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【医師に聞く】ホルモンが増える?セックスと更年期のウソホント

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年齢と共に徐々に減っていっているような気がする“セックスの回数”…。気がつくと「しばらくしていないわ!」という方も多いのでは? 日本は世界的に見ても生涯でのセックス回数が少ない国。しかし、パートナーと素敵な毎日を過ごすには避けて通れない問題です。特に更年期はホルモンのバランスも崩れ、なかなかその気になれないもの事実。そこで、性の問題について女性のためのセックス相談も受けている関口由紀先生にお話をうかがいました。

目次

セックスで女性ホルモンは増えるの?

女性誌をたびたび飾る「セックスできれいになる!」という文字。それは、「セックスをすると女性ホルモンが増えて、肌艶もよくなりイキイキとなるから」という理由からです。しかし、セックスをすると本当に女性ホルモンが増えて女性は美しくなるのでしょうか? 答えは“YES”であり“NO”です。

「20代~30代は充分に女性ホルモンが分泌されるので、セックスをしたからといって更に女性ホルモンが増えることはありません。しかし、女性ホルモンの分泌量が徐々に減る40代以降はセックスをすることである程度増やすことができます」(関口先生)

閉経を迎えても、副腎から女性ホルモンは分泌されます。セックスをすることで、脳下垂体が刺激され、脳下垂体から出る刺激ホルモンが、副腎機能を向上させ、女性ホルモン分泌が促されるのだそう。「もしかして眉唾!?」と思っていた、「セックスできれいに」は本当だったのです。では性欲が落ちてきた時期に、どうやる気を出せばいいのでしょうか?

「性欲が落ちてきたら男女共に、定期的にセックスやマスターベーションをすれば性欲は維持することができます。おばあちゃんになってもセックスは楽しむことができますよ」(関口先生)

ただし、産後の授乳期は自然と性欲は減少します。それでも、2~3年で性欲は復活するのでご心配なく。

「日本の男性はパートナーに断られると、その後躊躇しすぎて誘わなくなりがちですね。でも、産後の女性の性欲が減退するのは一時的なこと。少し時間を置いてから、再び誘う勇気を持ってください!」(関口先生)

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更年期に起こりやすいセックスのトラブルは?

40代を過ぎるとさまざまセックスの悩みを抱えてしまうもの。関口先生によると、更年期前後のセックスにまつわる悩みは大きく3つあるそう。

・性欲の減退

男性の性欲減退の7割は機能によるもの。逆に女性の場合は、ほとんどがメンタルの問題に起因するもの。性欲が減ってきた、セックスが苦痛に感じる等でつらい思いをしているなら、カウンセリングを受けるのもオススメです。

また、筋トレをすると性欲がアップするという効果も。なぜなら性衝動を高める効果のあるテストステロン(男性ホルモン)は筋肉が増えることでアップするから。運動機能の維持という側面を見ても、更年期以降を健やかに過ごすには日常的な運動が欠かせません。

「実は、更年期以降の女性の性欲は“下がる” “そのまま” “上がる”、それぞれ1/3ずつ同じくらいの比率。ほとんどの人が性欲減退するかと思いがちですが、一時的ではありますが性欲がアップする人もいるんですよ」(関口先生)

・オーガズムを感じない

男性のオーガズムは射精をピークに一気に上がって、一気に下がる。といった一定のパターンがありますが、女性のオーガズムは一定ではありません。個人でオーガズムのパターンは異なるのです。

自分のオーガズムパターンを知ることで、この悩みを解決に導くことができます。クリトリス、Gスポット、ポルチオといった性感帯で、どこが一番オーガズムに達しやすいか知り、それをパートナーに伝えることも重要です。そのためにはマスターベーションをすることも有効です。

・性交痛

更年期以降の悩みで多いのがこの性交痛です。セックス時の潤い不足や、たるみといった膣粘膜の変化が主な原因。潤いが足りないと感じるようなら気軽にローションを使ってみましょう。膣粘膜は年齢と共に衰えていくことは仕方のないことですが、骨盤底筋のトレーニングで、血流をよくすることで、その進行を遅くすることはできます。

