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【医師監修】もしかして閉経…?閉経前のサインとは?

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更年期を迎え長い年月、同じようなサイクルで訪れていた月経が不規則になっていても「まだ、閉経する年齢ではないから」と、閉経のサインを見過ごしている女性は意外と多いようです。閉経と更年期症状には深い関わりがあると言われています。閉経前の兆候や更年期のセルフケアについてNTT東日本関東病院の産婦人科・佐藤歩美先生に詳しくお話を伺いました。更年期のデリケートな悩みも予防できる簡単な筋力トレーニングも紹介します。

目次

そもそも閉経とは?

女性のからだは約1カ月に1回、卵巣から卵子を排出(排卵)します。それに合わせて子宮内膜を厚くして受精卵を受け入れる準備をします。その後、受精卵が子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。ところが、妊娠しなかった場合は準備した子宮内膜は必要なくなるため、はがれて体外に排出されます。これが月経です。

排卵と月経のサイクルには2種類の女性ホルモンが大きく関わっています。月経が終わってから排卵までは卵胞ホルモンである「エストロゲン」が多く分泌され、排卵後から月経までは黄体ホルモンである「プロゲステロン」の分泌が多くなります。

このように月経は、正常な場合25~38日周期で訪れます。しかし、加齢により卵巣機能が低下すると、ケースはさまざまですがほぼ毎月のようにきていた月経の周期が乱れるなどが続いた後、やがて永久に停止します。これを「閉経」と言います。閉経はだいたい50歳前後に訪れることが多く、日本人女性の平均年齢は52.1歳という結果もあります。

ただし、子宮や卵巣の働き、結婚歴や妊娠歴、出産回数など、いろいろな要素が複雑に関係するため閉経の年齢には個人差があります。早い人では40歳代前半、遅い人では50歳代後半に閉経を迎えます。

月経が停止した時点では閉経を診断することは難しいため、最後の月経から1年間(12カ月間)以上、無月経だったときに1年前を振り返り閉経と判定します。子宮摘出後などのように月経により判断できない場合には、ホルモン変化を考慮し数値を確認して診断します。

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閉経のサインの見分け方

いつの間にか月経不順になって気づくと数カ月きていないなど、閉経のサインは見逃しがちです。閉経がいつ来るのか、それは誰にもわかりません。また、閉経に至る経過はさまざまです。閉経のサインにはどのようなものがあるのでしょうか?

●月経の量が変わる

減る場合、増える場合といろいろです。以前と比べて、月経の終わりの時期のように少量で終わる人もいれば、ナプキンからもれるほどの量が出たという人もいます。量が多いケースの中には子宮筋腫や子宮体がんの可能性もあるので、出血の量が多い状態が続く場合は婦人科を受診してください。

●月経不順や無月経になる

25~38日周期で毎月訪れていた月経が、いつもより早く訪れるようになる。また、月経が終わって1週間しかたっていないのに、突然、月経が始まった。それとは反対に、月経が2カ月に1回、3カ月に1回と遅れはじめ、やがて半年に1回になり、その後パッタリこなくなった。あるいは、月経期間が短い時期が1~2年続いた後、今度は月経周期が長くなってから閉経を迎えたという人もいます。

「閉経をはさんだ前後5年の約10年間を『更年期』と言います。一般的な更年期のはじまりとされる45歳頃になったら、順調に月経がきている人でも、開始日と終了日、量などをメモしておくといいですね。“月経メモ”を残しておけば自分の月経状態を把握できます。また、婦人科を受診する際、医師に正確な情報を伝えられます」(佐藤先生)。

閉経前と閉経期の体の変化とは?

更年期を判断する基準となるものの一つが、女性ホルモン“エストロゲン”の分泌量です。10代の思春期に分泌が始まり、月経を迎えて分泌量は増加します。高校生ぐらいになるとほぼ安定し、もっとも活発になるのは20~30代前半です。卵巣機能もこの時期にピークを迎えます。

そして、35歳を境に女性ホルモンの分泌量はゆっくりと低下し、同時に卵巣機能も低下していきます。やがて、40代に入ると一気に落ち込みます。そして、閉経前後の更年期にはかなり少ない状態になります。

閉経前後に起こる症状は?

