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【医師監修】更年期の頭痛はどう切り抜ける?原因を知って対策しよう

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「頭が痛い」「頭が重い感じがする」といった症状は、更年期によく見られます。頭痛は誰もが経験のあるありふれた症状ですが、「軽く考えないで、しっかりと改善していきましょう」と話すのは、頭痛治療のスペシャリストである菅原脳神経外科クリニックの菅原道仁院長です。更年期に起こりやすい頭痛の原因や対処法などについて、詳しく解説します。

目次

 

さまざまな不調が起こりやすい更年期

女性が閉経する前後5年間を「更年期」と呼び、およそ45~55歳に更年期を迎える人が多いと考えられています。

更年期になると卵巣機能が低下し、卵巣から分泌されるエストロゲンが急激に減少します。そのためホルモンバランスが乱れ、 体調の変化や不調を感じる人が多く見られます。

更年期に現れやすい症状

・自律神経失調症状
ほてり、のぼせ、発汗、寒気、冷え、動悸、息苦しさ、疲労感、頭痛、肩こり、めまい

・精神的症状
イライラ、怒りっぽい、抑うつ気分、涙もろい、やる気が出ない、不安感

・その他の症状
腰痛、関節・筋肉痛、手のこわばり、むくみ、しびれ、吐き気、食欲不振、腹痛、便秘、下痢、皮膚の乾燥、湿疹、かゆみ、排尿障害、頻尿、性交痛、外陰のかゆみ
など

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更年期に起こりやすい頭痛の種類

更年期の症状のひとつとしてよく見られるのが頭痛で、代表的なのは「緊張型頭痛」と「片頭痛」です。「『頭痛=片頭痛』と思われがちですが、更年期は緊張型頭痛が圧倒的に多く見られる印象があります」と菅原先生は話します。

■緊張型頭痛
身体的ストレスと精神的ストレスが、重なることで起こると考えられています。身体的ストレスとは、長時間のパソコン操作やスマートフォンを使うときのうつむき姿勢、身体の冷えなどです。そのような状態が続くと、首から肩、背中にかけての筋肉や頭の筋肉が緊張して血流が悪くなり、乳酸やピルビン酸などの老廃物がたまります。それが周囲の神経を刺激し、痛みを起こすのです。

また、更年期にはエストロゲンの分泌低下によるホルモン変化や、環境変化などによる不安や心配などの精神的ストレスも重なり、緊張型頭痛を引き起こします。

緊張型頭痛の特徴

・後頭部を中心に両側が痛む
・後頭部から首すじにかけて、「重苦しい」「圧迫される」「締めつけられる」といった痛みがある
・首や肩のこり、目の疲れ、耳鳴り、めまいを伴うことが多い
・吐き気やおう吐、光・音過敏はない
・動いても痛みが悪化することはない

■片頭痛
日本人の約8%が悩んでいると言われる病気ですが、原因は分かっていません。何らかのきっかけで頭の血管の周りにある三叉(さんさ)神経が刺激され、脳血管を拡張する痛み物質が出て頭痛が引き起こされるという「三叉神経血管説」が有力です。

片頭痛を引き起こすきっかけは人それぞれで、女性ホルモンの変化、ストレス、人ごみ、寝不足や眠りすぎなどが代表的です。

片頭痛の特徴

  • ・ズキンズキン、ガンガンと脈打つような痛み
  • ・痛みがひどくなると吐き気や嘔吐がある
  • ・光と音をわずらわしく感じる
  • ・動くと痛みが増す
  • ・生あくび、首すじの張り、目の前にギザギザした光が見えるなどの予兆があることも
  • ・痛みのピークは、日常生活や仕事が手につかないほど
  • ・痛みの持続は4~5時間程度だが、長い場合は3日くらい続くことも
  • ・6割は片側、4割は両側に痛みがある
  • ・肉親にも頭痛持ちがいる人が多い
  • ・10~20代で発症している人が多い

 

更年期の頭痛を乗り切るために

更年期の頭痛を改善するためには、日常生活の見直しをはかることが必要です。

・規則正しい食事
栄養バランスのよい食事を、3食規則正しく摂りましょう。身体の調子を整えるビタミンや、カルシウム、食物繊維をはじめ、エストロゲンと似た作用のある大豆イソフラボンも積極的に摂りたい栄養素です。

また、頭痛予防に効く栄養素として、ビタミンB2、マグネシウムが有名です。ビタミンB2は、レバー、アーモンド、うなぎ、玄米などに、マグネシウムは、ひじき、黒豆などに多く含まれます。仕事などが忙しく理想的な食生活が難しい場合は、サプリメントを上手に活用するとよいでしょう。

