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更年期でもイライラしたくない。今すぐ心を落ち着かせる方法は?

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更年期症状で多くの女性が抱える症状のひとつが、「すぐにイライラして怒りっぽくなってしまった」という悩み。自分の感情をうまくコントロールできないのは、更年期だから仕方がないことなのでしょうか。そんな悩みに効果的な、心を落ち着かせる方法をNTT東日本関東病院・産婦人科の佐藤歩美先生に伺いました。今すぐにできる簡単な「呼吸法」で、イライラした気分を軽減できるかもしれません。

目次

更年期に心が落ち着かなくなる原因

更年期の女性は、大きな責任を背負いながら仕事をし、同時に家事もこなしているという人が多いと思います。また、たとえ専業主婦であったとしても家族のために働き、両親の介護などで常に時間に追われ、なかなか自分の時間が持てないという人がほとんどではないでしょうか。さらに、子どもが自立して家を出るタイミングであるなど、生活環境が大きく変化する時期でもあります。

このように、更年期の女性を取り巻く環境はストレスを感じやすい状況にある人が多く、それに加え、閉経前から女性ホルモンが減少しはじめ、閉経後は一気に減るため卵巣と脳の連携プレーが乱れることによりさまざまな不調が生じます。

ホルモンと自律神経の中枢は同じ視床下部にあるので、この連携プレーが乱れると自律神経にも影響が及び、発汗やのぼせといった症状をはじめ、不安感が強くなったり、ささいなことでイライラしたりと、心が落ち着かなくなる症状があらわれるようになります。これが、更年期症状です。

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心を落ち着かせるカギは“副交感神経”にあり

神経系は大きく分けて「中枢神経」と「末梢(まっしょう)神経」に分類されます。自律神経は末梢神経のひとつで、さらに自律神経は「交感神経」と「副交感神経」に分かれています。「交感神経」は昼の神経と呼ばれ、心身を活動的に動かし、仕事をしたり物事を成し遂げたりするのに必要な緊張を生み出す“ONモード”の状態にします。

一方「副交感神経」は夜の神経と呼ばれ、活動した体を休ませ、栄養を取り入れるのに役立つ“OFFモード”にします。自律神経はこの2つの機能を調整しながら、内臓や血管などをコントロールし体内を調整しています。

しかし、ここにストレスという負荷がかかると、ONとOFFのバランスがうまくいかず、体は常にONモードである交感神経が優位な状態になってイライラしてしまうのです。自律神経系は生命維持に大切な働きを担っているため、自分の意思だけではコントロールが難しく、何らかの刺激を与えて副交感神経を意識的に優位な状態にもっていく必要があります。

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イライラを軽減する有効な呼吸法とは?

副交感神経を優位に導くのに効果的と言われているものの一つが「呼吸法」です。現代人はストレスによる精神的な緊張に加え、スマホやパソコンを使うときに前かがみの姿勢になりやすく、呼吸も浅く速くなっている人が多いと言います。

呼吸は普段からできるだけ口ではなく鼻ですることがおすすめです。鼻には空気清浄器のような役割があり、鼻呼吸をすることで異物はせき止められ、吸い込んだ空気が温められます。

イライラした気分を軽減し心を落ち着かせるのに効果的な方法としておすすめなのが、呼吸を深くゆっくりと行う「腹式呼吸」です。息を吸って体を膨らませる“緊張”と、吐くという“弛緩(しかん)”を繰り返すことで交感神経と副交感神経のバランスを整えます。

  • ① 顔は正面を向き姿勢を正していすに座ります
  • ② はじめに、口から大きく息を吸い込み口から息を吐きます。次に鼻から息を吸えるところまで吸い込み限界まで吸った後、鼻からゆっくりと吐き出します。これを2~3回繰り返します
  • ③ ゆっくりと鼻から吸って鼻から吐く自然な呼吸を数回繰り返します。このとき、鎖骨の下に左右の手のひらを当て、息を鼻から吸って鼻からゆっくりと吐く呼吸を数回繰り返します。胸や肺が上下するのを感じましょう
  • ④ 下腹部に左右の手のひらを当て、息を鼻から吸って鼻からゆっくりと吐く呼吸を数回繰り返します。下腹部が上下するのを感じましょう

