キッコーマンニュートリケア・ジャパン株式会社

【専門家監修】良質な睡眠で女性ホルモン活性化!今日からできる快眠方法

suimin1

寝苦しくなるこの季節、ちゃんと寝ているはずなのにスッキリと目覚められない方も多いのでは? 「暑いし、夏は不眠がちになるもの仕方ないわよね」と思いがちですが、実はそれ、更年期障害の症状かもしれません。

眠りの質が落ちると、日常生活に影響を及ぼしたり、うつ病といった病気につながってしまう可能性もあります。そこで、良質な睡眠をとるための秘訣を、睡眠の専門医である新橋スリープ・メンタルクリニックの佐藤幹院長にうかがいました。

目次

寝ても疲れが取れない…隠れ不眠かも?

毎日しっかりと寝ているのに、疲れがとれない、日中眠たくなってしまう……。これは睡眠の質が低下している症状のひとつです。では具体的に睡眠の質とはどういったものなのでしょうか?

「生理的には徐波睡眠(じょはすいみん)が多いことが良い睡眠とされています。しかし、徐波睡眠の量を主観的に知ることはできません。起床時に爽快感があり、日中のパフォーマンスが良ければ質の良い睡眠がとれたと考えてよいでしょう」(佐藤院長)

徐波睡眠とはいわゆる“ノンレム睡眠”と呼ばれる主に脳が休息している状態で、特にノンレム睡眠のステージ3,4を指します。脳だけでなく、眼球運動や自律神経も休息し、ぐっすり眠れている状態になります。この徐波睡眠、男性より女性の方が多いと言われています。つまり、女性の方がぐっすりと眠れるということです。しかし、実際にぐっすりと眠れている人は少ないというのが実情。

「3週間以上7時間寝ても、疲れが取れないようであれば、それは睡眠に何か問題を抱えている証拠です」と佐藤院長は言います。

毎日十分な睡眠時間をとっているのに、疲れが取れない。その原因として、睡眠時無呼吸症や周期性四肢運動障害、ムズムズ脚症候群といった睡眠障害が考えられます。また、日中に堪え難い眠気が襲ってくる場合は過眠症(ナルコプレシーなどに代表される)の可能性も。ナルコレプシーは主に思春期に発生しやすい症状だと言います。

自分が、睡眠不足なのか、または睡眠障害なのか、まずは7時間の睡眠を3週間続けてみてください。それで体調が戻れば慢性的な睡眠不足と考えて良いでしょう。それでも体調が優れない、または眠気が改善せず生活に支障をきたすようであれば、医師に相談しましょう。

【医師監修】更年期の眠さを解消する対策とは?
【医師監修】更年期はいつから始まるの?その症状って?

suimin2

睡眠と女性ホルモンの関係

日本人の睡眠時間は世界的にみても短く(※1)、そのなかでも40〜50代の日本人女性が最も睡眠時間が短い(※2)というデータがあります。この年代の女性は子育てに家事、仕事など、いろんな労働を担っているから。日本人女性は慢性的に睡眠不足状態といっても過言ではないのです。

そしてこの年代の女性は女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減ることで起こる、更年期とちょうど重なります。更年期と睡眠にはどんな関係があるのでしょうか?

「更年期と睡眠の関係全てを明確に解明できてはいません」と佐藤院長。

女性ホルモンは極めて複雑で研究が難しい分野なんだとか。ただ、月経前に眠気が強くなると実感する人が多いなど、女性ホルモンが睡眠に影響していることは確か。しかし、どんな女性ホルモンがどの組織にどう作用しているか、その全ては解明できていないんだそうです。

一方で「女性ホルモンが減ることで頚部の筋力が低下したり、太りやすくなります。この変化が原因で閉経前後に睡眠時無呼吸症になる可能性もあります」と佐藤院長は指摘します。

更年期はうつ症状も発症しやすく、そうなると寝つきが悪くなったり、中途覚醒が増えたりする場合もあります。その場合は一度、婦人科の医師に相談することをおすすめします。

※1:OECDによる日本に関する調査結果
※2:平成29年国民健康・栄養調査結果

suimin3

快眠のためにできることとは?

睡眠に問題を抱えがちな40〜50代の日本人女性。薬などに頼らず、日常生活のなかでできる快眠方法はあるのでしょうか?

