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【専門家監修】トイレが近い悩みの対処法「骨盤底筋体操」をやってみよう

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「トイレが近い」「尿がもれそうになる」「トイレに行く回数が増えた」などといった症状は、更年期にさしかかる年代の女性によく見られます。そんなとき、「自宅で簡単にできる対処法が骨盤底筋体操です。気になる人は、ぜひやってみてください」と話すのは、女性医療クリニックLUNAネクストステージで、骨盤底筋体操の指導を行う理学療法士の笹岡愛加さんです。正しい方法を教わって、毎日の習慣にしましょう。

目次

「トイレが近い」に深く関わる骨盤底筋

年齢を重ねていくと、これまで感じたことのなかった不快な症状が現れることがあります。中でも、よく見られるのが頻尿です。

「頻尿」とは、
・トイレが近い
・トイレへ行く回数が多い
という症状です。

この頻尿に深くかかわっているのが骨盤底筋です。骨盤底筋とは、その名のとおり骨盤の底にあり、膀胱、子宮、直腸を支えている筋肉のこと。排泄をコントロールする重要な役割もあります。骨盤底筋は、便や尿を出したいと思ったときに緩み、排泄します。ところが、なんらかの理由で締める力が低下すると、頻尿や尿もれなどのトラブルを引き起こすことがあります。

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骨盤底筋の筋力が低下する主な理由

  • ・加齢により筋肉が衰えた
  • ・妊娠、出産によって骨盤底筋に大きな負荷がかかった
  • ・更年期にエストロゲンの分泌が低下し、コラーゲン線維も減少して筋肉に張りがなくなった

このほか、水分を多く摂り過ぎていることも原因のひとつに。最近は、美容のために1日に2リットル以上の水を飲むような人が珍しくありません。1日3回の食事でも水分は摂っているので、普段の飲水量は1~1.5リットルくらいで十分です。

また、太り過ぎにも注意しましょう。余分な脂肪がおなか周りにつくと、膀胱を圧迫して尿意を感じやすくなり、トイレが近くなります。「更年期は代謝が落ちてやせにくくなる時期。

太り過ぎが気になる、思ったようにやせないと思っている人は、3カ月で1㎏減らすくらいのゆるいスタンスでよいので、体重コントロールをしてください」と笹岡さんは注意を促します。

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あなたのトイレは正常? 頻尿の見分け方

一般的に正常と言われる排尿は、1回200~400㏄、1日の尿量は1500㏄くらいです。トイレへ行く回数は1日4~7回と言われており、朝起きてから寝るまでの排尿回数が8回以上の場合は「頻尿」です。また、夜寝てから朝起きるまでに、2回以上トイレへ行くことも「夜間頻尿」と言って注意が必要です。

骨盤底筋体操でトイレの悩みに対処しよう

頻尿の予防や改善でよく知られているのが、骨盤底筋体操です。笹岡さんに、ポイントを教えていただきました。

Point1 姿勢

代表的な姿勢を紹介します。楽にできる姿勢を選んでトライしてみましょう。初心者には、臓器の負担が骨盤底筋にかからない「あお向けに寝てひざを立てる」がおすすめです。

・あお向けに寝てひざを立てる
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・イスに座りながら
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・机に手をついて立ちながら
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Point2 具体的な方法

腟の「締める・緩める」運動を繰り返します。「腟を締める」のは具体的に、おしっこを途中で止めるときのように、腟をキュッと締めることです。

「腟ではなく肛門を締める人が多いのですが、大殿筋(おしりの筋肉)を強く動かしてしまいがちになり、骨盤底筋を効果的に動かせません。座って締めたときに上半身が上下している人は、腟ではなく大臀筋を締めているだけなので注意を。正しく骨盤底筋が動かせていると、身体が上下左右に揺れることはありません。肛門を締めることを意識してもかまいませんが、全身が力まないように気をつけてください」(笹岡さん)。

「骨盤底筋が締まっているのかわからない」という人は、イスに座り、丸めたフェイスタオル(ハンカチやティッシュでもOK)を腟の下に当て、タオルを腟の中にグーっと引き込むイメージで締めてみてください。

Point3 呼吸

自然な呼吸でかまいません。ただし、息を吐くと横隔膜が上がると同時に骨盤底筋も上がり、骨盤底筋の負荷を減らすことができます。そのため、息を吐きながら行うと、腟を締めやすくなります。

Point4 回数

腟を「締める・緩める」運動を、1日80~100回行うのが理想です。
初めは以下の要領で続け、慣れてきたら少しずつ回数を増やしましょう。

「締める・緩める」5回×5セット(休憩を入れながら)。
この5セットを1日3回行う。

Point5 いつ行う?

