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【医師監修】ホルモンバランスと自律神経の乱れの原因は?

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45~55歳ごろは、一般的に「更年期」と呼ばれています。この時期になると、心や身体に気持ちの不安定や体調不良など、さまざまな形で変化が見られます。その大きな原因となるのが、女性ホルモンのバランスが崩れることや、自律神経が乱れることです。なぜ、このような現象が起こるのでしょう。更年期症状に悩む女性を全力でサポートする、三鷹レディースクリニックの天神尚子先生に解説していただきました。

目次

更年期のホルモンバランスと自律神経の関係

女性の身体の働きは、主に女性ホルモンに支配されています。特に大切な役割を果たしているのがエストロゲン(卵胞ホルモン)で、初経、妊娠・出産、閉経などに大きく影響しています。

エストロゲンは、脳の視床下部→脳下垂体→卵巣へと命令が伝えられて分泌されます。しかし、40歳前後を境に卵巣の機能が衰えるため、エストロゲンの分泌量が減っていき、身体のホルモン環境は著しい変化を遂げます。卵巣から十分にエストロゲンが分泌されないと、視床下部は「もっと分泌させなさい」と命令することに。しかし、卵巣はその命令に応えられないので、脳はパニックを起こすのです。

「実は視床下部には、自律神経をコントロールする働きもあります。そのため、パニックの影響を受けて、自律神経も乱れるのです」と、天神先生は話します。

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24時間休まず身体をコントロールする自律神経

ここで、自律神経について説明しましょう。自律神経は、24時間休まずに体内の循環器、呼吸器、消化器といった内臓機能を調整している神経です。「交感神経」と「副交感神経」があり、次のような働きをしています。

●交感神経……血行促進や消化吸収、体温調節などを担い、心拍数を上げたり血管を収縮させたりして身体を活動モードにします。
●副交感神経……心拍数を下げ、血管を拡張させるなど、身体を休ませてリラックスモードにします。

自律神経が乱れると、さまざまな症状が現れる

交感神経と副交感神経が必要に応じて切り替わり、体内の環境を整えています。自律神経が乱れるとその切り替えがうまくいかなくなり、心と身体にさまざまな不調が現れることがあります。

自律神経が乱れることで現れやすい症状

  • ・イライラ
  • ・疲れやすい
  • ・のぼせ
  • ・動悸、息切れ
  • ・不眠
  • ・頭痛
  • ・発汗
  • ・腰痛
  • ・立ちくらみ、めまい
  • ・冷え性
  • ・肩こり
  • ・食欲不振
  • ・胃もたれ
  • ・便秘
  • ・下痢
  • ・無気力
  • ・集中力低下

など

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上記のような症状は、環境や生活習慣、ストレス、性格など、さまざまな要因も複雑に絡み合って現れます。「最近は、高齢出産が増えてきました。40代前半に出産すれば、育児と介護がちょうど重なることも。体力も衰える年齢にさしかかるので、大変な疲労とストレスを抱えて、更年期の症状を悪化させる人が目立ちます」(天神先生)

あなたは大丈夫? 自律神経が乱れる原因は生活習慣にも

また、天神先生は、生活習慣にも目を向けることが必要だと言います。「症状を訴える患者さんに、『毎日の生活はいかがですか?』と伺うと、睡眠不足と疲労をためている人がとても多いと感じます。

更年期に当たる女性は仕事や家庭生活などの両立で忙しく、身体を休める時間が少ないのでしょう。『それが自律神経を乱れさせて症状の悪化につながるので、注意してくださいね』とお話しています」

自律神経を整えるため、今からできることは?

