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【医師監修】夏の冷え性と女性ホルモンの関係とは? 冷え性の種類と改善法

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例年猛暑日がつづく日本の夏。熱中症や夏バテが心配になりますが、その一方で“冷え”を感じている方もいるのでは? 最近は空調技術も向上し、室内で快適に過ごせるからこそ、外気とのギャップで「寒い」と感じてしまうこともあります。

一年中女性を悩ませる“冷え性”の原因、そして女性ホルモンとの関係についてTVなどのメディアでも活躍するイシハラクリニック副院長の石原新菜先生にお話を伺いました。

目次

夏の冷え性の症状とは?

多くの女性が慢性的に悩まされている“冷え性”について教えてくれるのは、冷え性に悩む多くの患者さんの診療を行っている石原新菜先生。日本東洋医学会会員でもあり、漢方を使った東洋医学と、西洋医学の両方の側面からアプローチしてくれる“冷え”のスペシャリストです。

暑い真夏でも冷えを感じるのは、どんな原因があるのでしょうか?

「昔は本当に暑くて体調を崩してしまうことを“夏バテ”と言っていましたが、現代は冷房による冷えからくる体調不良がほとんどです」(石原先生)

冷房が効いた部屋でオフィスワークなど長時間座ったままで作業をしていると、まず体の表面が冷え、次に血液が冷えてしまいます。冷たい血液が体内を巡ると、今度は内臓が冷えてしまい機能が低下してしまうのです。

「夏になると生理痛に悩む女性の患者さんが増えるんです」と石原先生。秋冬は冷えの対策をしっかり行っている人でも、夏になるとおろそかになり、女性特有の臓器まで冷えてしまい、不調を感じるのです。

とはいえ、昨今の猛暑では冷房をいれないことで熱中症になる可能性もあります。なので、冷房を入れつつ、ブランケットで足元を温めたり、寒いと感じたらカーディガンを一枚羽織る、温かい飲み物を飲むなど、ちょっとした工夫を取り入れることが大切なんだとか。

また、夜間の睡眠時も冷房は必要ですが、一方で冷え対策も重要。長袖長ズボンのパジャマを着てちゃんと毛布(タオルケット一枚はNG!)をかけて寝ることで、寝冷えを防ぐことができます。質の良い睡眠は冷え性対策にも非常に有効なんです。

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女性ホルモンと冷えの関係

ところで、年齢を重ねると共に冷えを強く感じるという方も多いのではないでしょうか? 石原先生によると、東洋医学では40歳を超えると“腎虚”という症状になりやすいんだそうです。これは“腎”と呼ばれる泌尿器・生殖器・腎臓の機能が低下している状態。この状態になると代謝が落ち、冷え性になりやすいのです。

また、体内の循環が滞った状態の“むくみ”は女性ホルモンが影響することも。更年期の女性ホルモンの急激な現象よって女性ホルモンのバランスが崩れてしまうと、自律神経がうまく機能しなくなり、血流が悪化、そのためにむくみが発生してしまいます。このむくみが冷えの原因になります。

「東洋医学には“昇症”という考え方があります。これは血流が上半身に集中している状態で、のぼせやほてり、動悸などの症状が出て、イライラしたりうつ状態に陥ったりします。健康や睡眠によいとされている“頭寒足熱”の真逆の状態と言えます」(石原先生)

これはまさに更年期の症状。女性ホルモンが直接冷えに影響を与えるわけではありませんが、間接的に冷えの原因になっていることは間違いないようです。更年期に差し掛かったら、ホットフラッシュの対策と同時に体が冷えないような対策を行いましょう。

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冷え性セルフチェック

一言に“冷え性”と言っても、実は冷えのタイプはさまざま。以下のチェックリストでどのタイプの冷え性かチェックしてみましょう。

<末端冷え>

  • □手足が氷のように冷たく、しもやけになることもある
  • □足先が冷えてなかなか寝付けない
  • □手足が冷えるわりに、体温は36~36.5度前後ある
  • □1回の月経量は多いほうで、生理通や生理不順がある
  • □顔面は青白く、ニキビなどの肌荒れがある
  • □どちらかというと痩せている
  • □ときどき立ちくらみがある
  • □運動はあまり好きではない
  • □冷房は苦手
  • □入浴はシャワーだけ

対処法
若い女性に多い症状。湯船につかったり、温かい食事を摂って、体を冷さないようにしましょう

<下半身冷え>

  • □下半身は冷えているのに、上半身はほてっている
  • □突然、顔や背中から大量の汗が出る
  • □お腹が張って便秘しがち
  • □体温は36度台
  • □イライラして眠れない
  • □口が渇くと、つい冷たい飲み物を飲んでしまう
  • □上半身がほてるので、冷房をつけたくなる
  • □まだ閉経していない
  • □上半身に比べて下半身が細い
  • □ニキビなどの肌荒れのほか、クマが目立つ