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逆に、赤ワイン、チョコレート、チーズなどの食品や、グレープフルーツなどの柑橘類で片頭痛が起きることもあるので、気をつけてください。

・しっかり睡眠をとる
睡眠をおろそかにすると、イライラや集中力の低下など、ストレスがたまりやすくなります。起床・就床時間をなるべくずらさないようにして、毎日規則正しい睡眠リズムを心がけ、質の高い睡眠を目指してください。

・適度な運動をする
肩こりや首筋のこりが、頭痛の原因になることがあります。ウォーキングなどの適度な運動を取り入れて、毎日続けられると理想的です。以下に紹介する、自宅で簡単にできるストレッチも効果的です。

頭痛をやわらげる簡単ストレッチ

  • ・肩を上下に動かす
  • ・両肩を回す
  • ・首を回す
  • ・両腕を大きく前と後ろに回す

それぞれ10回くらいずつ毎日行いましょう。

更年期の頭痛が続くときは、まず診断を

「頭痛には種類があり、それぞれ治療法が違います。また、クモ膜下出血などの重大な病気が隠れていることもあるので、頭痛に悩んでいるなら一度は専門医に診察を受けることが大切です」と菅原先生は注意を促します。脳神経外科、神経内科が担当科ですが、最近では「頭痛外来」という専門外来を標榜(ひょうぼう)している病院やクリニックも増えてきました。

頭痛の種類による治療法

緊張型頭痛と片頭痛は、治療薬が異なります。「頭痛に悩んだときは、薬を上手に活用しましょう。市販の鎮痛薬で対処できればよいですが、連日連夜、乱用してしまうと逆に頭痛が治らなくなることがあります。月に10日以上薬を飲まなければならない状態のときは、必ず医療機関を受診してください」(菅原先生)

■緊張型頭痛の治療法
筋肉のこりをほぐす筋弛緩薬、不安やうつ状態を軽減する抗不安薬・抗うつ薬、痛み止めの消炎鎮痛薬、漢方薬などが用いられます。

■片頭痛の治療法
代表的な薬はトリプタン製剤です。最大限の効果を得るために、薬を飲むタイミングが非常に重要。片頭痛の起こる前に服薬しても効果は少なく、痛みが始まって30分以内が最も有効なので、頭痛の始まるタイミングを知ることが必須になります。

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菅原脳神経外科クリニックのおしゃれな外観

頭痛日記を習慣づけてみませんか

頭痛の改善や予防には、自分の頭痛が起こるタイミングを知ることが大切です。そこで、菅原先生は「頭痛日記」を提案しています。「頭痛日記は特に、薬を飲むタイミングが重要な片頭痛にとても有効です。片頭痛に限らず、頭痛日記があると受診する際も問診のときの診断に非常に役立ちます」

頭痛日記に記載するポイント

  • ・日づけ、時間
  • ・天候
  • ・「ズキンズキンと脈を打つ感じ」「重苦しい感じ」といった頭痛の質
  • ・前頭部、後頭部、全体的になど、痛む場所
  • ・生理周期、睡眠時間、飲酒、喫煙、食事など、生活習慣にまつわること
  • ・ストレスの有無

 

1~2ヶ月続ければ、誘因や前兆といった頭痛のパターンが見えてきます。誘因が分かれば、それを避けるように生活習慣を整えると頭痛の頻度を減らすことができます。「更年期特有の精神的不安があって避けられない」といった場合は、頭痛薬を外出先へ持参するなどの対策がとれて安心です。

「更年期によくある頭痛」と軽く見ないで

更年期のつらい症状の治療法として、ホルモン補充療法があります。頭痛で処方される薬はホルモン補充療法と併用できるので、頭痛があるときはがまんせずに医師に相談しましょう。「『更年期の頭痛くらいで医師に相談してもよいの?』『頭痛くらいで仕事を休んではいけない』などと思ってはいけません。適切な治療をすれば、頭痛の起こる頻度や程度が改善し、生活の支障が少なくなります。痛みのない毎日を送り、実りの多い更年期を楽しんでください」(菅原先生)

取材・文/内藤綾子

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取材・監修者プロフィール
菅原道仁(すがわらみちひと)
菅原脳神経外科クリニック院長
杏林大学医学部を卒業。国立国際医療研究センターに勤務したのち、脳神経外科専門の北原国際病院に15年間勤務。2015年に現クリニックを開院。頭痛、めまい、もの忘れ、脳の病気を中心とした治療に携わる。
菅原脳神経外科クリニック

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