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【医師監修】急にイライラするようになったのはなぜ?原因と対策を知って備えよう

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今までは、同じことが起きても笑ってやり過ごせたのに、妙にイライラする。自分でも制御できないイライラや怒りに見舞われることが多くなり、人間関係に支障が生じてストレスを感じるようになってしまう。それは、もしかしたらホルモンバランスの乱れが原因かもしれません。

そもそも、イライラする気持ちが生じるのは、どんなことが原因だったりするのでしょう? 医療機関を受診した方がよいケースとは? イライラについて「女性ライフクリニック新宿」院長の早田輝子医師にご解説いただきました。

目次


イライラはどこから来る? その原因って?

精神的、肉体的なことが影響して生じるイライラ

「イライラする感情は脳の中心にある大脳辺縁系で生じます。それを理性的に統制するのが前頭葉です。睡眠不足や疲労などが生じると、その統制がとれにくくなります」と説明するのは早田(そうだ)医師。

睡眠不足になると、怒りを感じる扁桃体(へんとうたい)とそれを抑える前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ)との機能的なつながりが弱くなり、抑制がききづらくなるのだそうです。

「このような脳内の神経活動の変化は、2日間程度の睡眠不足でも生じることが明らかになっています」(早田医師)。また、無理なスケジュールで休む暇がなくなると、副交感神経がうまく働かなくなり、交感神経過多となってイライラが生じやすくなります。

さらに、心を満たす経験が少なくてもイライラが。気持ちよく体を動かしたり、心から笑ったり、感動したりする体験は、心の安定に重要です。また、家事や育児に翻弄されるなど、他人を優先する自己犠牲が続いたときも、イライラが溜まりやすくなります。

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ホルモンバランスの乱れで生じるイライラ

原因が思い当たらないのに急にイライラしやすくなった、怒りを感じることが多くなったと自覚できる場合、考えられることに更年期症状のひとつであるイライラがあります。

「更年期症状とは、閉経前後の45~55歳くらいの女性に起こりがちな症状で、卵巣からのホルモン分泌の急激な低下により感じる様々な不調のことを指します」と早田医師。

身体には、卵巣を含め、副腎や甲状腺など、ホルモンを作り出す臓器があり、それらを統制する刺激ホルモンが脳の中の視床下部下垂体(ししょうかぶかすいたい)から分泌されています。

通常は、最低限の刺激ホルモンの分泌で、各臓器がホルモンを作って分泌しているのですが、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が減少すると、それまでのホルモン値を維持しようと、下垂体から卵巣を刺激するホルモンがたくさん出されます。

下垂体はほかのホルモンや自律神経も統制していますから、卵巣にばかり働きかけていると、ほかの統制がおろそかになり、攻撃ホルモンのノルアドレナリンがちょっとしたことで出たり、自律神経が乱れがちになったりして、イライラが生じがちになるのです。

同じようにホルモンバランスの影響で起きる不調に、生理前の「月経前症候群(PMS)」があります。原因ははっきりしていませんが、排卵後に起こることから、もう一つの女性ホルモンであるプロゲステロンが関与しているのではないかといわれています。

更年期症状同様に、イラッとしたり怒りやすくなったりします。また、極端なダイエットによってホルモンのバランスが乱れたり、栄養不足が原因となってホルモンの分泌が正常でなくなったりすることも。そうした際に、イライラが増すことも珍しくありません。

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イライラの症状、原因によって違いはみえる?

原因が明確なイライラは、多くは人間関係から

元々、性格的に怒りっぽく、短気ですぐイライラする人はいます。そうではなく、他人に感情をぶつけたり、そんな自分に辟易したりするようなことのない人が、やたらとイライラすることがあります。

仕事上で上司や部下への不満があり、それが長く続いているのに、あちこちに気を遣い、自分を押し殺していると、イライラが生じやすくなります。

また、完璧主義で相手にも自分と同じような行動を期待すると、現実とのギャップにイライラしやすくなるでしょう。思わず怒鳴りつけたり、無視したり。イライラの原因である相手に不満を言えず、別の人に八つ当たりをすることも。

また、家庭では、子どもが言うことを聞かない、夫の態度が嫌、姑との確執や介護の不満などからも、イライラが生じがちです。

疲労や度重なるストレスは、ちょっとしたことに対するイライラを誘発します。また、生活が不規則だったり、甘え下手で自分一人で頑張ってしまうことが続いていたりすると、幸せホルモンのセロトニンや愛情ホルモンのオキシトシンが出にくく、ますますイライラしやすくなります。

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ホルモンバランスに起因するイライラは、突発的におこりがち

ホルモンバランスが乱れてイライラが生じたときは、自分でもよく原因がわからないままに、ちょっとしたことにカッとして怒鳴りつけてしまったり、気づかないうちに相手にイライラとした態度を見せてしまっていたりします。そんな自分が理解できず、落ち込んでしまったりすることも。