1日のうち、いつ行ってもかまいません。
・満員電車の中で立ちながら
・料理をしながら
・デスクワークをしながら
・寝る前にベッドへ横になったとき
など、無理なくできるタイミングを選んでください。

「骨盤底筋体操は毎日行うことが基本です。3カ月くらいすれば効果が実感できます」と笹岡さんは話します。

習慣化させたい「膀胱訓練」とは?

骨盤底筋体操のほか、「膀胱訓練も行ってみては。病院の治療でも取り入れられています」と笹岡さん。膀胱訓練とは、計画的に尿を我慢して、膀胱にたまる尿の量を少しずつ増やし排尿回数を減らす方法です。

トイレが近いことが負担になると、そのことが頭から離れず、少ししか尿がたまっていないのにトイレへ行くクセがついてしまうことがあります。膀胱は筋肉でできており、本来500ccくらいの容量があります。

ところが、500ccまでためずに排尿することを続けると、筋力が衰えて膀胱が小さくなったり、過敏になったりすることが。尿をたくさん蓄えることができず、頻尿が悪化する可能性もあります。

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膀胱訓練の具体的な方法

  • ・「とりあえずトイレに行っておこう」と尿意がないのに排尿することはやめる
  • ・「出そうかも……?」といった程度ではトイレに行かず、排尿以外のことを考えたり、ゆっくり深呼吸したりすることで尿意を紛らわせる
  • ・最初は5分くらい我慢し、1週間ほど続ける
  • ・10分、20分と、我慢する時間を少しずつ延ばす
  • ・最終的に、次のトイレに行くまで2時間我慢できるようになるのが目標

排尿日誌で排尿の傾向が見えてくる

笹岡さんは、さらに「骨盤底筋体操や膀胱訓練と並行して、排尿日誌をつけてみませんか」とアドバイスします。

  • ・トイレの時刻
  • ・排尿量
  • ・尿意の有無
  • ・水分摂取量
  • ・何を飲んだか

などを毎日ノートに記録します。「排尿量は、紙製の計量カップや100円ショップのプラスチック製計量カップを活用するとよいでしょう。1回の成人女性の排尿量は200~300ccが目安なのに100ccしか出ていない、トイレに1日9回も行っているなど、排尿日誌をつけると排尿の傾向が見えてきます。

たとえば、利尿作用の多いカフェイン飲料を飲んだ30分後に尿意を感じる傾向があれば、カフェイン飲料を控えるといった対策を立てることもできます。骨盤底筋体操や膀胱訓練の成果がわかり、励みになることも。受診したときに持参すれば、診断にとても役立ちます」

気になる尿トラブルを受診する目安は?

頻尿は、単なる排尿トラブルにとどまらず、外出を控えがちになる、仕事や趣味に集中できない、夜中に目覚めることで睡眠不足になるなど、生活の質を著しく落とすことが本当の問題点です。

「トイレが近くなった」「頻繁にトイレに行きたい感覚がある」といった日が続いたら、泌尿器科を受診することをおすすめします。最近では、女性を専門に診てくれる女性泌尿器科も増えてきました。かかりつけの内科や婦人科を受診して、適切な病院へ紹介状を書いてもらってもよいでしょう。

「多くの人が、『症状がひどくて我慢できない』という状態になったころ医療機関へ相談にやってきます。症状がひどくなる前に、骨盤底筋体操や膀胱訓練、排尿日誌などのアドバイスを受けて実践すれば、改善も早いです」と、笹岡さんは指摘します。

頻尿は、自分で症状を改善できる方法がいくつかあります。中でも骨盤底筋体操は、いつでもどこでもできる手軽な筋力アップ法です。正しい方法を覚えて毎日の習慣にし、症状の改善に役立ててください。1日も早く「トイレが近い」悩みを解決し、行動範囲を広げて快適な生活を手に入れましょう。

取材・文/内藤綾子

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笹岡愛加(ささおかあいか)
女性医療クリニックLUNAネクストステージ・理学療法士
総合病院に勤務後、理学療法士の専門学校、高知医療学院に勤務。1年間フランスへ留学し、フランス理学療法士向けの骨盤底リハビリ研修会を受講。日本でアメリカ理学療法士協会の産前産後、骨盤底リハビリ研修会も受講。

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