対処法
更年期に多い症状。下半身の筋肉不足が原因なので、下半身の筋力を鍛えましょう。

<内臓冷え>

  • □手足がほてって眠れない
  • □疲れやすく、風邪をひきやすい
  • □冷えの自覚症状はないのに、35度台の低体温
  • □皮膚がかゆい
  • □冷房が好きで、冷たい飲み物を飲んでしまう
  • □比較的薄着
  • □胃痛や、下痢・便秘を繰り返してしまう
  • □膀胱炎にかかりやすい
  • □極端なダイエットをしたことがある、または現在もやっている
  • □熱くて湯船に入らない

対処法
食事の内容を見直して、体を温める食べ物を積極的に摂りましょう。

<全身冷え>

  • □一年中寒くて仕方がない
  • □夜間頻尿で熟睡できない
  • □疲れやすく、だるい
  • □冷房が苦手で、暑くても冷たい飲み物は飲みたくない
  • □体温は35度台前半~35度以下
  • □肌が青白く、乾燥肌で髪の毛がパサついている
  • □ほっそりした体型で、体力がない
  • □貧血、もしくは低血圧
  • □食欲がなく、すぐ下痢になる
  • □運動は苦手で、続かない

対処法
もっとも重症な状態。腹巻き、食事、温浴、筋トレなど全ての冷え対策を行いましょう。

あなたは、どの冷えタイプでしたか? 多くの人が2~3つのタイプを併せ持つため、どのタイプとは言い切れないかもしれませんが、自分の体をよく観察してみてください。冷えを改善する糸口がきっと見つかるはずです。

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冷え性を改善するセルフケア

自分の冷えのタイプを理解したところで、具体的にどんな対策をとればいいのでしょうか? その内容を詳しく教えていただきました。

・下半身の筋力を鍛える!

男性は女性に比べて冷え性になりにくいです。それは女性より筋肉があるから。特に下半身の筋肉は体のなかでも大きいので、重点的に鍛えると冷え性も改善します。
「1日にスクワットを30回するだけでも効果的です。上下運動1回2秒だとして、たった60秒で終わりますよ」(石原先生)
ほかには、壁を床に見立てた“壁腕立て”や、買い物袋を両手に持って歩く“買い物ダンベル”など、日常生活のなかのちょっとした工夫で行える筋トレがあります。

・湯船につかる!

シャワーで済ませるのではなく、ちゃんと湯船につかることで冷えが解消します。40度のお湯に15分程、じんわりと汗ばむ程度入浴すると効果的です。

「そんなに長時間は入れない!」という方には、石原先生考案の“333入浴法”がオススメ。42度の高めのお湯に3分入って3分休憩、を3回繰り返す入浴法です。たった9分湯船に入るだけですが、血行がよくなり代謝がアップします。

・みそ汁、生姜を積極的に摂る

味噌は漢方の考え方で体を温めてくれる“陽性食品”です。同じく“陽性食品”である根菜類を入れたおみそ汁にすると代謝がアップして、冷えを改善してくれます。また生姜も冷え対策には効果的。チューブタイプも手軽ですが、石原先生がオススメするのが粉末タイプ。

「生姜は乾燥することで、ジンゲロールという成分がショウガオールに変化します。ショウガオールは血行を促進し、体を温める効果があります」(石原先生)

・腹巻きをする

真夏でも冷房が効いた室内にいるとお腹が冷えてしまいます。内蔵が集まっているお腹周りを冷さないためにも、一年を通して腹巻きを着けるといいでしょう。最近は薄手の腹巻きも販売されているので、着膨れせず身に着けることができますよ。

「腹巻きだけでなく、ひざかけも必須です。女性はバッグにひざかけを一枚入れておいて、寒いと感じたらすぐまとうようにしてください」(石原先生)

どれもちょっとした工夫で日常生活に取り入れやすい対策ばかり。ぜひ今日から始めてみてください。ちなみに、これらの対策をとっても、冷えによる不調が改善しない場合は内臓に疾患がある可能性もあります。その場合は医師に相談しましょう。

医師として、そして2人のお子さんを育てるお母さんとして、日々多忙な毎日を送っている石原先生ですが、とてもイキイキと輝いています。それはきっと冷え性にならないための対策を常に行っているから。

「冷え性になると、冷たい血液が内臓に届き臓器の機能が低下してしまいます。そうなると全身に不調を感じるようになるので、冷えを侮ってはいけません」と石原先生。“冷えは万病の元”と言いますが、年齢を重ねるごとに代謝は落ちてしまうので、運動や食事で冷えない体を作っていきましょう!

取材・文/小野

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取材・監修者プロフィール
石原 新菜
イシハラクリニック副院長・健康ソムリエ講師
帝京大学医学部卒業。同大学付属病院で2年間の研修医を経て、父・石原結實のクリニックにて漢方医学、自然療法、食事療法により、様々な病気の治療を行っている。そのほか、分かりやすい解説と親しみやすい人柄が人気を呼び、メディア出演や講演会、書籍執筆、健康ソムリエの講師としても活躍中。ベストセラーとなった『病気にならない蒸し生姜健康法』をはじめ、出版した書籍は海外でも人気。

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