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【医師監修】なぜイライラしちゃうの?原因と対処法をご紹介

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「最近、ちょっとしたことでイライラしてしまう」、「以前は多少の悩みがあっても前向きに考えられていたのに、今は同じことでいつまでもくよくよ考えてしまう」といった、これまでにないような症状に悩みを抱える中高年の女性は多いようです。もしかするとそれは、更年期症状かもしれません。更年期にあらわれる不快な症状の原因やセルフ対処法についてNTT東日本関東病院・産婦人科の佐藤歩美先生にお話を伺いました。

目次

ちょっとしたことでイライラする…これって病気?

女性は50歳ぐらいになると卵巣ホルモンが減少し月経が止まります。これを「閉経」と言います。だんだんと月経間隔が不順になった後、止まるのが一般的です。医学的には、最後の月経から1年間ない状態が続いたときに1年前を振り返り閉経と診断します。

日本人の女性の閉経年齢を調査したところ、2012年のデータによると閉経の平均年齢は52.1歳という結果があります。卵巣の寿命には個人差があり、早い人では40歳代前半、遅い人では50歳代後半に閉経を迎えます。

閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」としています。まれに40歳未満に閉経となるケースがあり、これを「早発閉経」と言います。骨粗しょう症などのリスクが上がるため予防としての治療が必要になります。

更年期にあらわれるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを「更年期症状」、その症状が日常生活に支障をきたすほどの状態になることを「更年期障害」と言います。更年期にあらわれる不快な症状は人によって異なりますが、以下のような症状が起きやすいことがわかっています。

1 自律神経失調症状(血管運動神経症状)~のぼせ(ホットフラッシュ)、異常発汗、めまい
最初に出やすい症状で、閉経移行期に始まり閉経後1~2年がピークとされていますが、老年期にみられることもあり、更年期に限定されるものではありません。

2 精神神経症状~イライラする、不眠、頭が重い、頭痛、倦怠感、憂うつ、不安感が強い

3 泌尿生殖器の委縮症状~委縮性(老人性)膣炎、性交障害、尿失禁など
閉経前から徐々に増加し閉経後10年でピークになります。

4 心血管系疾患~脂質異常、高血圧、脳卒中など

5 骨粗しょう症~脊椎椎体骨折、大腿骨頸部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)
4と5は閉経前後から発症していますが、閉経後しばらくしてから認知されることがほとんどです。

その他、末しょう神経系(手足のしびれやこわばり)、運動器系(肩こり、腰痛、関節痛)、皮膚の症状(乾燥、かゆみ)、消化器系(のどの違和感、おなかが張る、便秘)、循環器系(どうき、息切れ)、物忘れが多い、太りやすいなどがあげられます。

日本人の女性に発現頻度が高いとされるのが、1位「肩こり」2位「疲労感」3位「頭痛」、ついで「のぼせ」「腰痛」という報告があります。更年期症状は1つとは限らず十人十色です。

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そもそも、イライラしやすいのはなぜ?

通常、脳にある視床下部がホルモンの血中濃度情報を感知して、同じ脳内にある脳下垂体へFSH(性腺刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)を出すように促します。そして、その指令を受けた脳下垂体が今度は卵巣にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)を出すように促し、卵巣がその指令を受けて女性ホルモンを分泌します。

しかし、更年期に入ると卵巣の老化により脳から指令が出されてもうまく女性ホルモンを分泌することができなくなります。そのため、ホルモンバランスが崩れ体に不調を感じるようになります。卵巣は最後まで働き続ける心臓などとは違い臓器の中で最も短命です。そして、脳と連携して女性ホルモンを分泌しているため、そこが乱れるとさまざまな症状が出てくるのです。

更年期にイライラしやすくなる第一の原因は女性ホルモンが減少するためですが、もともと50歳前後は、子どもの思春期や巣立ち、親の介護など環境的なストレスに影響を受けることが多い時期でもあります。

女性ホルモン「エストロゲン」とその上手な付き合い方

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イライラするときのセルフ対処法

不快な更年期症状が続くと、憂うつでいつまで続くのか不安になる人もいるかもしれませんが、更年期には必ず出口があります。更年期症状は女性ホルモンの低下だけでなく環境ストレスや加齢など、さまざまな原因で起こり、責任感が強い人ほど体の不調を軽減するのが難しくなります。

更年期はこれまでの生活習慣を見直す絶好のタイミングと捉え自分をメンテナンスしましょう。バランスの良い食事や自分がリラックスできるような運動習慣を取り入れることで、イライラした気分を軽減する効果が期待できるので、まず、下記の方法を試してみましょう。