閉経前後の更年期には、“不定愁訴(ふていしょうそ)”と呼ばれる、はっきりとした原因は特定できないけれど、さまざまな自覚症状があり体調不良に悩まされるといったことが起こるようになります。

その症状はひとつとは限りません。“のぼせ・ほてり・発汗”は同時に起こることが多く、さらに、その後、急に手足の冷えを訴える人もいます。それ以外にも、頭痛やめまいなどの身体的な症状。さらに、イライラしたり落ち込んだりする精神的な症状が重なって起こることが多いのが特徴です。

さまざまな症状が起こる最大の原因は、女性ホルモンの分泌量が低下することにあります。エストロゲンは、脳や心臓、血管、骨、筋肉、皮膚など全身に作用している物質なので、分泌量が低下することで全身への影響が出てきます。 

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運動やアロマを取り入れてセルフケアを

更年期の不調に効果が高いといわれているのが「運動」と「アロマテラピー」などのリラックスです。

【インナーマッスルを鍛える「膣トレ」】
運動は近年さまざまな不調の改善や予防に効果があることが報告されており、更年期の不調にも効果的と考えられています。運動はウォーキングなどの有酸素運動のほか、体の柔軟性を維持するためのストレッチや筋力を保つための筋力トレーニング(以下、筋トレ)などを組み合わせるのがおすすめです。

「特に筋トレで体の深いところに位置する筋肉“インナーマッスル”を鍛えることで、筋力の衰えを防ぐだけでなく、更年期の女性に多い疾患の予防にもなります。更年期、あるいは更年期以降の女性に多い症状の一つが「尿もれ」や「頻尿」です。

これは、子宮や膀胱(ぼうこう)、直腸を支える骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)の筋力が、出産や加齢、運動不足などによって衰え膣が緩むことが原因で起こります。悪化すると、子宮が膣から出てしまう「子宮脱」という疾患を引き起こす場合もあります。子宮脱になると、おりものの量が増えたり子宮の一部が下着にこすれて出血したり、おしっこがうまく出せない排尿障害が出たりするので注意が必要です」(佐藤先生)。

子宮脱を予防するのに効果が期待されるのが“膣トレ”と言われる膣を締めるトレーニング。膣の下部には骨盤底筋という筋肉がありますが、これを引き上げる動作が“膣を締める”ことになり、同時に複数のインナーマッスルを鍛えられます。筋トレというとつらいイメージがあるかもしれませんが、膣を締めるだけという簡単なもので座ったままでもできます。

  • 1.いすに腰かけ足を肩幅に開く
  • 2.ゆっくりと鼻から息を吸いながら膣を引き上げるようなイメージで肛門を締めて息を止め、そのまま5秒間キープ
  • 3.息を吐きながらゆっくりと、5秒かけて膣をゆるめていく

1~3を毎日、3分間行うといいでしょう。

【好きな香りでリラックス効果を高めるアロマテラピー】
アロマテラピーは鼻から香を吸い込むだけで、精油成分が脳に直接働きかけて、緊張をほぐしたり気分を落ち着かせたりする効果があります。芳香として使う以外にも精油を使ったマッサージは、皮膚から直接、精油の有効成分を浸透させることで、より効果を高めると言われています。

「閉経前後におすすめの精油は、ホルモンバランスを整える“ゼラニウム”、鎮静作用のある“ネロリ”、乾燥した肌や老化した肌への効能が高く、平常心へ導くとされる“フランキンセンス”などがあります。なかには逆効果となる精油もあるので、精油でリラックス効果を最大限に引き出すには、アロマ専門店などでアドバイスを受けながら、毎日使うのが楽しくなるような自分の好きな香りを選ぶと良いでしょう」(佐藤先生)。

「閉経は自分の体と向き合う絶好の機会です。高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣や骨密度の低下が顕在化しやすい時期です。積極的に健康診断や人間ドックの受診を勧めます。また、骨密度の検査を受けて早い時期から骨粗しょう症に備えておくことで骨折を予防できます。

更年期症状があっても日常生活に支障がなければ、そのまま今まで通りに過ごせば良いのですが、不調があり悩んでいる場合は、治療によって改善を期待できることもあるので、産婦人科や女性内科を受診して欲しいです」(佐藤先生)。

取材・文/高橋晴美

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取材・監修者プロフィール
佐藤歩美
NTT東日本 関東病院(東京都品川区)産婦人科医
日本周産期・新生児医学会周産期専門医。2008年横浜市立大学医学部卒業。愛育病院に勤務。その後、2016年4月よりNTT東日本関東病院 産婦人科医として着任。妊婦をはじめ更年期女性の診察にも対応。患者さんが悩みを打ち明けやすい雰囲気づくりを心がけている。
NTT東日本関東病院

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