肛門と膣・尿道を別々に締めて、さらに引き上げるように力を入れて4~5秒キープしたら、緩める。これを1日20回行います。これなら仕事中でもできますね。可能なら入浴時、指を2本ほど膣に入れて行うと更に効果的ですよ。また保湿も大切。35歳を過ぎたら全身保湿した方がよいですが、そのついでに外陰部も保湿するといいでしょう。保湿することで乾燥していた女性器が、ふっくらとして性交痛も和らぎます。

「性交痛が辛いようなら、GSM(閉経後性器尿路症候群)の可能性も。GSMとは閉経後の女性ホルモン低下に伴う、外陰・腟の萎縮変化およびそれに伴う不快な身体症状症候群です。GSMには保険が適用されるホルモン補充療法もありますし、膣の若返りにも効果のある“モナリザタッチ”というフラクショナル炭酸ガスレーザー治療術もあります。痛みに悩んでいる方は、医師に相談してみてください」(関口先生)

ホルモン補充療法には、クリームやパッチ、注射など様々な方法があります。性交痛が辛く、パートナーとの関係がギクシャクしてしまいストレスが溜まってしまうようでしたら一度検討してみてはいかがでしょうか。

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更年期からのセックスの楽しみ方

セックスに関するトラブルやその解決方法を知ることができました。では、更年期以降もセックスを楽しみたい場合はどうしたらいいのでしょうか?

「65歳で定期的にセックスをしている人の割合は、ヨーロッパ諸国が50%に対してアジアは25~30%と言われています。これには“セックスは秘め事”というアジア特有の文化も影響していると思います」(関口先生)

豊かな性生活を維持するためには、“し続けること”が大事なんだそう。それは相手のいるセックスでも、マスターベーションでもOK。関口先生のクリニックには、マスターベーションにより自身のオーガズムポイントを知ることができ、それ以降マスターベーションを楽しめるようになった高齢の女性もいるそう。

一方で、先生に相談したことでご主人にオーガズムポイントを伝えることができ、それから2人でセックスを楽しめるようになった70代の方もいるんだとか。とても素敵なエピソードですね。

「大切なのは、セックスに対するモチベーションがパートナーと同じベクトルを向いていること。2人ともしたければできるよう努力すべきですし、2人とも欲求が高くなければ趣味などで楽しみを共有すればいいのです。一人がしたくて、もう一人はしたくない場合、つまり欲求にギャップがあると不幸なのです」(関口先生)

関口先生によると、欧米では「性欲が減ってきた」と医師に相談する女性が増えてきているそう。これは、女性が性的欲求を声に出せるくらい社会が成熟してきた証拠。日本の女性は、やっと嫌なときに断れるようになってきた状況です。「日本の社会も更に成熟していけば、日本人女性ももっと自由に生きられるようになっていく」と関口先生は予測してくれました。

年齢を重ねるからこそ出てくるセックスの悩み。なかなか友人やパートナーに打ち明けることは難しいかもしれませんが、だからこそお医者さんに相談するといいのかもしれません。また、悩みを解決してくれる方法もあるので、恥ずかしがらずに実践してみるのもいいでしょう。

パートナーと思いを共有しながら行うセックスは人生を豊かにしてくれます。悩みがあれば、ぜひパートナーや医師に相談し、幸せな性生活を送りましょう。

取材・文/小野

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取材・監修者プロフィール
関口由紀
女性医療クリニックLUNAグループ理事長
山形大学医学部卒業。横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学修了。2005年に『横浜元町女性医療クリニック・LUNA』を開設。医学博士、経営学修士、日本泌尿器科学会指導医、日本東洋医学会指導医、日本排尿機能学会専門医、日本性機能学会専門医、横浜市立大学医学部泌尿器病態学客員教授

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