「まずは睡眠衛生を整えましょう!つまり、ぐっすりと眠れる環境を作り、生活習慣を正すことが大切なんです」と佐藤院長は教えてくれました。

世にはさまざまな快眠方法や快眠グッズが紹介されていますが、睡眠を促す生活習慣を身につけることがとても重要。睡眠衛生を整え、睡眠時間を確保しても翌朝の疲労が改善されない、日中の作業効率が良くならない場合には、睡眠障害があるのかもしれません。

以下は厚生労働省が紹介している健康づくりのための睡眠12箇条(※3)。

  • 1:よい睡眠で、からだもこころも健康に。
  • 2:適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
  • 3:良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
  • 4:睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
  • 5:年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
  • 6:良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
  • 7:若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
  • 8:勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
  • 9:熟年世代は朝晩メリハリ、昼に適度な運動で良い睡眠。
  • 10:眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
  • 11:いつもと違う睡眠が続く場合には、要注意。
  • 12:眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

これを全て徹底することは難しいかもしれませんが、意識して生活するようにすれば、睡眠の質がアップするはずです!

※3:健康づくりのための睡眠指針2014

suimin4

よりよく眠るためのセルフケア

ぐっすり睡眠をとり疲れをリセットするために、具体的にどんなことを行えばいいのでしょうか? 佐藤院長に快眠のポイントを教えてもらいました。

・眠る1時間半〜2時間前までに入浴する。

深部体温(脳、内臓の体温)が低くなった時に眠気が訪れます。入浴により高くなった深部体温が低下するのは、入浴終了後1時間半〜2時間してから。入浴で一度深部体温を高めてから、低くなったタイミングで眠りにつくとぐっすり眠ることができます。深部体温の高低差が大きいほど、徐波睡眠が出やすいと言われています。

ただし、体温の上げすぎは入眠を妨げてしまうので、40度程度の湯温で入浴すると良いでしょう。ちなみに、シャワーだけでは深部体温が上がりにくいため、できるだけバスタブに入るようにしましょう。

・リラックスする

興奮した状態だと寝つきが悪くなってしまいます。寝る前にスマートフォンを見たり、どきどきわくわくする本を読んだりすると興奮状態になってしまいます。寝る前は明かりをトーンダウンした部屋でゆっくり過ごすといいでしょう。

快眠のためのハーブティーなどもありますが、ハーブが直接快眠に作用するというエビデンスはないそう。ただ、ハーブティーでリラックスするのであれば、気持ちを落ち着かせるという意味で効果的だそうです。

・毎朝一定の時間に起きる

体内時計は、朝目覚めて日光を浴びるとリセットされます。また起床後、太陽の光を浴びた16時間後に眠気が訪れることもわかっています。

起きる時間がバラバラだと体内時計も狂ってしまい、睡眠時間が不規則になってしまい、睡眠の質も低下してしまいます。寝るタイミングも重要ですが、佐藤院長は「起きる時間を一定にすることが大切」だと言います。

・休日、寝坊しすぎない

休日くらいは朝寝坊したいもの。しかし、大幅な朝寝坊は体内時計のリズムを崩してしまい逆効果。これを“社会的ジェットラグ”といい、時差ボケのような状態に陥ってしまうことがあります。

休日朝寝坊するなら平日より起床時間を1時間程度遅らせる程度にしましょう。起床後には、太陽の光を浴びることが大切です。また、寝不足を休日に補足する場合には11〜14時の間に1時間程度の昼寝をすると効果的だそうです。

「休日たっぷり寝ることである程度は寝不足を補うことはできますが、睡眠の前借りと貯蓄はできません」と佐藤院長。日常的に整ったリズムの睡眠を心がけることが大切。

真夜中でも日中と同じ環境で生活ができる日本で暮らす私たちには、意識して睡眠時間を整えることが必要なのです。

人生の1/3は睡眠時間と言われています。それなのに日本人は睡眠時間をおろそかにしがち。

“眠り”を侮り、睡眠時間を削ってしまうと、イキイキとした日常を過ごせなくなるだけでなくうつ病、糖尿病、がんといった病気の原因になることもあります。 特に更年期に差し掛かった女性は、ホルモンの減少で体だけでなく精神的にも不調を感じ睡眠の質が落ちやすくなるため、睡眠時間や睡眠衛生に注意が必要です。

佐藤院長に教えていただいた快眠方法は、道具を用意したりする必要もなく、今から始められるものばかり。今一度、ご自身の健康と睡眠時間を振り返り、健やかな生活を送れるよう質の良い睡眠を心がけましょう!

取材・文/小野

取材・監修者プロフィール
佐藤 幹
新橋スリープ・メンタルクリニック院長
東京慈恵会医科大学卒業。同大学付属病院精神科外来勤務。大学病院勤務中より、睡眠学を専門とし、 過眠症、時差ボケなどさまざまな睡眠障害の研究を行う。特に不眠症に関しては、認知行動療法を取り入れた治療法を研究。平成22年に新橋スリープ・メンタルクリニックを開設。睡眠に悩んでいる多くの患者さんの診療を行なっている。

キッコーマンニュートリケア・ジャパン株式会社
suimin1

この記事が気に入ったら
いいね!しよう