自律神経を整えるために、どのようなことを心がけたらよいのでしょう。天神先生に、アドバイスをしていただきました。

■朝起きたら、太陽の光を浴びる

朝、起きたらすぐに窓のカーテンを開けましょう。目から太陽光の刺激が入ると、自律神経を整える働きのある「セロトニン」というホルモンが活性化されます。

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■適度な運動をする

ウォーキングやストレッチなどの有酸素運動を、習慣づけてください。適度な運動で気持ちよい汗を流すと、ストレス解消にもつながります。「ウォーキングなら、20分くらいで十分。激しい運動は逆に疲れてしまうので、がんばり過ぎないで」(天神先生)

■バランスのとれた食事を

腸の働きをコントロールしているのは、自律神経です。また、血糖値が上下すると交感神経を緊張させるので、自律神経が乱れがちに。食事は、肉、魚、野菜などをバランスよく食べ、栄養の偏りをできるだけなくすことを意識しましょう。

「栄養のことを考えるのが苦手」という人は、和食中心にすると簡単です。また、エストロゲンと働きが似ている大豆イソフラボンを豆腐や納豆などの食品から摂ることもおすすめ。サプリメントで補ってもよいでしょう。

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■風呂はシャワーですませない

忙しい毎日が続くと、つい「シャワーでいいか」と思うことはありませんか? 入浴は、湯船につかって、ゆっくりと身体を温めるようにしてください。副交感神経が優位になり、身体がリラックスモードに切り替わります。身体の疲れが取れ、深い睡眠にもつながります。

■質のよい睡眠をとる

自律神経の中枢がある脳を休ませるには、質のよい睡眠が何より欠かせません。睡眠時は副交感神経が働き、心身の疲れを解消し、細胞の修復も行われます。就寝前の過ごし方も睡眠に影響するので、リラックスして眠りにつけるように、ベッドへ入る1時間前にはスマートフォンを使うのは控えましょう。

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■身体を冷やさない

血流は、自律神経の働きによって調整されています。冷え性の人は、自律神経の働きが乱れているため、血流がスムーズでない可能性が。血流が悪いと女性ホルモンの流れもスムーズにいきません。寒い季節には、洋服を1枚多く着たり、ホットドリンクを飲んだりして、あったかケアを忘れないで。

■深い呼吸を意識する

気分が落ち込む、イライラする、ストレスがひどいといったときは、交感神経が優位な状態が続き、呼吸も浅くなりがちです。深い呼吸を意識すると、副交感神経の働きが高まり、自律神経のバランスを安定させることができます。

アロマオイルを炊きながらゆっくり深い呼吸をすると、より効果的。リラックスできて、自律神経を整えるのにおすすめなのはラベンダーと言われているので、試してみては。

■家族に協力してもらう

心や身体に不調が現われても、ひとりでがんばろうとする女性は少なくありません。「家事だけでも上手に手抜きをして、少しでも負担が少なくなればいいですね。それには、家族に理解してもらうことが必要です」と天神先生。

食卓のおかずを1品減らす、掃除を手伝ってもらうなど、家族と話し合って協力してもらえば心の負担も軽くなります。

「更年期だから仕方がない」はやめよう

人生100年時代がうたわれている現代で、更年期は折り返し地点です。「後半の人生をさらに輝かせるためには、更年期の過ごし方がカギとなります。やせにくい、疲れやすい、不調の改善が遅いなど、『今までと違う』ことを実感するのが更年期。現れる症状は、『身体をメンテナンスして、生活習慣を見直して』というサインです。それを自覚して、自分の身体と向き合えるとよいですね」

また、天神先生は次のように続けます。「以前は、『更年期だから仕方がない。症状がひどくてもガマンしよう』という人が多かったのですが、今はガマンする時代ではありません。『仕方がない』とあきらめないで、レディースクリニックに足を運ぶこともひとつの方法です。その人に合った、自律神経を整えるアドバイスをしてくれます。必要であれば、ホルモン療法、漢方療法など適切な治療を施し、早く改善することもたくさんあります。ひとりで悩まずに、友だち、家族、医師などに相談することから始めましょう」

取材・文/内藤綾子

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取材・監修者プロフィール
天神尚子(てんじんひさこ)
三鷹レディースクリニック院長
日本医科大学産婦人科入局後、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。日本医科大学付属病院講師となり、平成7年から三楽病院勤務。三楽病院産婦人科科長を務めたのち、平成16年に現クリニックを開業。
三鷹レディースクリニック

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