腹式呼吸を活用したヨガもリラックス効果を高めると言われています。ゆっくりとした動作で無理のない範囲で行い、毎日の生活に取り入れてみると良いでしょう。

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不眠を解消して心を落ち着かせる

更年期症状としてホットフラッシュと同じように多いのが“不眠”の悩みです。「体は疲れていても頭がさえて眠れない」「ようやく寝ついても、すぐに目が覚めてしまう」「眠りが浅く朝起きても体がだるい」など不眠の症状はさまざまですが、このような状態が続くとイライラも起こしやすくなり気分も落ち込みます。不眠対策に有効とされるのが、以下の方法です。

●朝、目が覚めたら太陽の光を浴びる

太陽の光を浴びると体内時計がリセットされ、夜、自然に眠くなるように睡眠リズムが整います。目が覚めたら、まず、カーテンを開けて太陽の光を十分に浴びましょう。

●お風呂はぬるめのお湯につかる

40℃以上の熱いお湯につかると交感神経が刺激され目がさえてしまいます。湯船につかるときは38℃ぐらいのぬるめのお湯に10~15分つかりましょう。また、入浴のタイミングは就寝2時間前がベストと言われています。時間をかけてゆるやかに深部温度が下がると、同時に自然な眠りにつきやすくなります。

●夕飯は遅くても就寝3時間前に済ませる

寝る直前に食事をすると、就寝中に本来、休むはずの消化器官が働き続けることになります。さらに、消化活動にともない膵臓や腎臓なども働き続けることになり疲労を回復できません。夕食はできるだけ就寝3時間前に食べ終わるように心がけてください。

●夕方以降、カフェインは控える

カフェインには覚醒作用があります。コーヒーや紅茶の他、緑茶やウーロン茶などにもカフェインが含まれています。寝る直前だけでなく夕方以降は、カフェインが含まれていないハーブティーなどがおすすめです。

●寝る前に過度な運動はしない

過度な運動をすると交感神経の働きが活発になり心拍数が上昇します。就寝前に体を動かすときは、ゆっくりとした動きのヨガなどを短時間行うと良いでしょう。

●スマホやパソコン、テレビは就寝の1時間前まで

スマホやパソコン、テレビなどの液晶画面が発するブルーライトには覚醒作用があるので交感神経を刺激します。スマホやパソコン、テレビの使用は、就寝1時間前までにとどめるように心がけることが大切です。

●昼寝をする場合は20~30分以内に

昼寝をする場合は20~30分であれば一時的に脳を休ませる効果もあるのでおすすめですが、それ以上の時間は夜の睡眠に悪影響を与えるので気をつけましょう。

●“眠れない”ことを気にし過ぎない

眠れないときは、眠ろうとすればするほど返って目がさえてしまうものです。眠れないと不安を感じたりイライラしたりして神経が高ぶり、余計に眠れなくなるという悪循環を引き起こします。

横になっても眠れないときは、まず寝室から別の部屋に移動しましょう。そして、いつも読まないような難しい本を読んでみてはいかがでしょう。たとえそれで眠れなくても1冊本を読んだという満足感が得られると思います。

上記の不眠対策を実践することで、寝不足や睡眠の質を高める効果が期待できます。試してみてはいかがでしょう。

更年期の女性は、家庭や仕事などでストレスを抱えやすい環境にあることが多く、さらにそこに、女性ホルモンが激減するという体内の大きな変化が加わることで、心を落ち着かせることが困難になります。また、更年期症状を悪化させる要因には性格も関係すると言います。

「真面目で何事もパーフェクトを目指す頑張り屋さんであったり、嫌でも頼まれると断れない性格だったりすると、無理を重ねることでより多くのストレスが加わります。何でも一人で頑張りすぎないように自分に言い聞かせ、休息時間をとってストレスを減らすようにしましょう」(佐藤先生)。

「心が落ち着かないと感じたときは、意識的に深く・ゆっくり“腹式呼吸”や“ヨガ”などで心身をリラックスさせて、副交感神経を優位な状態へ導きましょう。また、睡眠時間が不足していると、イライラした気分を引き起こしやすくなります。十分な睡眠時間と深い眠りが得られるように、不眠対策を実践して“睡眠の質”を高めることが重要です」(佐藤先生)。

取材・文/高橋晴美

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取材・監修者プロフィール
佐藤歩美
NTT東日本 関東病院(東京都品川区)産婦人科医
日本周産期・新生児医学会周産期専門医。2008年横浜市立大学医学部卒業。愛育病院に勤務。その後、2016年4月よりNTT東日本関東病院 産婦人科医として着任。妊婦をはじめ更年期女性の診察にも対応。患者さんが悩みを打ち明けやすい雰囲気づくりを心がけている。
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