また、突発的にイライラしたり、急に不安になったり、涙もろくなったりと感情が揺れ動き、情緒が不安定な状態になりがちです。

生活習慣を改善して、イライラ体質から脱却しよう

深呼吸で5つ数え、客観視を

「とっさのイライラ時には、まず深呼吸をして5つ数え、前頭葉がそれを抑制するのを待ちます。少し冷静になれたら、それから、どうしてイライラしてしまったのか、原因と対策を考えましょう。イライラは、心や体が疲れているサインです。もし、他人優先で自分を犠牲にしているようなことがあれば、頑張った自分を褒め、自分を満たすことを優先してみてください」と早田医師は提案します。

そして、ちょっとした心がけや生活改善で、イライラは軽減できるとのことなので、次のようなことを試してみましょう。

セロトニンとオキシトシンのUP

自律神経を整え、不眠を軽減する神経伝達物質のセロトニンを増やすべく、規則正しい生活、ヨガなど適度な運動、入浴などに気を配りましょう。セロトニンは、感情や気分のコントロール、精神の安定に深く関わっています。

また、信頼や愛情を高め、恐怖や不安などのストレス反応を軽減するというホルモン、オキシトシンを増やすべく、スキンシップや団らんの場を持ち、感情を素直に伝える心がけをしましょう。

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食事と睡眠の改善を図って

食事の改善も有効です。カルシウムとマグネシウムは神経伝達や代謝などの恒常性維持に重要な役割を果たしているので、積極的に摂取しましょう。糖質の過剰摂取はインスリンの大量分泌につながり、低血糖を引き起こしイライラの要因に。取り過ぎに気をつけましょう。

規則正しく食べることも、生活リズムを整え、睡眠の質をあげることにつながります。睡眠は7時間以上を心がけ、ぐっすり眠れるように睡眠環境を整えましょう。

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アンガーマネジメント&マインドフルネス

許容の輪を広げる訓練をしたり、相手と認識を共有したりすることで、自分の怒りを管理するのがアンガーマネージメントです。怒りは、相手への期待とのずれで生じます。怒りを客観視し、どの状況なら許せるのかを考え、書き出すなどして見えるようにします。

また、マインドフルネスとは、今現在起こっていること、「今、ここ」に意識を集中させるものです。深い呼吸をしたり、目をつぶって瞑想したり、あるいは、普段行っている歩行や家事などに伴う体などの動きをじっくり観察したりすることで鍛えられます。

このようにして過去や未来の雑念を消すことにより、周囲の変化に動じない、安定した心を持つことができます。女性はマルチタスクを並行して頑張ることが多いですが、心が疲れてイライラするようなときは、このようにして頭の中の考えを手放してみるとよいでしょう。

気分転換の時間を

さらに大切なのが、気分転換です。日常から離れ、旅行をする、映画や観劇などで感動体験、親しい友人たちと思い切り笑う、DVD鑑賞や読書などで思い切り泣く、大自然に触れる、スポーツを楽しむなど、好きなことを積極的に行いましょう。

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ホルモンバランスが乱れて生じたイライラの改善・対処法について

「ホルモン検査を行い、エストロゲンと刺激ホルモンのアンバランスがみられるようでしたら、ホルモン補充療法(HRT)がおすすめですね。エストロゲンの補充で、下垂体からの刺激ホルモンが下がり、症状緩和が期待できます」と早田医師。

エストロゲンそのものにも、気分を落ち着かせる働きがあるとのこと。他にも、エストロゲンのような作用をもたらす大豆イソフラボンのサプリメントや、神経の過剰興奮を抑える漢方薬を使用することもあるそうです。

イライラが強ければ抑肝散(よくかんさん)、その他不安などもある場合は、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、加味帰脾湯(かみきひとう)などの漢方薬が処方されることも。

また、月経前症候群(PMS)の場合は、低用量ピルを使うことで排卵を抑え、ホルモン値を一定に保つことで症状を緩和することが期待できます。

「現代はストレス社会であり、また、女性は職場や家庭で様々な役割を期待され、頑張る分、ストレスを抱えてイライラされる方も少なくないと思います。これにより不具合がおこるばかりでなく、長期的にはストレスホルモンが枯渇して慢性疲労症候群に至ってしまうこともあります」と早田医師。

イライラ感が増してつらいときは、気軽に婦人科で相談することをおすすめします。誰だって、イライラすることなく、穏やかに毎日を過ごしたいものですよね。イライラからの負の連鎖を断ち切り、笑顔で毎日を過ごしましょう。

取材・文/仲尾匡代

取材協力・監修者プロフィール
prof
早田輝子(そうだてるこ)
女性ライフクリニック新宿 院長
内科医、循環器専門医、日本医師会認定健康スポーツ医。2001年昭和大学卒業、同循環器学教室入局。2014年9月より現職。女性医療、予防医学、代替医療を専門。美容関係にも詳しい。プライベートでは2児の母。
女性ライフクリニック新宿
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