●“食事バランスガイド“で食生活をチェック

更年期の女性は女性ホルモンの急激な減少により、エネルギー、脂質、骨の代謝などが変わります。これまでと同じように食事をしていても、栄養の過剰摂取、あるいは不足状態になりやすいため食生活に注意する必要があります。

主食(熱や力となる食品):副菜(体の調子を整える食品):主菜(血や肉となる食品)=3:2:1が理想の食事バランスです。厚生労働省の“食事バランスガイド”を参考に、食生活をチェックしてみましょう。

●補助食品としてサプリメントを活用

女性ホルモンと似た働きをするのが大豆に含まれる大豆イソフラボンです。更年期症状を緩和する効果が期待できると言われているので、大豆製品を積極的に食べるのもおすすめです。

近年の研究で、この大豆イソフラボンが体内でエストロゲンに似た働きをする「エクオール」に変換され、更年期症状を緩和する効果があるという報告があります。

食事だけでは摂取するのが難しい場合は、サプリメントを活用する方法も。

サプリメントにはいろいろな種類があり手軽に購入できるので、試してみるのも良いですね。ただし、サプリメントは補助食品なので頼りすぎないように注意しながら、うまく食生活のなかに取り入れていきましょう。

●運動やアロマテラピーで心身をリラックス

自分が楽しみながら続けられる運動を見つけて実践しましょう。ストレッチやヨガ、ウォーキングなど自分に合ったもので、少し体に負荷がかかる内容を取り入れることで骨や筋肉を鍛えることも。また、好きな香りを選んで楽しむアロマテラピーもおすすめです。イライラした気分を軽減する効果が期待できます。

セルフ対処法はおすすめですが、喫煙する人は禁煙を心がけることが必要です。喫煙はエスロゲンを減少させる作用があるので閉経や骨粗しょう症が早まります。

また、善玉コレステロールを下げて悪玉コレステロールを高めたり、皮膚の老化を進めたりすることも。さらに認知症のリスクも高くなるなど、体に多くの悪影響を及ぼすことが確認されているので、生活スタイルを見直すタイミングで禁煙にトライしてください。

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セルフ対処法でも改善しないときは婦人科へ

「セルフ対処法を続けても症状が改善しない場合は、我慢しないで婦人科や女性内科を受診してください。他の病気の有無を確認したうえで、更年期障害かどうかを判断します。のぼせや発汗には甲状腺の病気が、首や肩の痛みには脊髄の病気が隠れていることもあります。自己判断で更年期障害だと決めつけるのはよくありません。

更年期障害はさまざまな症状を同時に引き起こすので、婦人科だけでなく他の科と連携して診療していくこともあります。そのなかで、気軽に悩みを打ち明けられる相談役となるドクターを見つけられるといいですね。一人で悩みを抱えずに周りに協力を求めながら、たまには家族や友人に甘えてみるのもひとつの方法です」(佐藤先生)。

※出典:厚生労働省「食事バランスガイド」について

更年期にイライラしやすくなる第一の原因は、卵巣の老化により女性ホルモンの分泌が減少するためですが、50歳前後は親の介護など環境的なストレスに影響を受けることが多い時期でもあります。更年期はこれまでの生活習慣を見直す絶好のタイミングと捉え自分をメンテナンスしましょう。

更年期症状のセルフ対処法として、“食事バランスガイド“で食生活をチェックして、栄養バランスの良い食生活に改善を。また、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンを含む大豆製品を積極的に食べましょう。

もし、栄養素が食事だけでは足りない場合はサプリメントをうまく活用しても良いでしょう。ストレッチやウォーキング、アロマテラピーなどで自分が心身リラックスできる方法を見つけて毎日実践してみましょう。

セルフ対処法を続けても更年期症状が軽減できない場合は、我慢しないで必ず婦人科を受診して適切な治療を受けましょう。更年期に不快な症状があるときは、一人で悩みを抱えずにつらい本音を聞いてもらえる相談相手を見つけ、周りに協力を求めましょう。

取材・文/高橋晴美

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取材・監修者プロフィール
佐藤歩美
NTT東日本 関東病院(東京都品川区)産婦人科医
日本周産期・新生児医学会周産期専門医。2008年横浜市立大学医学部卒業。愛育病院に勤務。その後、2016年4月よりNTT東日本関東病院 産婦人科医として着任。妊婦をはじめ更年期女性の診察にも対応。患者さんが悩みを打ち明けやすい雰囲気づくりを心がけている。
NTT東日本関東病院

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