」と呼んでいます。年齢で言うと、45~55歳ぐらいが該当しますが、30代後半から始まる人など個人差が大きいことが特徴です。

多くの場合、40代に入るころから卵巣の働きが衰えて、更年期になると機能低下が著しくなり、エストロゲンの分泌量も急激に減ります。これにより、ホルモンバランスが乱れ、視床下部→脳下垂体→卵巣という指令の連携がうまくいかなくなり、脳で働く自律神経にも影響を及ぼします。

自律神経は、体温や発汗、呼吸や消化、血圧などをコントロールして体を健康に保っているため、ホットフラッシュ(のぼせ)・ほてり・発汗といった更年期特有の症状につながることがあります。

エストロゲンが減るとさまざまな不調に襲われる!?

加齢とともに減っていく一方の女性ホルモン。特にエストロゲンの量が減ることにより、以下のさまざまな不調が現れることが珍しくありません。日常生活に支障が出るほどひどくなると、受診して治療が必要になることもあります。

  • ・生理不順
  • ・ホットフラッシュ、のぼせ
  • ・冷え
  • ・シワ、たるみ
  • ・不眠
  • ・肩こり
  • ・クヨクヨ、うつ
  • ・イライラ、怒り
  • ・腟の乾燥
  • ・手足のこわばり
  • ・髪の毛が細くなる、ツヤがなくなる
  • ・倦怠感
  • ・動悸、息切れ
  • ・骨粗しょう症
  • ・高血圧
  • ・コレステロール上昇
  • ・物忘れ
    など

 
更年期は、自分の仕事の重責、夫の定年、親の介護・死別、子どもの独立、社会からの孤立など、女性を取り巻く環境の変換期でもあります。「環境などによるストレス」と「エストロゲンの減少」のダブルパンチで不調が現れるのもよくあることです。

女性ホルモンを補う方法ってある?

上記の症状をなるべく抑えるためにもエストロゲンを増やせればよいのですが、残念ながら体の中で自然に増えることはありません。ただし、日々の生活の中で上手に補うことはできます。以下に挙げることを参考にして習慣づけていきましょう。

食事
忙しい現代人は、不規則で偏った食生活になりがち。コンビニ弁当やカット野菜、インスタント食品、ジャンクフードなどで簡単に食事をすませて、栄養バランスが乱れている人が少なくありません。

女性ホルモンが正常に分泌されるためには、食事で健康を維持することがとても大切です。肉や魚、野菜、炭水化物などから、必要な栄養をまんべんなく摂ることを意識してください。

特に、ヨーグルト、納豆、味噌、漬け物、キムチなどの発酵食品は腸内環境を整え免疫力アップにつながるので、副菜に添えることをおすすめします。

エストロゲン量の低下で骨が弱くなることがあるので、骨量を補うためカルシウム豊富な小魚、乳製品などを加えるのもOK。玄米、海藻、きのこ類、ゴボウなど食物繊維を多く含む食材を積極的に摂取して、腸内環境を整えることも重要です。

「栄養バランスを整えるのが難しい」という人は、和食寄りにしてみるのが手軽です。

また、太りすぎややせすぎにも気をつけて。ホルモンバランスを崩し、生理不順や排卵障害を引き起こす可能性があります。適正体重はBMIで計算することができます。

BMI=体重(kg)÷(身長m)2
25以上だと肥満なので、該当する人は注意しましょう。

飲み物
体を冷やさないように、できれば常温や温かい飲み物がベター。抗酸化作用が高いといわれるルイボスティーやハーブティーなどをゆっくり味わってみては。

サプリメント
手軽に必要な成分を摂れるためとても便利で、特に忙しい人には重宝されています。健康な体を保ち、食事で十分に補うことが難しい成分として、次の3つをおすすめします。

カルシウム……骨や歯の形成に必須のミネラル。心臓、神経系、および血液凝固系が機能するためにも必要です。

ビタミン類……体内に摂取した炭水化物や脂肪などを代謝してエネルギーにするために、なくてはならない栄養素です。

DHA……血中コレステロール値を下げる働きがあります。血液をサラサラにして動脈硬化の予防や、中性脂肪を減少させる効果が期待できます。

運動
運動で血行がよくなると、更年期症状の緩和が期待できます。続けることが一番重要なので、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳、ダンス、ヨガ、ストレッチなど、「これなら楽しく続けられる」という有酸素運動を選んでください。

「運動が苦手なら、無理をせずに日常の家事の中に取り入れてみては。雑巾がけ、トイレ掃除、窓ふきなどを、手足の筋肉をしっかり動かして行うことも筋トレになります」と、蘇原先生はアドバイスします。

睡眠
睡眠不足や眠りが浅いなど、睡眠の質が悪いと体がきちんと休めず更年期の症状が悪化することがあります。

寝る直前に入浴すると体がほてりやすいので、寝る2時間前までに入浴をすませるようにしましょう。睡眠の妨げになるカフェインを含む飲み物は、寝る前は避けて。

「寝る直前までスマホをいじって、夜更かしするような生活はいけません。スマホのブルーライトを見ていたせいで自律神経が休まらず、なかなか眠りにつくこともできないのでベッドに持ち込むのもやめましょう」(蘇原先生)


上記のことに気をつけても症状が改善しなかったり、生活に支障が出るほどつらかったりする場合は、婦人科を受診してください。ひとつの治療法として、ホルモン補充療法(HRT)を行います。

不足しているエストロゲンなどの女性ホルモンを貼り薬や飲み薬などで少し補う治療法で、2ヶ月もすれば症状が緩和するといいます。

「今までは、ちょっと無理をしてもすぐ元気になっていた体が、更年期になるとそうもいかなくなります。でも、『もう自分はダメだ』なんて落ち込まないでください。更年期は、“今までの生活を見直して、体の再調整が必要だ”というサイン。生活習慣を整えて丁寧に暮らし、体をいたわる生活へシフトしていけば、そうつらくなることはありません。40~50代は、第二のライフステージを花咲かせる時期。女性ホルモンを上手に補って、色とりどりの花で人生を彩ってくださいね!」(蘇原先生)

取材・文/内藤綾子

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取材協力・監修者プロフィール
蘇原(そはら)しのぶ
しのぶ皮膚科 院長
皮膚科医。日本アンチエイジング外科・美容再生研究会認定医。東海大学医学部卒業後、北里大学皮膚科、獨協大学皮膚科を経て、新宿皮フ科副院長。2016年にしのぶ皮膚科開業。オールアバウト美と健康のガイドが人気。

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